催眠術で女性を口説けるのか?

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初期の頃に知人を集めて行った実験

2018/12/09改訂
1997/06/00初稿

初期の頃に行われた実験、検証です

悪戯 2匹の犬

初めに言っておきますが、女の子にモテない人が催眠を覚えたら急に女性にモテるようになるか、と言えばそんなことありえませんよ(笑)。

催眠「術」ができますよ、催眠を生業(なりわい)として仕事としてカウンセリングを行っていると誰かに言った場合、一番多い質問は「女がそれで口説けるのか?」でした。

催眠が漫画やテレビなどで面白おかしく取り上げられるので、そういった感想や錯覚を持つ人たちも多いのでしょう。

残念ながら私の所に「催眠術を教えてくれ」と押しかけてくる人にも、この手のタイプが時折います。どこでそういった錯覚を持ったのかは知りませんが・・・。

※初稿として載せた1997年当時の感想です。現状は催眠についても少しづつ理解されこういった錯覚は減りつつあります。

見るからに気持ちの悪い印象の人であったり、すごーく気が弱そうで無口であったり、暗い印象であったり何を考えているのかわからない、一種の薄気味悪さや怖さを持っている人であったりする場合、相手が心を開いてくれる訳がありません。

催眠とは相手の心を理解することや開かせる事を中心とする技術であって、無理やり何かを聞き出したり、相手に「強制する」技術ではないのです。

催眠をやっている人にも当然、巧い下手があります。

「私は世界で何番目の催眠術師だ!」とか「私は素晴らしい技術を持っていて全ての悩み事を解消できる!」などと、自分で煽っている愚かしい人がいますけれど、私はそういった宣伝や広告を行う者で本物の技術者に一人も出会ったことがありません。

下心があったり高慢で傲慢な人であったりすると、それはその人の表面に覗きます。強引な勧誘や商法が嫌われる由縁でもあります。

他人を利用しようとするその下心が、その人の表情や視線、態度を歪ませるのです。

人間の第六感、第一印象や何となく受け取る感覚、女性の直感っていうのは馬鹿にできないものです。時に敏感に感じ取るんですよ(笑)。厭らしい気持ちがあったり、自惚れや傲慢さ、または薄気味悪さがあった場合、それをどんなに隠していても相手に伝わってしまうものなのです。

普段の生活の中でも、自信を持って仕事を進めている男性だったり、相手に対して思いやりがあって優しい男性だったりする場合、本人がカッコつけてわざわざ何も言わなくても、なぜか女性には印象が伝わりモテたりするものなのです。

習い事の基本は皆同じ(笑)

ある意味では女性はそういったことを見抜く天才だったりします。まあ、女性の中には男の持つ自分勝手さや強引さを「男らしさ」と勘違いしたり、気が弱く優柔不断な人を「優しい人だ」と勘違いしている人もいらっしゃいますが・・・。

催眠を「便利なマニュアル」だと勘違いしてしまって、それで「モテよう!」とか「女性が口説けるに違いない!」と思い込むその感覚が、自分が半人前で他人に相手にされない、女性から毛嫌いされる原因であり理由になります(笑)。

習い事の基本は皆、同じですよ。ピアノやバイオリン、ギターを習おうと同じですし英会話や語学、空手や合気道などでも同じ。「催眠術ができる」からモテるのではなく、何かを習っているからカッコいいのではなく、それをどう使うかどういった用い方をするかです。

語学を習ったことをひけらかしたり、あちこちで自慢げに語れば嫌われるだけでしょう。相手に英会話を強要すれば嫌がられます(笑)。

相手に何かを押し付ける行為は迷惑にしかならず、空手を習った者が暴力を振るったり尊大な態度を表情や態度に滲ませれば、尊敬されるどころか敬遠されます。

これから催眠に興味を持ったり覚えようと考える男性のためにあえて一言言うなら、催眠もたくさんある「習いごと」の一つにすぎません。英会話やボクシングを習うのと変わらないのです。

何事も得意げにひけらかしたり、誰かを傷つけたり偉そうに振るうことに使えば当然のように嫌われます。誰かを助けたりTPOをわきまえて上手に用いるならば尊敬されることもある訳ですね。

特殊なものであったり、利用者や習得者、習熟者が少ない技術や知識であれば尚更、理解されたり支援されたり喜んで貰えることもあると思いますよ。

実験の話を公開する前にこんな話をわざわざしたのは、催眠が決して特殊な技術ではないことを知って欲しいからです。やる気、覚える気があれば練習しだいで誰でもできるものだと思います。

と同時に催眠だけに頼ってモテるようになろうというのは残念ながら、大きな勘違いです(笑)。

要は催眠という技術を自分の得意分野のひとつに加えるかどうか、ここに書かれている実験の結果、知識や応用の技術を自分に加えるかどうかの問題だということです。

実験の話だけを先に書いてしまうと、どうも都合の良い所だけを抜粋して理解する人も多くて笑います(笑)。そんなに簡単じゃないんですよ。被験者(催眠をかける相手)に近寄る手法、相手に警戒心を抱かせない、相手を理解する姿勢こそが心理学の基礎であり、催眠の第一歩なのです。

そこの部分を曲解せず、正しく理解してから読み進んでください。

暗示、実験の内容

複数の女性の協力を得て、実験を試みました。

協力をして戴いたのは、二十歳から三十五歳までの既婚未婚の女性十数人です。正確なデーターを取るには不十分な参加人数かもしれませんが、一般の方に参加して戴くにはこの辺の数が限界でした。学生の参加希望者もいましたが、未成年者は私の一存で除かせていただきました。

被験者の職業はOL、公務員、主婦、家事手伝い、水商売(アルバイト)など、出来るだけ片寄らないように異なる職種から選んでデーターを取らせていただきました。

実験の内容はきわめてシンプルです。

事前に筆記でアンケートを行い、可倒テスト等で簡単な非暗示性(催眠のかかりやすさ、テキスト参照)を調べ、かかりやすい人を中心に催眠を深くして行きます。

全員を後催眠現象が起こる所まで催眠をかけたら、一旦催眠術を解き、全員の前に一人の男性を紹介します。

女性たちがその男性をみたときの第一印象、表情、反応や言葉使いを観察、一部は録画しました。またその後、女性一人一人に男性を見たときどういった感情が湧いたのかを面談して聞いて、詳しく調査しました。

女性たちにかけた催眠(暗示)の内容については、次の通りです。

1.あなたの前に一人の男性が立っています。その男性がとてもステキに見えます

2.あなたはその男性を自分のものにしたい、と強く感じます

3.反応の良かった被験者数人を選んで、その人達には更に3と4を追加します。

4.その男性があなたに「二人っきりになりたいな」と言ったら「私も一緒にいたい」と強く感じます

5.一緒にいたいと感じるようになったら「どこにでも一緒に行きます」と相手に告げ、男性と腕を組みます

という、暗示を追加しました。

最後におまけとして

6.彼が「ホテルに行きたい」というと、彼と腕を組んでホテルについて行きます

という所まででお終いです。