正しい催眠誘導の方法 / 第二十一章

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安全に行える自己催眠の方法の解説

特別付録「安全に行える自己催眠の方法について」

能力開発セミナーとは異なる考え方(132ページ)

不思議なもので人によって興味というのは異なってきます。

1997年に開業した時、私は悩み事の依頼者に答えるつもりで「催眠とは何か?」をテキストやホームページで解説し、そのシステムや効果について述べればいいと思っていました。

実際には「施術依頼」よりも「指導依頼」のほうが多くて。催眠術で悩み事を解消して欲しいという人よりも「催眠術、催眠誘導の専門家からかけ方や手順、概念を習いたい」という人のほうが圧倒的に多かったのです。

この部分だけは事前の予想とはまったく違いましたね。

あと、これも違ったのは「意識改革や催眠を使った能力開発が出来るなら、それを自己催眠、自己暗示で行えないか?」といった問い合わせです。こっちも予想外でした。

要するに他人に心に直接触られることには抵抗があるので。有名な先生とか医療関係者、能力開発セミナーの連中に任せるのではなく、自分自身の手で意識改革や能力開発をする手法、何らかのコツやテクニックがあるなら教えて欲しい、ということだろうと判断しました。

どちらかというとそれは私にとって喜ばしいものでした。

実際の話、能力開発セミナーと銘打って活動している所の中にはろくでもない所もあって。カルト宗教まがいとか主催者が異様に高圧的な連中、何十年も前の技法とかやり方を焼き直しただけの所も結構あります。

そういったものに対して一般人に警戒心があるのは悪いことではありません。

このコーナーは以前に書かれた自己暗示用のテキストに一部改定を加えたものになります。

「自己改革を行いたい」とは考えるものの「他人に行われるのは嫌だ」自分で自分を変えるためなら「努力してみたい」と考える人には参考になるでしょう。

この方法は私が他者催眠で利用したイメージ法などを用い、安全に自己催眠を行う方法はないか? と模索したものです。

私は元々が営業マンとか接客業でした。子供の頃に初代の引田天功に憧れた以外は心理学とも医療関係者ともまったくの無縁で。ご縁ができた方々はこのサイトや催眠を通じてです。

大学すら出てないんですから。ゴリゴリの叩き上げに過ぎませんね。

「催眠術師のひとりごと」でも紹介しましたが、偶然遭遇した自分の彼女の精神的なトラブルから「助けてあげたい」との願いから、催眠に深入りしたに過ぎません。

宗教関係者や医療関係者でもなかったので、本来は「自己改革とか能力開発セミナー」とはもっとも縁遠い人間です。

そういったものの主催者に詐欺まがいとか人を騙してタダで使おうとする連中がいることを経験で知っており、むしろ嫌悪してる側でもありました。

今でも大っきらいですよ。だから手法には詳しいですが、自分では一度もセミナーと称するものは開かないのです。単独の講演会か練習会、番組出演までですね。

最近は「ワークショップ」を名乗るものも増えています。

実際の施術において、私が他者催眠などを用いて被験者を深化させた後、被験者が後から自分で自己管理に取り組むために自己催眠に橋渡しする場合があります。

つまり、他者催眠から「自己催眠に」変更する手法なら私でも知っていることになります。

私個人の考え方としては、どんなに悩み事とかトラブルがあるからといって一人の催眠術師なりカウンセラーなり占い師に頼り切りになって「依存」してしまうと、結果としてそれは洗脳行為に近づいてしまうと思っています。

私の家族とか恋人とか妻で、一生、一緒に寄り添うならそれもありだとは思いますがその手法だとわずか数人しか手助けしたり支えることは出来ませんね?

それでは困るのである程度まで症状やトラブルの改善が終わったら、自己管理に移行して後はご自分で行うか、そういった人たちの親族とか家族、恋人やパートナーに引き継ぎたいと願って考えられたものです。

また、精神的なトラブル、圧迫感や自律神経失調症などに悩む人の解決のために、一般的には難解な「シュルツの自律神経訓練法」などについても触れています。

シュルツの自律訓練法なども一種の自己暗示や自己催眠に近い部分はありますが。そもそもは能力開発や自己改革を謳ったものではありません。

自律神経の失調症や精神的な不安感から制御が難しくなったり、トラブルに見舞われた人を治したり救う方法がないか? と提唱されたものだったので、私としてもその意義とかシステムに興味を持ち納得ができたんですよ。

それで勉強したことがあります。