催眠術師のひとりごと / 第五章

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催眠の利用方法やストレスの軽減

催眠を用いて行動を止める(125ページ)

禁煙マーク催眠の専門用語で、行動抑制という言葉があります。

催眼や暗示を用いて、その人の行動や習慣を修正したり正そうという発想です。例えば、喫煙などがそうですね。その人の「夕バコを吸う」といった行動を抑えて、禁煙させようという方法です。

ショーなどにおいては、被験者に「タバコがマズい!」といった暗示を与えます。もしくはもっとストレートに「タバコが吸えなくなります」といった暗示を行います。

すると、本人はタバコを吸った途端に嫌な感じがして手放してしまったり、タバコを吸おうとはしなくなったり、タバコを見るのも嫌がったりします。

これは一見、素晴らしい効果があるように感じられます。それを見ている周囲に与えるインパクトは強烈でしょう。催眠を用いると「今すぐにピタッと」タバコが止められるような錯覚さえ生まれるでしょう。

そういった形で催眠をかけるものを「行動抑制」といいます。

暗示を用いその人の生活習慣における一連の行動、もしくは生活習慣の一部に直接的に暗示で干渉し、相手を動けなくするというか、トラブルに近寄らないような感覚にしてしまおう、と考える訳ですね。

行動抑制を用いた暗示の方法は、いわゆるエンターティメントというか、ショー催眠やステージ・ヒュプノシスといわれるところでは頻繁に用いられる方法です。

速効性があり誰にもわかりやすい(笑)。まあだからショーなんですが・・・。わかりにくい内容なら楽しくはないですし、集客にも繋がりません。

つまり「あなたは私がこれから私の言った通りに動きます」と指示して、本人が目を覚ますとその内容については一切、覚えていない。それなのになぜか、施術者の言った通りに被験者が動き始めます。

それを目撃すると「凄いな」と感心したり、驚いたりします。「催眠ってこんなことができるんだ!」と思わせたり、強烈なインパクトを与えるには効果的でしょうね。

リアクション、つまり行動に何らかの影響を与えると見ていてわかりやすいんですよ。周囲から見ると「ああ、催眠が効いてるんだ」という実感があります。

本人のとる行動が明らかにこれまでのパターンとは違いますから・・・。「これが催眼なんだ」という強い印象に繋がります。

まわりくどい方法や効果が現れるまでに時間のかかる内容では、現場で見ている人たちにはわかりにくいんですよ。それがどんなに凄いことであっても理解できません。ですから、はっきりとわかる形で周囲や本人に示して催眠の持つ効果や現象、行えることを理解させる訳です。

「そっちへ行っては行けない」「行こうとしても足が動かない」とか「身体が動かなくなる」など、自分の意志で自由に行える答の行動を制限します。

催眠を用いて干渉を行い、こちらの指示(キーワード、暗示)によって行動(リアクション)を起こさせたり逆にそれをできなくしてしまうのです。

これを大裝裟に行ったり一部を誇張したものがショー催眠になります。一般の人が見ていて「面白い」と思ったり子供の頃の私のように衝撃を受ける内容の殆どは、これになります。