Nobee谷口の撮影日記 / 第二章

1998年の10月30日の早朝、5時頃です。いつものように、深夜に自分のホームページの更新を終え、メールのチェックだけはしてから寝ようとメールボックスを開きました。

それは私のいつもの習慣に過ぎません。すると何やら見なれぬメールが届いていました。

差し出し人にはTBSと書いてあります。

また、いつものイタズラか？　と最初は思いましたよ。

時々、あるんですよねー。そういった冷やかしやイタズラは。非常に残念ですが、ホームぺージを開設した初期の頃からそぅいったトラブルも絶えませんでした。ある出版社などはかなり長い期間、グチャグチャと訳のわかんないメールを送りつけていた時期がありました。

仕事が仕事ですからね。寄せられる相談の中には危険なものも含まれます。過去には宗教絡みのものや金銭絡み、犯罪や事故に関わる事件や依頼などもありました。私なら何か面白い情報を握っているのかも、と思うのかもしれませんね。

私は公共良俗に反する行為は元々行っていませんが、やはりどうしても備えだけは必要になるんですよ。

こういったホームぺージを持った時点というか自分が催眠などに関わった時点で、ある程度、危険や出来事や嫌なトラブル、催眠を勘違いしたおかしな連中が近寄ってくるかもしれない、といった予感はありましたから。当時、嫌な出来事が頻発していた時期でもあったので、かなり不信感が増していたんですよ。

そのメールについては、

（なんだかなー？）

と不審には思ったものの確かめるためにメールアドレスやログインをチェックしてみました。転送サーバーやプロキシサーバーをカマして誤魔化したり、誰かが成り済ましたような痕跡はありませんでした。

電子メールにもね、一種の匂いがあるんですよ。独特の感覚というか、文章や内容、その人の持つ癖や文体、句読点の打ち方、段組、そのメールの送られた時間帯やメールアドレスなどに特徴があり、こちらで感じ取れる相手のヒントが様々に含まれています。

情報量は意外に多いんですよ（笑）。下手をするとメールを送った本人が考えるよりも実際にはかなりの手がかりがあったりもします。冷静にそれを見つめると、相手の姿も朧げに感じる場合があります。

長期に渡ってホームぺージを運営、管理されている方なら皆さん、私と同じような感覚を持つはずです。

その時に送られたメールにはそういった特有の嫌な雰囲気は見当たりませんでした。むしろいたずらメールんどとは異なっており丁寧で好感の持てる内容となっていました。

このメールを送送ってきたのは当時、アシスタントディレクターの方だったんですけどね。

電子メールにも仕事のできるできないとか、良い人か嫌な奴かなどは滲むものですよ。たかがメールですし、決まりきった手順や形式の挨拶のようにも思えますが・・・。実際に私は毎日、膨大な量のメールの受け答えを行います。

するとね。社会的に地位を手に入れたり、出世する人は自然にわかるようになります。私は現在も、彼を信頼すると同時に高く評価している一人です。

送られたメールの内容です。

メールには手を加えておりません。原文の通りです。

ただし、担当者の名前は外しました（笑）。関係者のご迷惑になると困りますから。

後でわかったんですが、「ワンダフル」というのは、TBSから全国ネットで配信されているバラエティ番組なんです。

深夜（PM11.55分）からのー時間番組で地方によっては30分枠です。深夜の番組にはいわゆるお色気番組が多いんですが、その中で唯一、情報バラエティといっていい独自のスタイルを持つ番組なんですね。

さわやかお色気系っていうんでしようか？　ありがちな女の子の入浴シーンとか、水着のシーンも殆どない。まあ、たまにはあるようですけどね（笑）。それくらいはご愛橋でしょうか？

時間帯を考えるとかなり珍しい。これには結構、驚きました。番組に出演している女の子の数は多いですし、綺麗な子が揃っていますがヌードはありません。

もっとも、これも向こうに行ってからわかったのですが・・・。

なんでこの番組を知らないかというと、当時私の住んでいた近畿では放送されていないんですよね。TBSの番組は「NEWS23」までしか流れてません。筑紫哲也さんが好きでよくあの番組は見ていましたので。

そのまま流れれば当然のように見ているはずですがネットの関係で流れてないんですよ。

私は現在（この原稿を書いている時点では）大阪在住です。ですから内容がわからない。だから最初は質の悪いイタズラか？　と思った訳です。

とりあえず、電子メールで返事を送ることにしました。

半信半疑ながら電話番号と連絡先をメールで送り、向こうからの接触を待つようにします。あちらから電話がかかってくればたぶん本物なんだ、と（笑）考えたわけです。