Nobee谷口の撮影日記 / 第三章

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ゲリラ催眠in渋谷

急速催眠の欠点(214ページ)

目のアップ放送ではカットされたんですけどね。その収録において催眼にかかった人の多くが催眠を解いた後、目が自然に涙ぐんでいたんですよ。

急速催眠の欠点はね、あまりに短時間で反応が引き起こされるために催眼にかかった人に「心の準備」をする時間がありません。ですからね、ご本人が思っているよりも多少のショックを受けるんですよ。

カウンセリングにはあまり向かない手法ですね。

車を運転している最中に、路地からいきなり何かが飛び出してきたようなものだと考えるとわかりやすいでしよう。本人は催眠については「そんな現象はあり得ない」と、かけられる直前まで思っています。

ところが、急速催眠などの手法も用いると実際にはあっという間に催眠にかかってしまうことがある。

自分が信じていた「常識」とは違う。思ってもみない反応が現れてしまう。またそれを否定したくてもできないようになると「涙ぐむ」といった身体的な反応が現れるのです。

他の先生が催眠をかける場合には「ホーラ、身体がだんだん動かなくなってくる〜」間延びした話しかけ方が多く、古い指導書とか解説書ではその「間延びした部分が大切だ」と説明しているものもあります。

ゆっくりとした話しかけ、間延びした「くる〜」の部分でかかるとか深化すると解説した書籍が大昔(明治期)にあったので、その後の多くの研究者がそれを鵜呑みにしてしまっています。

私も施術やカウンセリングを始めた当初はそれを信じていて。四苦八苦しました。

また番組関係者や一般の方々もそういったシーンや言葉遣いが印象に残るので、催眠とはそういったものだと勝手に思い込んでいるケースがあります。

実際にはそうではない。立ったままで普通の口調、わずか数分でも「かける方法」があったりします。

江戸時代とか明治時代とは流行もツールも言葉遣いや口調も音楽も異なっていると思いますが・・・。生活習慣や情報の流通量、何より「感覚」が変わっていますので昔とは違う手法もありますよ?

ですから私のような者がいきなり眼の前に現れて。何の説明も行わずに催眠をかけたり、いきなり深化させてしまった場合「これから催眠にかかるんだ」といった心の準備が整っていません。結果としてショックを受けたり涙ぐんでしまう場合もあるのです。

そこには私なりに手順をちゃんと踏んでいるんですけどね?

一般の方や、私以外の他で催眠を学んだ方にはわかりにくいでしょう。

※後で、「ラポール」については解説を加えています。

何しろ、その日の収録は時間がなかったんですよ。これは私の意向ではなく番組の予算とかスケジュールの都合です。もちろん普段はそんなことやってませんよ? もうちょっと時間をかけています。

ご協カいただいた皆さんには、この場を借りてお礼とお詫びを申し上げます。

そういったシーン(被験者が泪ぐんでいるシーン)もね、放送で流すのかな? と思っていたんですけどね。

見事に全部カットされていました。リアリティは増しますが怖かったり可哀想な映像に見えるからでしょうか? そこを放送すれば催眠は本当なんだと信じる人は増えるのでしょう。

やっぱりね、催眠ってあまりにリアルだと怖がられるんですよ。怪談と同じで、ある意味「あるかもしれない」「本当なのかな?」程度がちょうどいいのかも知れないですね。

現実に「絶対にある」とわかってしまえばショックを受ける人も多い。

ウチに催眠術を習いたいと言ってくる人の中にもあからさまな悪意が見え隠れしていたり、見るからに気持ちの悪いタイプの人もいます。

誰かを助けたりカウンセリングやアスリートの育成に利用しようではなく、自分の歪んだ欲望を満たそうとかやましい感覚、間違った感覚で近づいてくる連中だっていますよ?

「インチキかも知れない」「私だってかかるかも知れない」程度で止まるならバラエティとして成立します。あまりにもおどろおどろしい内容とかドキュメンタリー風になったら引くでしょうね。

番組を見損なった人で私が行った内容に興味がある人は再放送のお願いでもメールで出してください(笑)。今になって眺めると興味深い部分が色々と映っています。出し惜しみはしてないですから。

私は収録には参加していますが編集には一切、関わっていません。放送に閨する全ての権限は局側にあります。ですからこれは、文字通り、私の「ひとりごと」に過ぎませんから、そのおつもりで。