正しい催眠誘導の方法 / 第七章

集光効果でもトランスは起こる 正しい催眠誘導の方法

凝視法の解説(36〜38ページ)

なぜ、まぶたは重くなる?(36ページ)



催眠を学ぶ際、通常は凝視法から勉強することになります。基礎中の基礎です。

初心者はまず、わかりやすい凝視法から勉強してみることにしましょう。

被験者(催眠をかける相手)を椅子に座らせます。

深呼吸をさせてリラックスさせた後、少し上向きに顔をあげさせます。

被験者の頭より少し高い位置の一点に指を出し、そのまましばらくじっと見つめさせます。

その後で、「私の指(ペンライト)をあなたがじっと見ていると、あなたのまぶたは重くなってきます」といった指示を被験者に与えます。たったそれだけのことで、被験者はまぶたを開けていられなくなったり、眠くなったりするのです。

実は被験者の集中力とタイミング、時間さえ許せば、間違いなくまぶたは重くなるのです。

ところが被験者にすればそうは思いません。施術者の言葉で「自分のまぶたがだんだん重くなった」ような錯覚を起こします。

実は普段の生活において、一点をじーっと見続けるなんてことはあまりありません。

冒頭の「催眠とは何か?」のコーナーでも解説していますが、自動車を運転する方の中には長時間、高速道路を運転していて眠くなった経験を持つ人もいることでしょう。

これは、前に見える車のテールランプを無意識のうちに凝視することによって起こります。

ですから、高速道路における追突事故などは、日中よりは、周囲が暗くなってテールランプがはっきり浮き上がって見える夕方から夜にかけてのほうが、起こり易いといえます。

単調な景色の中で、同じ速度で進んでいると一定のリズムで振動があります。

その状況で一点を見つめると急速に眠くなるのです。これは、ある種の催眠の手法と酷似しています。

そのある手法というのが、催眠の基本になる凝視法なのです。凝視法は高速道路で眠くなってしまった状況によく似ています。

上の世代の方ならご存知でしょうが、車内が静かだということが売り物だった高級車がありテレビCMでもそれを強調していました。最近はそういった宣伝しなくなっています。

それはあまり静かぎるので、居眠り運転などの要因になったのではないか? と疑われたためです。一般の方でも自分の車に遮音材を貼ってカスタマイズする方がいますが・・・。

やりすぎると危険ですので注意してください。

企業のイメージダウンになると思われるのか一般にはあまり公表されませんでしたが、居眠り運転や追突事故(赤いランプに吸い込まれるような現象)が、その特定の車種に対して他より多く報告されたと言われています。

それらを教訓に、今では必要以上に車の遮音性を高めることはしなくなりました。

ドイツに拠点を置く老舗の車メーカーなどは早くからその部分に着目しており、以前からわざと遮音性を下げた車種を販売していました。