Nobee谷口の撮影日記 / 第三章

ゲリラ催眠in渋谷 催眠術師のひとりごと

ゲリラ催眠 in 渋谷(204〜239ページ)

全員が不安なままでスタート(204ページ)

ドキュメント 少なめ番組収録とかロケってね。きちんと台本があるんですよ。素人出演であっても事前に作ってあります。

私は予測してませんでした。馬鹿でしょう? 考えてみれば各自、全員がアドリブで動くわけ無いですよね? 収拾がつきませんから。

事前に構成作家やディレクターがストーリーや台詞を決め台本を作ります。それを出演者が現地で読んでから、アドリブを入れたり状況に合わせた変化をつけます。

間抜けな話なんですが私は撮影や収録には台詞がある、という単純なこともわかっていなかったんですよ。当日に現地に行っていきなり台本渡された。

ビックリするっていうか、変に緊張してしまいました。

「そっか、俺にも覚える台詞があるんだ」

考えてみれば催眠をかけるシーンにおいては私がメインなわけですから、当たり前の話なんですけどね。本人からすれば「催眠をかけに行く」という感覚ばかりが先に立っている。

実演のことばかりで頭がいっぱいですから。撮影だって感覚や台詞を覚えないといけないなんて、頭にある答ないですよ。私は幼稚園以来、学芸会や演劇にだって参加したことがないです(笑)。

演者(えんじゃ)役者、タレントとしての役割を兼ねるとの自覚がないので素人丸出しです。

台本につけられていたタイトルが笑ってしまいます。なんと「ゲリラ催眼」に決まりました。

「ゲリラ催眠 in 渋谷」

催眠術師が意味もなく街頭に現れ、いきなり通りがかりのまったく縁もゆかりもない赤の他人に、催眠術をかけまくるというちょっと迷惑にも感じる企画。一応「一般人のお悩み相談」の形にはなってましたけどね。

聞いている分には面白そうでしよ? 実際にそれを実演する私や撮るほうは大変ですけどね。私も誰かがやってるなら見てみたい内容です。それを自らがこれから行うとなれば話は別です。

餅は餅屋っていうか番組を作る側や、タイトルや台詞を決める側はそれなりに考えるものです。私は「催眠をかける」ことに関しては詳しいですが、そういったタイトルやアイディアについてはいくら考えても出てくるとは思えませんね。

収録に参加しているタレント(オセロの二人)照明さんや音声さん、カメラマンやディレクター、スタッフが皆、ピリピリしているのがわかります。

きっと私もそうだったかもしれないですね。初めての撮影であり、失敗するんじゃないかな? とほんの少しでも考えれば緊張が高まってしまう。先にも触れましたがこと「催眠」においては手足の震えとか緊張した表情、声の抑揚に違和感が混じることは許されないのです。

そんなことは最初からわかって訪れたわけですが。これから日本初というか世界でもあまり例のみないことを、路上でゲリラ的にやろうというんですから、緊張しないほうがおかしいでしょう。

担当ディレクターも事前の打ち合わせでは持ち上がったしその気になった。いざ、カメラ持ち出して撮影を行おうってことになったものの不安が増したんでしょうかね? 半信半疑なのが見え見えですね(笑)。

私が帰った後になって、うまく乗せられたと思ったのではないでしょうか?

コーナー司会でロケに参加したオセロの二人も到底、信用しているようには見えませんでした。他のスタッフもそうですね。態度は悪かったですよ(笑)。

「本当にこの先生で撮影になんのか?」

という雰囲気。現場にいた全員の正直な気持ちでしょう。だって、当の本人である私もそう思ったんだもの(笑)。何しろ時間がない。当日入りですから飯もろくに食ってませんよ? 東京到着直後にテレビ局に移動、そのままマイクロバスでスタッフと合流しています。

私は自分の表情には漆ませないように気をつけてはいましたが、やはり不安はありました。

これも後で知ったのですが、私より前に収録に参加した催眠術の先生が。その番組でさんざん色々なことを吹聴して帰ったようで。「催眠術にかからないのは馬鹿だからだ」などとアイドル志望の若いタレントさんに言い放っていたため、スタッフの間でも催眠術に対する印象が悪くなっていたようですね。

最終的にロケの場所は渋谷になりました。

私は当日になるまでロケの正確な場所すら知らなかったんですよ。スケジュールの都合もあったんでしょうが、事前に教えたら私が仕込みやインチキをしようとする可能性もありますから。

当日まで教えられなかったんでしょうね。

昼過ぎからのロケで撮影だったのですが、その収録には結局7時間近くもかかりました。ニ本撮りではありましたけど冗談のような話ですね。放送はたった数十分しか流れない。

収録にはそれくらいの時間がかかるんですよ。終わった頃には周囲は真っ暗になってました。そういったものに慣れていない私としてはその手間とかかる時間にも驚きました。

渋谷の近の公園で、オープニングのシーンを撮影してからロケバスで移動、渋谷の街頭で通りがかりで一般の方に、いきなり催眠をかけるシーンを撮るようになりました。