通りがかりの人に催眠はかかるのか?

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渋谷の街頭や雪山でロケを繰り返す

イタリアに催眠術強盗がいました(笑)

WISHES

つまり、目的地にたどり着くために「あえて遠回り」をしたり違う道筋も辿るものです。

要件だけを伝えるとビジネスライクな感覚が強くなって嫌がられます。簡単でいいじゃん、と考える若い人たちもいるでしょうが、それは間違い。

商品を売ったり、相手から譲歩を引き出すためには回り道とか無駄話も必要です。それが上手になった人が「話を端折る」(はしょる)つまり、時間や面談を短くする方法も見つけるものでしょう。

催眠術の凄腕のように煽るホームページやブログがいっぱいあります。なのに、何年も前に行った私と同程度のことがやれる人が少ないのはなぜだと思いますか?

誰でもやれるならば他局でもやるでしょうね。視聴率は高かったので。学校へ行こうのコーナーは、他を抑えて当時の最高視聴率を記録しています。

もっとも多額の費用をかけて撮影した他のコーナーよりも数字が良すぎたためか、他の出演者とかディレクターから睨まれちゃって(笑)。よくヤラセだとかインチキだって悪口言われたもんです。

出演者のタレントさん経由でその話を聞かされた時は凹みました。

良い収録をしようと睡眠時間を削ってまで訪れていても。利害関係が絡むとそんなものですよ。

私の行った方法を理解できる人は少数だと思います。わかるのは本物のプロだけでしょう。

ちょっと見にはよくある手順に見えても、私には経験で培った技術や応用があります。

身体への触れ方、手の動かし方、話し掛け方やカウントのタイミング、間の取り方などにコツがあるんですよ。私としてもこれまで延々、遠回りや基本通りの手順も行ってきています。

アレンジとかショートカットだけやってきたのではないのです。その過程の中で端折る(はしょる)べき手順とか見逃すべきではない被験者の反応があります。

これは悪い例の一つですけどね。これから催眠を勉強する方のヒントの一つになれば幸いです。

イタリアに「催眠術強盗」と呼ばれた人がいました。

レジの女の子に話しかけ「あなたは私にレジにあるお金を全て渡してしまう」と言って二十数件の犯行を重ねたそうです。そんな馬鹿な!? って話でしょう? 実話なんですよね、これが・・・。

当時、新聞やテレビで大きく取り上げられましたから。

その強盗が捕まった理由がまたおもしろいんですが、たまたま、非番で店に買い物に来ていた警察官が、レジで何やらやっている男を見て不信に思い話し掛け、犯行が発覚して逮捕に至ったのです。

かかってる本人以外、影響ありませんからね(笑)。周囲から見てると不思議な光景だったでしょう。レジの前で堂々と現金を受け取って、そのまま立ち去ろうとする客がいるんですから。

目撃してそれに気が付いた警官も凄いですけど。

私は直接、現場を見てみたかったですね。そこには私が知らないテクニックや技術、心理誘導があったかもしれないですから。

その男も、そこまでの技術があるのならそれをもっと違う方向に活かせばいいのに・・・。

もったいない話ですね。

瞬間催眠なんて無いって? 催眠には事前催眠が必ずいる? 誰がそう決めたのですか?

僕が出来ないから他の人もできない筈だって? なぜそうだと決めつけられるのですか?

ロシア(旧ソヴィエト)にも伝説的な催眠術師が居たのですが、その方はパスポートや旅券の代わりにその辺にある紙切れや葉っぱで、係員に暗示をかけてゲートを楽々と突破してみせたそうです(笑)。

人にはわからない能力や、まだ解明されていない技術は確かに存在するんですよ。

催眠もその一つなのかも知れないですね。

催眠の利用方法や応用方法は様々に模索されていますが、それでも全てが解き明かされたわけではありません。

依頼されてもやりませんが、実現はしています

その後の警察の取り調べではっきりしていますが、イタリアの事件ではレジの女の子は全員、強盗とは初対面でした。事前に会った事実はないんですよ。これをどう説明します?

このコーナーを読んだ方、催眠について多少は知っている方にお聞きします。

事前催眠、予備催眠って必要ですか?

被害にあったお店も犯人の自供があるまで、なぜ、お金がなくなっているのかわからなかったそうです。

面白いのはイタリアだけではなく、海外では時折、この手の犯罪者が出る事ですね(笑)。私にもできるかもしれませんね。経験を積んだ今となっては、こういった人達が使った技法もだいたい推測できますから・・・。

流石にこれはテレビ番組でもやりませんけどね。やれば犯罪になってしまう。私が思いついた手法は特殊だと思いますので。どこにも同種の記述は存在しません。

これについては架空世界、今後、自身の小説などで公開することにします。

番組から依頼されても受けませんよ。これを読んで依頼してこないように。

おそらく見せれば最初こそ「スッゲー」と言われますけど、後々、面倒にしかならないでしょう。

「アイツはやるに違いない!」って? 

「実演が大好きだから」って?

今でも誤解が多いんですから。勘弁して下さい。

もし、いつもそれをやってるなら私はもっとお金持ちでしょう(笑)。

私は「急速催眠や瞬間催眠はあるのではないか?」と思います。

催眠に関しては基礎知識になっているデータには古いものが多く、過去の遺物になっている物が数多くあります。特に「催眠の大家」などといわれる昔の人の本には弊害も多いですね(笑)。

ユングとかフロイトの話が大本ですが、彼ら自身もヨーロッパの田舎町でジプシーから習ったトランスの話が中心となってます。

百年以上も前の技術ですね。宗教儀式や占いに近く、そのままでは使えないでしょう。そこから知識を漁れば当然その著者と同じ結論にしか辿り着きません。

根っこが同じなのに違う実は成りませんよ。

イタリアで催眠術強盗になった人も高名な催眠術の大家でも学者などでもありませんでした。

強盗を働いたのなら、おそらくは金にも困っていたってことでしょう。

ロシアの催眠術師、あるいはアメリカに出現した催眠誘導の天才(彼はまったく言葉を使わず、握手だけで多数の催眠を行ったとされます)も、むしろ出自は低く貧しい出の者が多かったのです。

ヒトラーも過去には催眠や心理誘導を学んだとされています。彼は自信のない小男で失敗が多く、診療所に通っていて催眠に出会ったとも言われています。

カウンセリングや催眠の施術も受けましたが、自身でも心理学や催眠を勉強もしたと言われています。

催眠においては大学で催眠や心理学を専攻したり、多くの専門書を読んだ人よりも、人と触れ合う機会が多く感受性の豊かな人間のほうが巧くなる傾向があります。

同じ手順や知識を学んでも上手になる人と下手な人があります。プレッシャーを背負って実演を繰り返したり、過去に貧しさや嫌がらせなどに喘いだ経験のある人が「被験者の反応を見抜く」力が高かったりします。

ですから、太宰治が「催眠術師になりたい」と言ったわけです。

不思議な話でしょ?

彼らは名前と肩書き、まして「テレビカメラを背負うことで」誘導に成功していたのではないんです。

本当の意味で誘導に必要なもの、大切なものは何?

だから「テレビ番組でカメラクルーを大勢連れていれば催眠に成功する!」は間違いです。

ラポールや権威づけを錯覚しやたらと威張り散らせば催眠には成功する、と思い込んでいる「大先生」に会うたびに私は閉口します。

それではあまりに意識が低いですね。営業マンとかビジネスマンならわかるはずです。名刺にズラズラと経歴や肩書きを並べれば契約は全て成功しますか?

だったら東芝やSHARPは潰れなかったと思うんですが・・・。(2017年の記述です)

肩書きや地位、学閥をひけらかせばセールスの売り上げが飛躍的に伸びますか? 視聴率ならどうでしょう? 有名タレントを用いさえすれば安泰? CMに使えば商品は確実に売れますか?

であるならば簡単ですし、つまらない世界ですね。下克上やベンチャーは絶対に起こらないですから。

私はこう思います。

そういった見え透いた圧力、程度の低い権威づけ、名刺に並べられた肩書でも確かに「人間に対する多少の効果」はあります。ですがそれだけで相手を操ろうなどと考えるのはナンセンスです。

人間は言葉で感動するのです。人間だけが文字とか言葉という文化を持っています。文字の羅列、記号に過ぎない表記でも人の心を激しく揺さぶり動かすことができる。

人間以外にはない能力でしょうね。芸術の分野も文字の文化の延長線上にあるのでしょう。文字や図形、絵を描いて表現できる動物は、今のところ人類以外には存在していません。

それこそが人間の持つ能力であり、感受性であり表現力です。

時代を超えてゆく概念もある。イデオロギーもそうですし宗教や音楽もそう。他人を動かすのは「高圧的な態度」ではなく、受け取る側の心を動かす思い、作り手や伝え手が「願いや心を込める作業」だと考えています。

その内容、願い、思い、「感動」が、後世に伝わってゆく瞬間があります。

催眠に限らずどんな世界でも同じですが、車や物、肩書きや金、まして「マニュアル」だけで相手を縛り操ろうとする人は自然に物事の本質を見失います。

ふんぞり返って催眠がかかるなら、私も楽なんですけどね。

肩書きや経歴に頼れば、重要な相手の反応は見逃します。重要な情報が、相手の表情や雰囲気に現れるのはほんの一瞬なんですよ。

反応を見逃さないトレーニングを行い、経験を積むならば私の言うことは必ず理解できると思います。

撮影終了後のスタッフの一言

雪景色の2人

こういったホームページをやってるとね、著作を出している先生やテレビに出ている人と比べられました。

ディレクター
知らない人

あんたは間違っている!

って内容が初期の頃からよく届いたんですよ。

おそらくですが、私のこともその先生? のことも知らない一般の人が、勝手に比較して悪口を書き綴ってくるのです。

彼の出演している番組を見たか、著書の何冊かを読んだだけでしょ? 

現場の背景とかご本人の苦労とかまったく知りもしない。

不思議な感覚もしましたね。「あんたに催眠とか私の技術や経験の何がわかる?」との思いもあった。当時は凹んだり腹が立った記憶はあります。

私の腕は本当にそういった「先生達」と比べて劣るのかどうか、やはり興味がありました。

自分では劣っているつもりは無い。それなりに勉強と練習を重ねます。難しいケースにも取り組みますし経験も増えます。ですが、他人にはそれがわかりません。

テレビ番組に出ていることが全てで正義だ、と思い込む人が社会にはまだまだ多いのが実情です。

有名な占い師が言ってることは全て信用するとか、変なタレントもどきのおっさんが「前世が、スピリチュアルが」としつこく言っているのを聞いて鵜呑みにしている人だっています。

前世など、私はこのホームページでも真っ向から否定している側です。

► 前世は本当にあるのか?

前世は本当にあるのか?
2017/12/11改訂2004/04/08初稿聖書に書かれている一節新訳聖書ヨハネによる福音書9章、2節にこういった記述があります。先生。彼が盲人に生まれついたのは、だれが罪を犯したのでしょうか? この人ですか? その両親ですか?」これは...

そういった連中が一言、番組で悪口を言った瞬間に真面目にものづくりをしている人が中傷されたり、苦労して開発した製品の売り上げがガタ落ちしたりもするんですよ。

自分で得た知識、経験が果たして間違っているのかどうか? また、私の腕や能力は本当に「たいした技術ではないのかどうか?」を私はあえて難しい状況の中において実証したかったのでしょうね。

いわば武者修行に近い。私にとって催眠とは「誰かを操る」技術とか道具ではなく。

真剣試合、衆人環視の中で何も持たず、素手で見ず知らずの人と殴り合うことに近かったと思います。

雪山でスキーロケに行った帰り道なんですけどね。この撮影に同行していた音声さん、カメラマン、照明さんに御大とまで言われた大物が何人か混じってました(笑)。

プロからしても催眠術のロケというのは珍しいですからね。

物見遊山も兼ねてか裏方さんで照明とか音声さんの大御所、古くは初代引田天功のロケに参加したことのある方々が乗り合わせていました。

私はまったく知らなかったのですが、初代の引田天功さんは。移動中のロケバスの中でもずっと催眠術をかけて深化するように心がけていたそうで。被験者につきっきりだったそうです。

番組で放送されるのはほんの一部です。私は子供の頃にそれを見て錯覚しました。

「この人は一瞬で誰にでも催眠術がかけられるんだ!」

だから雪山ロケにもノコノコ出かけて行って。

上から滑り降りてくるスキー客を捕まえて実演に臨んだわけなんですけどね(笑)。聞いてびっくりです。私のやってることのほうが非常識だったことになります。

裏方スタッフの大御所陣は「まさか、成功するとは思わなかった」と言ってました。

その方々が最後に言った言葉です。

大御所スタッフ
大御所スタッフ

今日は先生に、プロの仕事を見せて戴きました。

私はこの一言を誇りに思います。この言葉を聞かせて戴いただけで撮影に参加して良かったと思います。たぶん、何年経ってもこの言葉を忘れたりはしないでしょう。

今後の励みにします。

収録でお世話になった皆さんには、この場を借りてお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

※このコーナーの初稿は1998年に番組出演した時に書いた内容です。サーバー移転の際に読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1998年11月23日 初稿

2018年12月10日 加筆、修正

谷口信行

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