Nobee谷口の撮影日記 / 第二章

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ワンダフルという番組からの依頼

番組が求めていた内容(188ページ)

立体型 ストップウォッチ先にも触れましたが、どこかに出かけて行って「催眼をかけてくれ」といわれた場合、術者は異様な緊張感と戦うことになります。

難しいんですよ。技術的な問題もありますが、それ以前にかける側の心構えが。私のように部分的に何かが壊れていなければ難しいかもしれないです(笑)。

依頼を要約するとロケに行った現場で素人を相手に催眠をかけ、すぐその場で何かの面白い反応を引き出して撮りたい、という内容でした。

それのどこが難しいって? 全部です、全部。後で説明します。

内容的にはテレビ番組らしい考え方だなーというか、考えそうな内容だな、とは思いました。彼らは映像のプロの集団には違いないですが、催眠のプロではありませんから。

私からすれば、催眠に関してあちこちで聞き齧った都合の良い部分部分だけを組み合わせて、自分たちの番組で利用しようと考えているように受け取れました。

一般の方でまったく催眼に関わった経験のない人とは違い、あちこちの番組のVTRでもチェックしたのでしょう。彼らなりにですが、それなりに理解はしています。

ですが、そこには肝心な部分がないんですよ。催眠をかける時にもっとも必要な条件が欠けています。何だと思いますか?

被験性などの反応を見たり事前に割ける時間が殆どないんですよ。

催眠でショーを行う場合、それが重要なんですよ。本番よりもそこがもっとも必要になります。深夜番組でしたので、人手も予算も足りなかったんでしょうね。

その重要性がわかるのは催眠を仕事として行っている者だけでしょう。一般人とかディレクターからすればたいした問題でも無いように感じるでしょうし、簡単に端折って(はしょる、省略)しまえる内容のように思います。

番組の意図はですね、まったくの初対面の人で面識のない一般人を現地調達した上で催眠をかけて、その場で何か面白い映像が撮れないか? と考えているわけです。

確かに私も「それができれば面白い」とは思いました。反響もあるでしょう。それが可能であるならば、の話ですが。

それを求められた他の先生がことごとく「そんな状況では絶対に無理だ」といい切って帰られたのもわかる気がしました。

難しいんですよ。言っている内容が・・・。現地に行ってすぐにカメラおろして撮影を行い、催眠を用いた面白い内容を行ってサッサと帰りたい、ただそれだけの話です。

私もできればそうしたい(笑)。

ただし、それがそんなに簡単ならとっくに他の番組とか、先生がやっているはずだって事実がすっぽり抜けてしまっています。