催眠術師のひとりごと / 第五章

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催眠の利用方法やストレスの軽減

ダイエットを行うための暗示(141ページ)

シャンパンダイエットや禁煙もそれを応用する形で行います。

女性を対象にダイエットの具体例をここに書きます。

「あなたは食べ物がおいしいと感じます。一口めがもっとも美味しい。深い幸福感を味わえます」

ここまでは同じですね。私が他の催眠をやってる先生や誘導者と違う点は「食べること」そのものは一切否定しない点です。

いきなり否定したり、我慢させる方向に持っていってしまうと本人に心理的な圧迫が生じやすく、次回からの誘導に失敗したり、催眠が深化しなくなるケースもあります。

それ以前に。予約があっても施術に来なくなります。

私は基本、成功報酬でしたからね(笑)。通ってくれないと痩せなくなります。心理的な圧迫感や抵抗が不増えて我慢ばかりを強化すると。

私のような後払い制度だったり効果がない時に返金を受け付けていると困るのです。

「たくさん食べるよりもよく味わって食べます。よく嚙むともっと素材のおいしさがわかるようになって嬉しく思います。たくさん食べるよりも、その料理やお菓子の味を積極的に味わうようになります」

施術者を目指す方は覚えてください。「食べてはダメだ!」といった暗示かけるとね。女性の場合はうまくいかないケースが殆どなんでよ。女性の「食ベたい」という欲求はかなりの強さを持っています。

そもそもが子孫を残すために女性の方がエネルギー効率や内蔵の吸収は強い。フィジーのような環太平洋で太っている女性が美人と言われたのはそれだけ子孫繁栄に直結しているからです。

インドやイスラム諸国でも痩せ型よりも太っている女性が好まれました。日本でも安産型という表現はあります。昆虫でもメスのほうが身体が大きくてたくさん食べます。

それだけ出産や子孫を残す時にリスクがあるからで、男性の場合とは身体の構造、精神的な要素からまったく異なっています。鳥類とか魚類でもメスのほうが身体が大きく食事は優先されることが多いですね。

男性にはストレスのはけロが食欲とは別に用意されている部分があります。接待だとか付き合いだといって外に飲みに行くことも可能ですし、また、それが良い悪いは別として風俗店やギャンブル、ナンパに行ったり車を運転するする、なんてのもあります。

女性が外でナンパしていたり、毎日、飲み歩くとやはり周囲は良い顔をしません。男性なら許される部分も女性には許されないというか、本人も周囲の目を気にして行えない部分は確かにあるんですよ。

女性の社会進出はめざましいですが、だからといって全てが自由になったのではありません。親や会社、友人や周囲の目も、ストレスになり発散の邪魔になるケースがあります。

食べることやショッピングに依存する女性の比率が男性より多くなるのは、社会の構造にも関係があるように感じます。食べることがストレス発散の手段になっている場合、それをストレートに否定したのでは、なかなか成功は難しくなります。

日本のみならず世界中で女性のナンパとか男遊びを快く思わなかったり、女性用の風俗店が発達しないのは「生まれてくる子供が」誰の子だかわからなくなるからでしょうね。

生活の基盤を守り家族という単位を養うためには男性に責任をとってもらう必要があります。女性側が気軽に誰とでも関係を持ってしまうと、そういった社会構造そのものに亀裂が入ります。

女性の場合には好きな異性というか、付き合う男性ができるまでバクバク食べていたのに、恋人ができた途端にピタッと食欲が止まったり綺麗に痩せたりもします。また逆にいえばフラれた途端に過食に走ったりたくさん食べる人は女性に多いんですよ。

男性には失恋から過食に走って肥満にまで至るケースはあまりありませんね? 多少は見かけますが女性に比べると圧倒的に少ないです。きっと他の方向に走るからではないでしょうか?

女性には多いショッピング依存も男性には少ないのです。反面、ギャンブル依存やアルコール依存は男性のほうが深刻ですね。そこの部分も微妙に異なっています。

現実には不可能かもしれませんが、他人の目を気にしないような同じ環境におけば男女共同じくらいの比率になるように思います。人間の場合は男女の差というよりは社会における構造の問題もあると思います。

ですから、女性に強引に食欲を我慢させる暗示を行えば痩せるかというと少々、疑問が残ります。

確かに中にはそれで痩せるケースもあります。実際にそういったケースも過去にはありましたので全ては否定しないのですが、その後リバウンドを起こして元に戻ってしまう可能性は高くなります。

我慢を強要する暗示は本人の意思や欲求と催眠(施術者の暗示)との力が措抗するようになるんです。その方法でも痩せるには痩せますが、その後もずっと催眠のお世話にならなければならないのなら駄目だと思いますよ?

商売として考えるのならありがたいのでしょうが(笑)。催眠(私)に依存するようになり、施設に通うことが辞められなくなってしまいます。

行くことを止めれば元に戻る可能性がありますから・・・。トラブルを解消するために用いた方法が、新たなトラブルを運んでくるようになってしまうならそれはそれで良くありません。

それでは依存させて儲けようという洗脳者とか、インチキ占い師と同類になってしまいます。

ですから、私は逆に被験者や相談者には積極的に食べ物の味を味わわせ、本人の食事に対する満足度を増すように心がけています。少量でストレスを発散させて安心感を早く与えるように心がけます。

そうすれば自然に量は減るんですよ。本人の欲求が満たされますから。

意外なようですが「よく味わって何度も嚙む」等の方法を用いたほうが「食べさせない」暗示より本人の苦痛やストレスも、全体の食物の摂取量も減ります。

場合によってはカロリーのない水やお茶なども併用します。水飲むと太るなどと言い張る時代遅れの人は流石に減ってきたと思います。積極的に食べ物の味を楽しませ、味わわせるようにもします。

「時々、お茶や水を飲んでロの中を洗います。そうすると、また一口めの感覚が呼び戻されて美味しさがより際立つようになります」

他には「食前にコップ一杯の水を飲むと気分がスーッと落ち着く」といった暗示も併用しますね。それによって、精神的なイライラから短時間にガツガツと食べるといったストレス性の肥満を軽する効果を求めます。

着席してすぐにがっつき始めるのを止めて時間を置き、気分を落ち着かせると同時に「これから食べるんだ」という準備をさせるんですよ。

その後は「食べた」という内容を身体にも頭や心にも浸透させます。すると一気に食べてしまってからハッと我に返るという過食や拒食症特有の反応を弱めたり、予防することができます。

女性で肥満に悩む人の話を聞くとね、同時に便秘で悩む人も多いんですよ。食べる速度が速すぎる。水分の補給が間に合わず、長期に渡って便秘に苦しんでいる例も多いんですよ。

そういった人は運動は嫌いなのでまったく行いません。短時間で食べて水分量が足りていない。おまけに不規則な生活パターンや過食を繰り返しています。便秘になると解消のために大量の薬を飲みます。

これでは肌荒れもしますし食べ物も美味しくはない。全体の摂取量は増えますし当然、ダイエットもうまくは行きません。それらを考え合わせ、総合的に問題の解消を狙います。

※詳しくはダイエットテキストに書きましたので、ここでは割愛します。

他にはダイエット終了後の成功のイメージを強化させる方法を行います。

「あなたが何か月後、水着を着て海を歩いているところをイメージします。あなたは、すでに何キロ痩せており、とても綺麗になっています」

「あなたの周囲の人や一緒に遊びに来た女性の友人は、あなたがとても綺麗になったとわかり、それを羨ましく思っています。あなたに話しかけてみたい、と望む男性も増えます」

彼氏とか旦那さん、パートナーがいらっしゃる場合にはそのお付き合いされている彼氏が綺麗になったあなたを褒めてくれる、などといった暗示も併用する場合もあります。

彼氏やパートナーの方のご協力が得られる場合には、実際に痩せたら褒めてもらうように協力をお願いする場合もあります。そのほうが効果が持続しやすいですから。

身内や恋人が話しかける優しい言葉も一種の暗示には違いないのですよ。ですから誤った用い方やご本人が傷つくような内容では困りますが、そうでないならば周囲が協力してあげるのも一つの方法です。