催眠術師のひとりごと / 第三章

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多重人格と向き合って催眠を使う

心に別の人格が生まれることがある(74ページ)

これは知識として知っておいて下さい。

あまりにショッキングな出来事や幼児期や子供の頃、自分が「死ぬかもしれない」とか「耐えられないかもしれない」と考えるストレス(精神的、肉体的な圧迫感)を与えられると、自分の心の一部が独立したり、分裂したり別の人格を備える場合があります。

これを、多重人格といいます。

解離性同一性障害という言葉が、本来はその症状を指し示す言葉です。

少し前に『24人のピリーミリガン』などの本で有名になりましたから、今ならば知っている人もいるかもしれません。

解離性同一性障害とは、自分の中に別の人格が備わっており、時々、その人格が入れ替わって、その人をコントロールする現象を指します。

最近はテレビドラマなどでも時々、そういった設定、内容がありますよね? それらの多くは捉え方が薄く、現実とはまったく異なった内容にはなっていますが・・・。

当時はそういった知識や番組、書籍などはまったく存在しませんでした。「多重人格」なんて言葉自体が受け入れられるというか、存在することが日本で理解されるようになったのは、ここほんの数年の話に過ぎないのですよ。

諸説あって、「そんなものは存在しない!」と真っ向から言い切る精神科のお医者さんもいます。

特に日本の精神科医にはそのような意見も多い。そういった研究では先進国であるアメリ力においてさえ、当初は完全に否定する意見が支配的でした。

そこから更に遅れて情報が入ってくる日本では肯定派が多くなるわけがないですね。

多重人格だと判断された人の経過観察を続けること、他に症例が増えることで医師にも肯定的な意見が増えました。多重人格や解離性同一性障害は昔からあったのでしょうが記録を残すことが難しかった。

今ならば録画機器がありますから。世界各地の希少な症例をネットで共有することも可能です。

それを確認することで「多重人格というものも実在するのではないか?」に傾いています。

それでも「何かの間違いなのではないか?」とか「本人が行っている演技なのではないか?」といった論争が今も繰り広げられます。

私が偶然当たったのは、その多重人格の症状を持つ女性でした。

この本を読む人がそれを信じる、信じないというのは本書の解説とは関係ありません。

真偽の部分については私は明言を避けます。

誰がどう思おうとそれは勝手でしょう。嘘か本当か、そのような論議も起こるかもしれないですね。

ですが私は当時、私が直面した現実だけをここに書きます。