そんな手法で痩せるわけがない(105ページ)
一部のエステティックサロンの宣伝や週間誌に書かれている各種「ダイエット特集」とする物の中には、極めていい加減なものや危険を伴う物が少なくありません。
最近はかなり改善されましたが、日本におけるエステティックの現状には酷い所もあります。
技術者を育成する努力とその費用を惜しみ、アルバイトの女性がそれらしくサービスを行っているだけの所もあり、その姿勢や取り組み方には疑問も残ります。
商品を売りつけることのみに熱心で、専門的な知識のまったく伴っていない施設もあります。
心理学的には興味深い部分もありますが。ミニコミ誌とか女性誌で無料モニターを募って女性を集める。ダイエットを売り言葉としてモニターから本契約へと結びつける。おそらくですがその成功率はそんなに高くないようにも思えるので。
どうやって従業員の給料や家賃、設備費用を賄っているのか調べてみたい気はしますね。
大手といわれたエステティックや美容産業、コスメ系の幾つかが苦境に陥っているのは。ネットやスマホの普及も影響していると思いますよ? ブランドイメージを保ててよほど安心感のある所でないと。
それだけ高額なお金を払っての「満足感」とかセレブ化したという「特別感」が満たされないからだと思います。
すでに知識のある方にはいまさら感もあると思いますが。私のサイトには中高生から高齢者まで訪れることがありますので。昔からある手口とか一時流行した(今はもうやってない)ことも含めて紹介しておきます。
1.コンセラー(身体を空気圧で圧迫する装置)を使うと痩せる
どこにでもよく置いてある機械です。空気圧でチューブ状になった袋を膨らまし、その圧力で手足を圧迫し、浮腫(むくみ)をとるためのもので。医療器具として開発されました。
この器械は元々「痩せる」ためのものではありません。手足の鬱血(うっけつ)をとったり、浮腫を抑えたり血流を改善するためのもので。使い方によっては若干の危険性があり本来は、医師の指導によって行われるものなのです。
日本ではなぜか、どこの施設でもお手軽に使っています。
長時間の移動、バスや飛行機で狭い座席に座りっぱなしになっているとカルシウム分が血管に詰まったり、血流が悪くなって血栓が出来て脳梗塞や心筋梗塞の原因となることもあります。
水分のこまめな補給と一定時間で立ち上がるなどの動作を入れれば改善しますが。エコノミー症候群として有名になったものですね。コンセラーはそういったものを軽減するために開発されたと思ってください。
筋肉の緊張を凝りほぐすとして今も導入している整体院などもありますが。殆どは撤去されて「痩せるためのもの」としては用いられなくなっています。
2.マッサージすると痩せる
「マッサージすると脂肪が柔らかくなって痩せます」と平気でいっている所がありますが、これも間違いです。
先に紹介したコンセラーでも血流は改善します。ではコンセラーに丸一日、かけっぱなしにしたら何キロ痩せるのでしょう? 食事と水分をいつもどおりに摂取したら。体重の減少は「誤差の範囲」数グラムから数十グラムに納まりますよ?
そもそも「マッサージすると脂肪が柔らかくなって溶け始める」などと、いったい誰が証明したのでしょう(笑)。
あり得ない話だと思います。
一部の高齢者とか検索が出来ない人を除けば、それを信じている人は殆どいないと思います。
ただし毎年、夏が近くなるとこの手のデマや宣伝は飛び交います。温風を当てると30分でウエストが10センチも減った、とか「このクリームを塗るとすぐに腹部や足首が引き締まる」とか痩せるジェルとかクリーム、石鹸ってのもありました。
それが本当なら画期的です。全世界でそれが新しいダイエットの標準になるでしょう。高血圧も肥満による糖尿病、動脈硬化も関係がありません。悩める人には福音となります。
アメリカなどは国民の慢性的な肥満に悩んでいて成人病の拡大を抑えるために啓蒙活動までやっています。
近い将来、医療費で破綻しそうだからですよ。巨額の費用をかけてプロジェクトと立ち上げ、肥満を少しでも減らそうとしていますが、そんなクリームがあるなら配布するでしょうね。
皮肉な話ですが、汗だくになってその人にマッサージを施す人の方が、よっぽど痩せます(笑)。残念ながら、そういった外的な刺激方法では脂肪は燃焼しません。
脂肪は生理学上、生物が自分の生命の危険(食事が取れない、獲物がない、体温が下がって凍死する、など)から身を守るために蓄えられるものなのです。
ですから、外的な刺激でそうそう簡単に増減してしまったら、わざわざ身体に脂肪を蓄える理由がありません。
低周波治療器などの、低周波パルスで筋肉を直接刺激するタイプの物は多少、効果があると思われます。外的な刺激ではなく、内部の筋肉を低周波により収縮し、強制的に動かしますから運動したのと同じような効果が得られます。
これもコンセラーと同じく、本来は治療目的で医師指導の元にリハビリ用として開発されたものです。骨折して歩けないとか動けない状態でずっと固定していると筋力が弱ります。少しでも筋力を維持してその後のリハビリや社会復帰を早めようといった目的で開発されて利用されるようになりました。
ですが、幾ら効果があるからといって長時間使用することはお勧めできません。本来は骨折などで筋力の弱った方のリハビリ用なのです。ですから、低周波治療器などを長時間使用し続けると筋肉を痛めることがあります。
30分以上使用しないように、とかタイマーがセットされているのはそのためですよ。
後で触れますが、ダイエットを運動のみで行おうというのはかなり難しいのです。消費カロリーには限界があり、低周波のみの運動(筋肉への刺激)では効き目にも限りがあります。
3.サウナに入ると痩せる
確かに体重計のみの数字にこだわるならば、多少の意味はあるでしょう。サウナの後、体重計で計れば入る前よりはずっと体重が軽くなります。
ただし、それは見せかけだけで水分を補給して一日もたてばすぐに元どおりです。
最近の若い女性はこれくらいの知識はお有りでしょう。今どき、サウナに何時間も入ればすぐに痩せられる、などと思っていらっしゃる方は「女性には」少ないのかもしれません。
エステ系でもサウナは撤去が進んでいますね。サウナだけではダイエットに効果がないことが社会に常識として浸透し始めており、誤魔化しが効かなくなったからです。その言葉を信用する人は少なくなりました。
ただし、ちょっと待ってください。それがダイエットの常識として社会に広まっているのなら、当然、それと同じ方法では効果がないとも知っておかなければなりません。
エステで盛んに行われている「パラフィンパック」(熱いロウの一種で全身を包む)や、サウナスーツを着て運動する、また、週刊誌などでは「ラップをお腹に巻くといい」などといった内容が未だに書かれていることがあります。
それは「外的刺激」ですよ?
当然のことながら「ただ暑い所に押し込める」などで、身体の一部分や、身体全体の脂肪が燃焼することはありません。ラップやベルトを腰に巻くなど、汗疹や湿疹の原因にしかなりませんね。
確かに発汗作用で皮膚の老廃物を洗い流し、肌を綺麗に保つ作用はあるでしょう。美肌効果とか美顔のためになら意味はあります。ですが「痩せる」ことには直接繋がりません。
「痩せる」ことのみに関しては、外気温は殆ど影響がないのです。内臓が強く、夏バテしない人は夏でも太っています。太っている人は気温が高くなると急速に痩せるでしょうか? あまり聞きませんよね?
当然、高額な「パラフィンパック」なども同じです。元々は痩せるためではなく肌の老廃物をとる、美顔や美肌などの意味で行われるものです。
男性にはまだそういった誤った情報を信じている方がいます。サウナなどで一生懸命にお腹を摩り、長時間、サウナ室に閉じ篭っている年配の方を時々見かけます。
それだと脱水症状を起して倒れますよ。危険です。適度に身体を温めて、発汗作用を高める程度が健康にもいいでしょう。新陳代謝は活発にはなりますが、決してサウナで痩せるのではありません。
サウナ好きで知られるフィンランド人には、太ってる人結構います。日本の肥満率は4.5パーセントくらいのですが、フィンランドは19パーセント超えてますよ?
日本の約4倍です。ちなみに肥満に悩むアメリカが30パーセント台となっています。
4.水を飲むと肥る
これがダイエットで生じる誤解としては、一番困った知識ですね。
水で肥る人はいません。水にカロリー(熱量)は含まれないからです。
もしそれが本当で水にカロリーがあり水で肥るとすならば、雪山で遭難する人は水を飲んでさえいれば全員、助かってしまいます。チョコレートやチーズなんて不要ですね。
一部のエステティックやダイエット施設などでは、会員がサウナなどから上がってきたら「水を飲むと元に戻るから、1時間程度は我慢しましょうね」などと言う所もあったようです。
昔は部活や体育などで運動中には「バテるし、体力が落ちるから水は飲むな!」などと教えていた時期がありました。
不思議に思って色々調べてみた所、これは戦争中の知識が元になっています。
行軍中や移動中、水筒の水を飲み干してしまって現地で調達した所、腸チフスとか赤痢のような伝染病、食中毒で「軍隊そのものが」弱体化して壊滅したことがあって、それを戒める意味で高齢者の中に常識化したようです。
特に日露戦争時代、喉が乾いて雪を食べて下痢をしたり体調不良を起こす人が多かったため、行軍(運動)を停めてまとめて飲むようになったようですね。腹痛の薬として知られる正露丸が有名になったことも、それにちなむそうです。
ですので、水道水とかミネラルウォーター、汚染されていない水を飲む分には悪影響はないと思いますよ。
現在において、そのような事を強制するスポーツ指導者は皆無に等しいでしょう。脱水症状で倒れたら訴訟沙汰になってしまいますから・・・。それにこだわり続けるなら誰かを指導するような立場や資格などない人になります。
ハードな練習を繰り返す、プロレスや空手の道場などでも、脱水症状の防止のためにこまめに水分の補給を行うようになっています。水分の減少で血栓とか脳梗塞や心筋梗塞起こすほうが怖いですよ?
炎天下の野球部などでも常識です。最近ではきちんとした知識を取り入れるところが多くなっていますから、何十年も前のマンガような「水を飲むなど、根性で我慢しろ!」など許されなくなっているのです。
水分は摂取(口から飲む)してから、吸収し、身体に行き渡るまでに時間がかかります。ですから、運動する際にも30分毎に水分の補給をするのが理想です。
水にはカロリーがありません。ですから、幾ら飲んだとしても水で肥る人などいませんよ。せいぜい、お腹を壊すくらいです。
浮腫(むくみ)があり腎臓や肝臓の働きが悪く、何らかの事情で水分をあまりとれないような方ならば、水分を補給してはなりませんが、それ以外の方には当てはまりません。
他にも誤っているものに「水太り」といった表現があります。以前はあなたは水太りだから、水分は控えないといけない」とか「脂肪が固いから痩せるためにマッサージしましょう」と平然という所もあります。
「なーにが水太りだ」と私は笑っていましたが(笑)。脂肪層や脂肪細胞に水を多く蓄える事のできる人なんてのはいませんよ? びっくり人間コンテストで優勝確実です。
カルシウムイオンを含む良質の水は、肥るどころか成人病の予防やカルシウムの吸収を助けます。ダイエットを行う際にどうしても不足しがちになるカルシウムの補給になり、骨粗少症などの予防にも繋がるのです。
フランスなどのファッションモデルなどが、一日に3リットルもの大量の水をダイエットのために飲む場合があります。驚いたことに中には一日、6リットルもの水を飲む人もいるそうです。日本は軟水と呼ばれるカルシウムを含まない水ですが、ヨーロッパなどの水には、硬水といって高い濃度で良質のカルシウムイオンを含みます。
それを知っている「プロ」のモデルたちが、自分達の仕事、ダイエットをするために積極的に利用しているんですよ。
ダイエットにはミネラルウオーターだけではなく麦茶などでも構いません。同じく良質のミネラルを含みます。
ただし女性の場合、ダイエット中の緑茶は避けましょう。タンニンが含まれますから、鉄分の吸収を阻害します。生理などで血液を失うことがある女性に緑茶の大量摂取はあまり適していない、とも言われます。
男性も女性も、ダイエット中には水分はできるだけ、積極的に補給してください。
5.エステに通えば確実に痩せる
日本でも消費者契約法などが施行され、広告の内容は大幅に改善されました。アメリカなどでエステやマッサージで「痩せる」などと銘打って宣伝すれば、たちまち詐欺か誇大広告として訴訟になるでしょう。
当時は私の元にもそういった商法にひっかかり、相談に見える方が後を絶ちませんでした。
解約の方法や内容証明を送ることを教えたり、消費者センターなどへの連絡を行ったこともあります。効果のあるジェル? というのを数十万円もまとめ買いさせられていたり、今考えるとかなり悪質な方法を用いていた業者もいます。
何もエステをやってる所が全てが悪い、とは思っていません。きちんとやっている所もあると思います。
ですが、営利目的であまりに痩せることや「痩せるようなイメージ」を売り物にして会員を増やし、満足なサービスを提供しなかったり、誤った「ダイエット法」を当たり前のように垂れ流す施設や企業には問題があると思います。
相談として聞いて酷いなと思ったのは、いつ行っても予約でいっぱいで。購入させられたジェルを使う機会もないとか。おまけに消費期限があるんですよ? そりゃ解約しなさいと勧めるでしょう。
企業も利益が欲しいですから女性が綺麗になりたい、といった気持ちを逆手にとって痩せるイメージを強調します。都合のいい宣伝を繰り返したり、店舗や会社のやり方によっては強引な商法をとりがちになります。
流石に法律が変わったので、その手のコマーシャルは減りましたが。女性誌とかミニコミ誌、ネット広告ではまだ、そのようnそのような手法を用いている所がありますね。
皆さんも正しい知識を持って臨んでください。相手の宣伝文句にばかり都合良く流され、全てをストレートに信じ込んでしまわないように注意が必要です。
私としては、せめて危険を伴うような知識や方法を振りかざすのだけは止めて欲しいですね。また高額な金額を支払ったにも関わらず「痩せなかったのはあなたのせいです」といったような表現や対応は失礼だと思います。
エステとか一部の施設が水分をとらせないのは、体重計の針が「一瞬でも軽くなったかのように」錯覚させるためです。お金を取るだけ取って、まったく効果がなければ誰もそこに通わなくなるでしょうから・・・。
時折、スポーツクラブでもそのようなことがあるようですが・・・。頭大丈夫ですかね?
それで倒れたらスポーツクラブの責任になってしまいます。賠償問題になりますから利益どころじゃないですよ? 相手が有名人やお金持ちなら施設が潰れます。
一時的にでも体重が減っていれば、効果があったように思うでしょう? 万が一、次に行った際に体重が元に戻った場合でも、「あなたが悪い」「サボったんでしょう」と相手のせいにできます(笑)。
あなたが悪いのではなく「痩せる効果など元々ない」方法で、ダイエットを謳っているケースもあります。
消費者センターなどにこういったエステティックの苦情や問い合わせが増えたため、行政指導や法改正が行われ、ダイエットを謳い文句にした広告やコマーシャルを打つことはできなくなりました。
それでも、直接的な表現こそは避けていますが、やたらと細い足を強調したテレビコマーシャルや広告が多くなっています。
長身で細身のタレントを起用し、エステサロンが繰り返し、「ダイエットのイメージ」を売り物にした宣伝を頻繁に行っているのは周知の事実です。未だに「エステに行きさえすれば痩せるに違いない」と信じている方がいるようですが、事前によく考えてください。
それは暗示なんですよ(笑)。企業はそれを狙って宣伝や広告、コマーシャルを作るのです。
綺麗になりたいとか肌荒れを治し、落ち着いた雰囲気や高級感を味わいたい、と考えてエステに行くのには賛成です。
精神的なリラックスはダイエットにも良い効果を与えます。ですがダイエットのみを全面に押し、間違った知識や強引な商法を振りかざすような施設や企業なら、相手の勝手な言い分をこちらが認める必要はありません。
「いつも混み合っていて予約を入れても満足なサービスが受けられない」とか「化粧品やローションなど」をまとめて売りつけられた」「まとめ買いさせられた回数券チケットが余っている」などの場合は、売りつけた側に問題があります。
諦めず返金を求めるようにしてください。消費者契約法により返金が認められるケースが増えています。
6.卵やリンゴだけで痩せられる
消費者契約法などが施行されて。嘘とか偽りとか誇張を繰り返すと雑誌社などでも処分対象となります。
困った編集者とかライターが考え出したのがこの手のものでしょうね。夏が近づくと雑誌などで卵とかリンゴのみを噛っていればうまく痩せる、などといった特集が組まれますね。
最近は流石にそのような浅はかな特集記事に釣られる読者や一般人が減ったので、少なくはなっていますがネット記事とかGoogle AdSenseの広告では時折見かけます。
最近はスムージーとか青汁系が含まれます。
必須脂肪酸やアミノ酸と呼ばれる物があります。確かに卵などは食品としてはバランスに優れ、必須アミノ酸やタンパク質を含みます。ですが、だからといって同じ食品をいつも延々と食べ続けるなど身体にいい訳がありません。
一日に必要な食品の数は30品目と言われています。いつも30品目をキチンと食べていれば素晴しいですが、実際にはなかなか難しいでしょう。やはり、生活のパターンにもよりますし、一人暮らしなどだとどうしても外食やコンビニで買ってきた物が増え、食生活が片寄りがちになります。
ただでさえ現代人の食生活は片寄っています。ですからせめて、「ダイエットだから」と単一の食事や食品に片寄ってしまうのでは止めたほうがいいと思いますよ?
できる限り、バランスのとれた食事を心がけましょう。ダイエット中だからこそ逆に、カルシウムやビタミン、必須アミノ酸や脂肪酸などはとっておかなければなりません。
どんなに優れた食品や、バランスのいい食物でも、一種類で、全てを摂取可能な食品などありません。バランス栄養食品なども、最近は様々に出ていますが、それも同じことです。
7.楽しい食事を心掛けましょう
これはダイエットに関する注意とか警告ではないですが。心掛けたほうが良い部分です。
食事をする際に家族や友人と楽しく会話をしながら食べると、栄養の吸収率が上がることが、医学的にも証明されつつあります。鍵っ子とか親が自宅にいなくていつも一人で食事をしていると成長が阻害されるという研究結果もあります。
「楽しい」と考えて食物を採ると、栄養の消化、吸収効率は高くなるのです。ですから、一部の病院や施設などでは、怪我や病気の療養中、食事の際に話しかけることや入院中は集団で食事を採る方法がとられます。
意味を取り違えないでください。だからといって私は、ダイエットのために「一人でつまらなさそうに食事をしろ」といっているのではありません。
楽しい食事は栄養の吸収を上げる作用があると共に、ストレスを軽減し、イライラや嫌な出来事を吸収緩和し、感情を和らげる働きがあるんですよ。
このコーナーの冒頭で書きましたが、もっとも大切な概念は「我慢を強いること」ではないのです。辛い部分や苦しい部分を「減らすこと」ですね。
ですから、できれば楽しい食事を心掛けてください。
女性に多くみられるストレス性の肥満の場合、発散方法が飲食以外に他に見つからず、一番手っ取り早い方法として食べることや、飲むことで発散させている場合は多いのです。
男性ならアルコール依存とか賭博が多いですね。女性の場合は過食や異常な金額のショッピングとか。いずれもストレスを紛らわすための代償行為でしょう。
誰かと話しながら食事を採るようにしたら、全体の食物の摂取量は減ったとの報告例もあります。しゃべることで一気食いは出来なくなりますし、何よりストレスも減ります。
単一の食品のみでのダイエットは身体によくありませんから、行わないようにしてください。私の行う方法ではバランス良く食品をとり、その上で不必要なカロリーや必要以上の食欲、食べることへの欲求を催眠で干渉し和らげて行きます。
何も食べることそのものがいけないのではありません。
必要以上に本人が食べ過ぎ、イライラする根底には必ず何かの原因がある筈なのです。
食べては駄目だと考えると余計に苦しくなります。食べさせることを強引に制御するのではなく、むしろ「食べないですむ」生活習慣や「ストレスを軽減する」方法を考えることが、健康的で綺麗に痩せるための第一歩なのです。