基礎代謝と運動強度(111ページ)
ダイエットの基礎知識として、基礎代謝と運動についての関係についても、知っておきましょう。
成人女性(20才例)の平均の基礎代謝は1200キロカロリー程度になります。
難しい話になりますから簡単にだけ触れますが、どんな動物も基礎代謝(何もしなくても一日に必要な熱量)は体表面積1平方メートルで1000キロカロリーと言われています。
これは爬虫類などの変温動物は除きます。
ですから単純に考えれば身長が高く、肥っている方は体表面積が広くなるので一日に必要な熱量は多くなる、という計算になりますね。成人男性(20才)を例にとれば、同じ計算で1500キロカロリー程度になると思われます。
身長や体重(体表面積)によって変動がありますので、興味がある方はご自分で詳しく調べてみてください。
この基礎代謝は一日、まったく何の活動しなくても生命を維持して行くのにどうしても必要な熱量になります。何もせず、じっとしていて寝ていたとしてもこれだけの熱(カロリー)は必要になるのです。
極端な話ですが「食事をとる」為に、顎を動かして咀嚼し、食品を飲み込んで消化するために内臓を動かすだけでも熱量は必要となります。
わかりやすく「体温だ」と考えてもいいですよ。雪山で遭難したり冷たい池や海に落っこちた人が仮死状態となって助かることがありますが。呼吸数が限界まで下がって脈拍数が減ります。体温も極限にまで下がりますから消費カロリーも減って、何日も経って発見された時、偶然助かる実例があるのです。
実際にはまったく動けなくなっていますので。野生動物ならそのまま死に至るでしょうね。
勿論、これだけでは足りません。普段の生活において生命を維持するためには何らかの活動が必要になります。
仕事や生活において、まったく身体を動かさないということはありません。ですから運動強度、と呼ばれる生活に必要な動作とか活動が付加して考慮されます。
先程の例で20才の女性の一日の消費カロリーの合計の平均は2000キロカロリー(中程度の運動強度の場合)といわれます。男性だと、同じ年齢で2500キロカロリーといわれます。
個人差がありますから一概にはいえませんが、その基礎代謝と運動を上回る食物が流入してくると、それは自動的に保存、つまり脂肪として蓄えるほうに廻されることになります。
その全てが貯えに廻るのではありません。いくら食べても太らない人は「脂肪を蓄える」能力が低い人です。本来なら「すぐ死んでしまう」人で(笑)。生物としては無駄が多いのでそっちのほうが良くないでしょう。
体質にもよりますが、内臓の吸収効率が良く上回る人ならば当然のように太る可能性が出てくるのです。
年齢が上昇して中年期に入ると成長期にはどうしても必要であったカロリーや栄養素が不要になります。若い時と同じ体表面積と運動強度を自己管理で保っていても、同じ量の食事をとり続ければ体重は増えます。
若い頃はかなり痩せていたお父さんが、中年になると急速に肥り始めるのはそういった理由も含んでいるからです。
特にこの傾向は若い頃、積極的に運動をされていた方に多く起こります。私は格闘技もやっていましたが、空手家とかプロレスラーにもそういった傾向が強くて苦労しますよ(笑)。一日に数時間は必ず自主トレしていましたので。
難しい話なのですが、若い頃よりも必須カロリーとかエネルギーは減るので「運動強度」は上げて、食べる量は減らす必要が出てくるのです。
ダイエットにおいては年令や性別、運動履歴に対する配慮も必要になります。