催眠の実際例

2017/12/01改訂
1999/12/12初稿

相談者の言葉がそのままの意味とは限らない

私が催眠を用いたカウンセリングをやっていることを知っている人から、時折相談や依頼を受けることがあります。

私の場合、催眠について宣伝はあまり必要としていません。だいたいにおいて、依頼はこのホームページから行われます。

ホームページを通じて私を知った方からのメールか、以前に担当したことのある方やそのご家族、ご友人からの紹介が多いですから。

時折、勘違いして掲示板や自身のWEBで「私は催眠の大先生だ!」煽る連中がいますが、そのようなことを大声で叫べば叫ぶほど変な奴だと思われて、一般の方々からは敬遠されると思います。

※この文章は1999年に初稿が書かれました。当時は一般人のネットに対する警戒心が今よりももっと薄かったので、安易な自作自演、宣伝文句や煽り文句で騙そうとする連中が大勢いました。

私は技術とか知識、経験は自らが大声で喧伝(けんでん)するものではなく、静かに徐々に浸透してゆくものだと思っています。

私が初期の頃から自分のホームページにリンクすらあまり貼ろうとしなかったのは目的が異なるからですね。大声で効果や技術を誇ることはむしろ逆効果で、その技術に過大な期待を抱く変な連中や、特異な部分を利用して金儲けを企むおかしな連中を引き寄せることになってしまうと思ったからです。

それでは催眠や、本来のカウンセリングの意味を歪めます。

私は口コミで十分だと思っています。催眠とかカウンセリングは一人当たりに割く時間がかなり重要になりますから、一度に多数に関わる事はできません。

どんなに頑張ったとしても限界もあります。対応する私は一人しかいませんから。

余談ですが、これはこの仕事を始める前に携わっていた接客業から得た経験ですが・・・。お客さんというのは平等に扱われることを嫌います。

一日の営業時間は8時間から10時間でしょう。そこに10人のお客様が来たとして平等に扱おうと考えた場合、一人頭に割ける時間はせいぜい1時間程度となってしまう。

それでは困るのです。

管理運営、商売をしている側は精一杯対応しているつもりになります。物理的に割ける人員は決まっており一日は有限なのですから。ところがその対応だと来店者は強い不満を持ちます。

自分以外の9人、つまり「残りの9時間を他の人に使った」との印象だけが強く残されるのです。これには驚きました。接客時間を平等に割り振るお店のほうが、人気がなくなって潰れます。

特別扱いして欲しいんですよ(笑)。

それなら、日時を変えて一人に2、3時間使ったほうがおそらく良い反応が得られるのです。

下手に宣伝して一気に押しかけられるよりも分散して少しずつ増えたほうがいい。取材お断りのショップや飲食店がたまにあるのは。それが宣伝よりもお店のマイナスとなるからです。

少人数だと店が回りません。顧客やユーザーが困って相談に行った時に時間がないからと短い面談だけで済ませると強い不満、嫌な印象だけが心に強く残るからですね。

それでも何人か知り合いや友達、後輩とか眠れなくて困ってる人などの相談に時々のっているだけで自然にお客さん(?)が増えてしまいます。人からの紹介が多い分だけ断るに断れない(笑)。

過去には深夜に自宅に押し掛けられるようなことも何度かありました。

今回紹介する実例もそんな中の一つです。

ある友人からの紹介で、私は一人の女性の相談にのることになりました。

※私の著書からの続きです。ご本人に了承を頂いたものを実際例としてここに掲載してあります。

彼女の悩みは仕事のこと?

最初に聞いたのは、「知り合いの女性が仕事のことで悩んでいる。あなたのことを話したらぜひ、会いたいと言っている。相談にのってやってくれないか?」でした。

実はこの「ぜひ」というのは要注意です。

催眠をやっていることを聞いて「ぜひ」と言ってくる人の場合は深刻な悩みを抱えていることが多いものです。これは初級のテキストにも書きましたが、相談を持ちかけてくる人を気軽に考えることは危ないのです。

相談者が周囲が考えるよりも遥かに深刻な悩み事や哀しみ、過去の体験をも持っていることもありますから、対応には慎重を期すべきだと思います。

とりあえず「まず、ご本人にお会いして話しを聞くだけなら」という約束で面談することになりました。

依頼者の女性に初めてお会いしたときの第一印象は、「落ち着いた感じの綺麗な女性」でした。年齢は二十代の後半でしょうか?

仕事のできるキャリアウーマンタイプの女性です。別にイライラと落ち着かないといった感じでもなく、タバコを持つ手が震えているとか、まぶたがピクピクと引きつるような神経の昂りも見られません。

私は依頼者と喫茶店で会いコーヒーでも飲みながら普通に話かけることから初めました。

簡単な自己紹介をし、相談の内容を確かめます。まず、どういった相談なのですか?と彼女に聞いてみると、「最近、仕事のことで悩んでいる」とのことです。

ここで注意が必要なのは、相談者が「仕事のこと」だ、としか言っていない所です。仕事場の人達との人間関係がうまくいっていないのか、営業やセールスなどで実績が上がらないので悩んでいるのか、新しい仕事に転職するために悩んでいるのか、通常であれば一番最初に話す筈の具体的な話の内容がまったくありません。

悩みごとが割とストレートな場合は、最初の会話の部分でだいたいの所がわかります。

どんなことでお悩みですか? と、こちらから水を向けても「夜、よく眠れない」とか、「イライラすることがよくある」などと答えるだけで原因については今一つ要領を得ません。相談にきた依頼者が、自分から内容をはっきり言わない場合は注意が必要です。

とは言え本人が取り乱していたり、安定をなくしているようではありませんでした。その時点で催眠をかけても大丈夫であろうと判断しました。

もしかするとご本人自身も気がついていない要因、出来事や過去の体験が根ざしているのかもしれません。それらについて探し当てるため、私は彼女の心の中へのダイビングを行うことにしました。

催眠をかける環境

催眠や施術中の内容に触れる前に、催眠をかける環境や注意点について触れておきます。

私はよほど仲の良い友人や知人か、信頼関係がある方でないと二人っきりでの施術は行いません。催眠という技術そのものが誤解や錯覚を生みやすい部分がありますし、何よりトラブルが生じた場合にお互いが嫌な思いをします。

施術者(カウンセラー)には安全に配慮する責任があるからです。

催眠中に意識を失ってしまう(これをロストと言います)方もいますので、私の場合には必ず誰かの立ち合いを求めます。

どうしても安心する親族とか友人、身内がいない、立会人や家族の付き添いがない場合にはビデオや録音機材を用いて記録を残すように配慮しています。

特に女性の場合に付き添いは絶対に必要です。

この部分の努力、配慮を怠ってはなりません。これは催眠を教える際も同じことですが、依頼者や被験者が意識を失っている間に何かあったのではないかと疑われたり、催眠においては偽の記憶症候群というやっかいな問題も抱えています。

自意識を喪失している最中には過去の体験や嫌だった思い出を再現してしまい、現実と混同して意識にすり込んでしまう症例が報告されています。手術で麻酔を受けた際にあらぬことを口走ったり、深酒した時に思いも寄らない行動やトラブルを引き起こす人が出るのは、その時、ご本人を押さえている表層意識の「蓋」が外れているからです。

悪意があってのものではないんですよ。潜在意識の領域に関しては未だにわからない部分が多い。普段の人格とはまったく関係ない言葉とか態度、表情をみせる場合もあります。

どうしても、誰か(家族が悩み事の要因の場合は嫌がります)と一緒ではいやだ、とか、立ち合いの相手の時間の都合が悪い場合は、長廻しでビデオに取るよう心がけています。日時とかのカウンターがついていますから本人が時間のロスト(感覚がなくなってしまうこと)を起こしたり、記憶の喪失を起こした場合でも安心です。

撮影したビデオテープは相談者の方に渡すようにしています。

外で施術を行う場合、以前はカラオケボックスなどを使用していました。

自宅などが環境としては一番いいのですが、ペットや子供さんがいたり電話が鳴ったりすると意識を集中できません。カラオケボックスなら適度に防音が効いていますし、相談者の自宅や職場に近いなど、都合の良い場所を選んでもらえます。

相談者の方の金銭的な負担も少なくてすみますので、以前はよくカラオケボックスで行っていました。今回は立ち合い人に彼女の友達を選び、カラオケボックスで施術を行ってみることにしました。

※最近は当方の事務所か、相手のご自宅が主な施術場所になっています。

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