洗脳を解く方法について

2017/12/10改訂
1998/09/01初稿

冷静な対応、家族や周囲の応援が重要です

最近、またマインドコントロールとか「洗脳」という言葉が巷を賑わしています。そういった騒動が起こる都度、ウチのヒット数が急激にあがります(笑)。

気分としては少々、複雑ですね。

アクセスログを調べてみればYahoo!やGoogleのキャッシュ、掲示板の過去ログなどでこのコーナーがひっかかっているらしく、何か問題が生じるたびに見に来る人が増えるようです。

心理学や催眠に興味を持ってもらえるのは嬉しいのですが、できることなら色眼鏡でとかおかしな方向で見て欲しくはないですね。

このホームページの運営は1997年に開始、そういった騒動が起こる前からやっていてトラブルの予防のための警告や注意も何度も何度も繰り返し載せています。

何か事件が起きる都度、急激にヒット数が上がることが良いか悪いかは別として、洗脳や取り込みなどの手法、トラブルにどのような方法があるのかの解説とその解き方についてここで簡単に紹介しましょう。

洗脳には大きく分けて二つのパターンがあります。

非定型(自己否定、環境否定を含む)

これは個人の生き方、つまりこれまでの生活や仕事、価値観について一度徹底的に壊し、自我が崩壊した後のいわるゆる間隙、頭がボーッとしたり価値観を喪失した瞬間に新たな思想、これまでとは異なった主義や思考を植え込む方法です。

別名では「ゲシュタルト崩壊」とも言いますね。これは成熟した大人には極めて有効な方法です。

いわば、「頭の固い大人向け」ですね。

この手法は社会的に成功していたり地位や名声があったり、財産、資産、金銭的に恵まれている人でもひっかかります。

むしろ成功者で自分の背景、バックボーンや学歴、名声に誇りや自負を持つからこそ有効な方法、行われる手法だと捉えていいでしょう。

なぐさめ型(社会正義、平和を訴えるも含む)

先にあげた否定型が過去に得た名声や肩書き、ご本人の努力を徹底して否定する事で精神の崩壊を目指すものならこちらはいわば肯定型です。

要するに「わかるよ、辛かったね」とか「ここにはあなたの居場所があります」「家族より私達のほうがわかってあげられます」社会や環境のために「一緒にがんばりましょう!」などと励ますことで自分たちのサークルに取り込む方法です。

困ったことにこの手法は一部の平和団体を誹謗する連中にも広がっています。

若者を中心に勢力を拡大しようとしていますが、こういった連中への献金や募金として集められた資金は本当に困っている方々には届いていません。

一部の幹部が遊興費に使ったり、自分達が私腹を肥やすのに用いる、どこかに送金する(自分たちの祖国や親族の生活費)のに使っています。

この方法はどこか純粋な部分を持つ者、どこか頼り気の無さそうで自信の無さそうな若者、都会で孤独に苛まれがちな人達、女性など独身者に多く用いられる方法です。

現実には両者の複合型が多いですね。単純にどちらか一方の手法を使う組織や団体は少な両者を組み合わせているケースが多いのです。最初に「あなたは間違っている!」とやられるか、「わかるよ。私達(だけ)があなたを理解できる」とやられるかの違いです。

どちらの順番が先になっても結果は同じです。

前提としてあるのは洗脳者達の思惑だけです。表面上は「あなた」を思って叱ったり、励ましているフリはしますが、本心はそうではありません。薄汚い魂胆があるだけです。

いずれ相手は参加者に何らかのリスクや犠牲を押し付けるようになるでしょう。

利益を提出しろ、財産を差し出せ、我々にただ黙って従って何もかも言いなりになれ、ボランティアと称してタダ働きを強要したり、性的行為を強行に望むようになります。

取り込む方法は様々にある

これは洗脳とはちょっと違う話なのですが、私が催眠の施術や指導を行っていても時々「俺は催眠などにはかからない。意志が固いから」などといわれる人が現れます。

不思議なことに男女、年齢、性別、職種は問いませんよ。実際にその仕事(催眠)に携わっている私の目の前でそういった主張を始める人達がいます。

ところが、だいたいにおいてそう主張している人達はこれまでにそういったモノ(催眠、洗脳、取り込みの手法、詐偽等)に一切、触れた事も学んだ事もない人達なのです。

なのになぜだか「自分だけは大丈夫!」と何の根拠もなく思い込んでいる例が多々あります。それも私が催眠をかけるシーンを目の前で見ている番組関係者や講演会の参加者にまでいますよ。

実際の話、催眠誘導に成功するかどうかは相手の意志が固いかどうかなんて関係ありません。長年、大勢に催眠をかけたり洗脳問題に携わってきた私の感覚としては「タイミングと脳内ホルモン」「体質と環境設定」ただそれだけです。

これは詐偽とか高額商品の実演販売などでも同じですよ。

大切なのは「相手の意識をひきつける」ことです。話を聞かせるとか、相手の足を止めさせる事。

会場に足を運ばせることが第一歩でしょう。意思が固いからとか本人が何を信じているかなどまったく関係ないのです。会場に来るように仕向けて話を聞かせれば「嵌められる」と思っている連中も多い。

繰り返しますが、施術や誘導を行う場合、相手が「催眠を信じているかどうか?」などあまり関係ありません。一瞬の間隙(かんげき)と言うか心の緩み(ゆるみ)や反応を捉えられるかどうかが肝心で、「私は信じていない!」などまったく意味がないのです。

他の催眠を教えている先生とか施術を売りにしている団体の中には「催眠を信じないとダメだ!」と高圧的に迫る人も数多くいますけどね(笑)。

現実には催眠とは銘打たないだけで、催眠(療法)や心理学の応用、形を変えただけで導入されているものは数多くあります。ドラム音とか重低音の振動音が心地いいから昔からディスコとかクラブ、大音量のライブイベントがあるわけです。

宗教儀式に太鼓、ドラミングは不可欠ですよ。トランスに入る手法としては原始的なものです。

※これについては催眠って、なんなの?のコーナーなどを参照してください。2017年に加筆修正を加えてあります。

相手が信じていないと効果がないなら、あんなもの(音響効果やドラミング)に多額の費用はかけないでしょう。CMや看板、イベント用の宣伝なども同様ですよ。

消費者金融業者が、外でビラ配ったりティッシュ配る手法も心理学の応用です。まず対処者を足止めすること。広告などが入ったティッシュで意識を向けるきっかけを掴むこと。元は苦肉の策でね。法律による広告規制が厳しくてテレビCMが打てなかったからそういった手法を使っただけなんですが。

これが驚くほどの効果をあげた。「あの程度で何が出来る!」とタカを括っていた銀行やクレジットカード会社は、後になって大慌てで消費者金融を買収して傘下に収めることになっています。

のちに消費者金融のテレビCMが解禁になった背景にも、そういった手法で消費者金融が商売に成功して「大手」と呼ばれるまでに至ったからです。少々の圧力なら跳ね除けるほどの大手に育ち、違法な高金利を科すことを辞めさせる代わりに、テレビCMは解禁されることになりました。

たかがテッシュですよ? そういった「心理学や催眠の手法の応用」で実際に人は動くのです。

「信じていないから、俺は絶対に騙されない」などと言ってる人は御注意下さい。

取り込む手法は様々に存在するのですから・・・。

プロでなければ難しい

騙されない人には騙されないだけの理由があります。

例えば高額商品の販売などの詐欺に合いそうになったとします。その商品についての十分な経験や知識があると、「そんないいかげんな商品はいらない!」ときっぱりと断われます。

ところが、その商品についての知識がない場合が問題です。専門家だと称する者が現れて「業界の常識」なるものを振りかざして購入を高圧的に迫ったり、周囲にサクラがいて「あれはいい商品だ」と何人かが煽ればコロッと騙されて購入する人も出ます。

これは過去の心理学の実験、再現で(アイヒマン実験などを参照)何度も実証されています。

長くなりますから掻い摘んで説明しますが、アイヒマン実験とはナチス・ドイツの幹部だったアドルフ・アイヒマンが行ったユダヤ人のホロコーストにちなんだ実験です。

裁判を通じてアイヒマンはドイツ政府によるユダヤ人迫害について「大変遺憾に思う」と述べたものの、自身の行為については「命令に従っただけ」「だから私は無罪だ」と主張しました。

この公判時にアイヒマンは「一人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」という言葉を残したと言われていますが、数百万人とも言われる人間をただ事務処理として簡単に殺してしまえるものかどうかということをナチス崩壊後、各国の心理学者が追証実験をしたことがあるのです。

これをアイヒマンテスト、ミルグラム実験と言います。

ある状況下では良心の呵責がまったくなくなり、上官や上位者の「命令には逆らえないものかどうか?」を多くの役者や医師、学生や心理学者が参加して確認した社会心理学の代表のような実験です。

人間の心は特定の条件では指示に逆らえませんし、誘導に弱いのです。

群衆心理と言われるものもありますから、自分が群れからもはみ出す事も厭い(いとい)ます。集団生活の中で和を保つことや、集団の意を組んでそれに従うことは、そもそも人間に身を守るために備わった知恵であり本能でもあるのですから。

「簡単に誰かに騙されない人」とは自分が興味がある内容については詳しく勉強され、覚えている人です。何の勉強も中身も確認もしないのに安易に否定する人ではありません。

と同時に、自分が疑念を持ったら「きちんと誰かに相談する」姿勢を持つ人です。

社会人になった新人研修でよく使われる用語に「ホウレンソウ」と言うものがありますが。報告、連絡、相談の頭文字を集めたもので「報・連・相」と書きます。

この「報・連・相」は何もビジネスにだけ使える常識ではない。振り込め詐欺やカルト宗教に取り込まれたり、洗脳を避けるためにも有効な手段ですよ。

誰にも報告も連絡もせず相談もしない。自己判断のみに頼ってそれを過信する。それがもっとも危険です。取り返しのつかない結果を招くことになるでしょう。

「報・連・相」つまり誰かへの連絡をきちんとを行った上で、自分が納得しない商品や怪しげな情報は「はっきりと断われるだけの」勇気を持っている人がトラブルを回避します。

要するに餅は餅屋ですから(笑)。これは私がセールスや営業をやってた頃からの口癖なんですが、餅をつくのは素人でもできる。ところが専門家が作ったものはやはり出来上がりが違う。

専門であるからこそのノウハウであり知識であり経験です。外見には簡単に見えるし「俺にだって餅くらいはつけらぁな」と思うかも知れない。やっぱり専業は違います。それを付け焼き刃の者が真似たり、知ったかぶった所で追いつける筈がないですよ。

正直、詐欺師やカルト集団は手強いです。

相手は毎日そのことばかりをずっとやっているのですから・・・。

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