暗示の使用例(98〜122ページ)
催眠に対する考え方の違い(98ページ)
このテキストの29ページにおいて暗示の解説を行いました。
催眠においての暗示とは方向性を決めるものであり、効果をはっきりと求めるために不可欠なものになります。上手に用いるならば、安全性も高く、気持ち良く効果をあげることが期待できます。
ここで私が実際に用いている幾つかの実際例を、幾つか紹介しましょう。
あちこちで扱われている催眠に関する書籍やテキスト、指導書の中にはどう考えても高い危険性が伴う物や、その捉え方があまりにも浅く「暗示を使って何でも我慢させればいい」といった内容が見受けられます。
表層意識(自我、顕在意識)を弱め、潜在意識に直接働く暗示は、確かに使い方によっては多大な影響があり効果があります。
ですが、だからこそ、普通の生活における言葉使いと同じで、「効果さえあれば何をやってもいい」のではなく、相手(被験者)に対する思いやりや、その人が現在おかれている状況や環境に対する配慮、トラブルの根底にある原因を考える思慮深さが必要になるのです。
具体的な暗示の使用例はこの「正しい催眠誘導の方法」のテキストか練習会で指導していました。今回のテキストの無料公開で一般の方にも読めるようにしておきます。
従来の解説書とか催眠の専門家? によってかれている方法、つまり、被験者に我慢させるやり方は、施術者の行う催眠(暗示)の力と、相談者(被験者)の持つ願望や欲望、欲求が拮抗することになってしまい苦痛を伴います。
願望や欲求のない人は「人間」ではありません。ニッコリ笑って自分では何も考えず、ただ、誰かの意志に諾々と従うならば、それは異様な光景でありそれはロボットですよ。
洗脳されて何も考えなくなった人と似ていて気持ち悪い。少なくとも私は嫌いですね。
その人の持つ個性や考え方、置かれている環境に留意する必要があるでしょう。それらに理解を示さずストレートにねじ伏せることのみを考えて、強引な手法や暗示を求め、何度も繰り返すならばそれはもはや催眠誘導とはいわず、コントロールとか、洗脳と呼ばれている手法にどんどん近づいてしまうことになります。
果たして社会では、本当にそういった力、強引な方法が求められているのでしょうか?
私は決してそうは思いません。