通りがかりの人に催眠はかかるのか?

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渋谷の街頭や雪山でロケを繰り返す

職人には独特の感性、感覚や経験、「勘」がある

谷口
谷口

かかる人はみればわかる。

ある意味、これは嘘ではありません。

その後もあちこちの番組に出ました。取材も講演(公演も含む)も受けた。あちこちの場所にいってプレッシャー受けながら実演をやるとかかりやすい人を見分ける方法も出て来ます。

私の経験上で言えばかかる人はみればわかります。

面白いのはね、飲みに行ったり遊びに行って催眠を行う場合にも、私は催眠にかかりにくそうな人は無意識に避けてしまうのです。

私は実演ではかかり易い人ばかり上手に選びます(笑)。自分の気分がノッてる時は、そういった勘がまったく外れません。よく人(特に催眠を聞き齧ったりやってた人、他の先生と収録したスタッフ)に驚かれたのですが、私からすればそんなに違和感はなかったのです。

勘といえば勘の部分があるのは否めませんが、これまでの経験とか、誘導の回数による裏打ちがありますからそんなに外れない物なんですよ。

これまでに誘導に成功した例、失敗した例、当時の体調や自分の感覚などで気になったものは全てパターンとして書き起こして分類し、データーとして残してあります。

二、三日寝てない状況など流石に体調が悪く集中力が続かなくなります。ホームページの更新作業やメールへの受け答えなどで時間がないこともあるのです。

風邪をひいて高熱があったり、体調不良で入院する直前などはやっぱり読み違える場合もあります。

また無理な内容を急にやれといわれて気分がノッていない時とか、異様に緊張している時はうまくいきません。経験と共に多少、自身の体調が悪くとも誤魔化す方法やそれでも失敗しない方法も見つけましたけどね(笑)。

それにはまあある程度の年数とか熟練は必要になるでしょう。

やっぱり一種の職人芸の部分がありますから。職人は職人らしく経験や知識、技術に則って製品を仕上げ納めようとします。

ところがその職人の意見とか経験をまってく受け入れてくれない方々もいる。

そういった場合は無理です。催眠においても「絶対に除けない」手順はあります。クライアント(依頼者やスポンサー)だからと無理難題ばかりが並べばうまくはいきません。

やはり現場が誤解していると実演は難しくなります。

ただし、ある程度の部分まで私に任せてもらえるならかなりの確率でわかります。

谷口
谷口

通りがかりの人でも(かかるかどうかは)見ればわかる。

お会いした当日、ディレクターやプロデューサーは私がそういった瞬間に「ほ~」といったきり、絶句していました(笑)。

そんなことを言ったのは私一人だったからでしょう。

後でわかったのですが、その番組は今までに何度も催眠の放送をやってるんですよ。過去に何人も催眠をやってる人の面接を行った。

その全ての人が「外ロケの現場でいきなり催眠をかけるなど絶対に不可能です」といって帰ったんですよ。

そこには著名な催眠術師?とか、当時、他の番組で有名だった方も含まれます。

なのに私だけが更に踏み込んで「かかる人は見りゃわかるんだ!」といい切るんですから、おかしな話でしょう?

頭がイカれた奴が売り込みに来た、とでも思ったんじゃないですかね?

テレビ局には様々な売り込みがあります。どうしてもテレビに出たいとか有名になりたいとかお金儲けがちらつく場合は誇大広告もありますよ。売り込む側からすれば必死ですでので出来もしないことを出来ると言い張って、出演機会を得ようとする例はあります。

私にしても賭けは賭けです。やれば成功する自信はありましたが、今までにそのようなこと(通り掛かりの人にいきなるかける)をやった経験はありませんでした。

面白いからやってみたかった

実際に外で、通りがかりの人、初対面で面識がない人に催眠をかけた経験はありません。

あれば犯罪ですよ(笑)。あれは番組収録だから可能になったのです。

難しい内容ではありますが、そこまで言わなきゃ新人催眠術師なんて誰も使わないんですよ。

ただしスポンサーに飲みに連れ歩かれての実演ならある。大阪京橋のガラの悪いキャバクラでガンガン音楽が鳴っている店で。女の子にも店員にもお客さんにもかけることに成功して。喝采浴びて、おひねりまで戴いて帰ったことがあります。

私は当時、無名の新人だったのですから。技術がなきゃ馬鹿にされますよ。テレビ番組が失敗を恐れるなら、すでにどこかで実績にある先生を用いるでしょう。

今になって色々振り返ってみると当時は異様でした。どこに行って誘導やっても殆どに成功していました。

神戸のにぎやかなバーとか大阪の北新地の高級クラブとかショーパブとか。

騒がしい場所うるさい場所、私がテキストに「催眠誘導は静かな場所、環境を整備しましょう」と書いた正反対の場所で、わざわざ誘導を行い次々に成功していたのですから・・・。

明石で飲んでいる時に女性に「催眠をかけてくれ」と頼まれました。

実演してるとそれが気に入らなかったのでしょう。隣にいた危なそうな人(おそらくは本職のヤ○ザ)にインチキだと脅かされて、その人にかけたこともあーる。

ネットで知り合って一緒に飲みに行ってた友人(お医者さんです)が先にヤクザに因縁つけられてしまったので・・・。関東から来た人で事情を知らなかったのでしょうが、場所は姫路です。

尼崎、西成などと並んで関西なら結構、危険な土地柄ですね。

友人には詳しく説明しませんでしたが、助けるために実演せざるを得なかった(笑)。

その時も見事に成功したんですよ。不思議なもので私は失敗するとは思っていなかった。度胸は座ってましたからね。異常に感じるかもしれないですが、当時の私としては普通の感覚でした。

現場で何人に催眠がかかり、何人に深層誘導に成功するかは実際にやってみないとわからない。そう思っている先生も多いでしょうし、確かに事前誘導や予備催眠なしに成功するのは至難の技です。

かかりが浅くて被験者(この場合は出演者)のリアクションが弱い場合、向こう(番組側)からすれば、催眠にかかったことにはなりません。

「瞬間催眠はある!」「私には短時間で誘導ができる!」などとと言い張る自称、日本一の催眠術の大家、大先生はいっぱいいらっしゃるようですが・・・。表に出て路上で誰かを捕まえ、カメラをまわしている状況で私と同じことを行った人は今のところいませんね。

単発の企画から番組内にレギュラーコーナー持った方も見つかりません。

私のようにフリーランスで所属事務所なし、生放送(スタジオで生放送、一発勝負でも成功しています)だと尚更、難しいでしょうね。

近年になって吉本興業の芸人さんから「私だって催眠術が出来る!」ってなぜかこちらを見下ろしたメールが数人から、それも何通も届いたこともあるのですが(笑)。

だったらなぜ、テレビ番組に出て実演をしないのでしょう?

私より遥かに恵まれた立場にいて大手芸能プロダクションの後ろ盾があるんでしょうに? 私に嫌がらせ風のメールを送る暇があるならぜひ、そちらで大活躍を。

イベント会場で成功してガンガン、有名になってください。

実績のない会社とか個人に依頼する理由は?

通常そこまでの深さ、つまり、被験者にはっきりとした反応や行動を示すような催眠の場合にはかなりの時間を要します。

巷にあるたいていの指導書にもそう書かれていますよ? 私自身、テキストやビデオではそう解説することもある。乗り越える方法は様々にありますが初心者向きでないことは確かですね。

番組は視聴率のアップにためにインパクトのある映像を欲しがっていました。今までとは異なる情報や技術を求めているのですから、やはりハッキリとした反応が求められます。

これも著書でも書きましたが、打ち合わせ(という名の面接、オーディション)に行って見れば他にもね、すでに何人か催眠「術」の先生が呼ばれていました。

何人も呼んで面接は行っていたようです。私は全国区ではまったくの無名でした。その有名な人と比べれば、当然、知名度や信頼では遥かに落ちるでしょう。

ですから、私はこれまで誰も成功していない内容にあえて挑戦したんですよ。

知名度をあげたいとか番組に出たいとか以前に、ともかく自分の技術に自惚れがあったんです(笑)。

確かに通りで見ず知らずの人、赤の他人にかけたことはないですがキャバクラとかお祭り会場だって知り合いなんていやしませんよ。私は四国育ちで関西には知人や友人はいませんでしたから。

どこに行くにも常に一人。実演中に絡まれるとか入れ墨見せて凄んでくるチンピラもいました。得意先とかスポンサー絡みで失敗が許されない場所での実演をやったことがあります。

仕事として専業にする前ですが、出入りする場所に噂聞きつけて訪れてくるんですよね。

おかしな自信が満ち溢れていて疑ったことがなかったのは。それまでにも厳しい環境で仕事したり生活したことがあったからかもしれないです。

食えない時代はありとあらゆるアルバイトや仕事をやってます。

4畳半一間に二段ベッドで8人が寝てるとかね(笑)。住み込みでタコ部屋も同然の肉体労働の飯場とかね。親が離婚してからは生活が楽だったことのほうが少なかった。

学生時代から飯もろくに食えない状態で我慢したり、新聞配達しながら身体を鍛え上げてた時期があったので、精神力はそこそこ鍛えられたと思います。

私は凄腕です、などと自分でいくら煽った所で。実証しなければ誰も信じません。特に番組関係者ならそうでしょう。自信があるならば他の人達が一度もやってない事に挑戦し、大勢の目の前で成功しなければ意味などなくなってしまいます。

誤解している人がいますが、普通に事前催眠をやって普通に催眠誘導を行うならそんな人幾らでもいますよ(笑)。誰かがすでにやった事をなぞったり、物まねするのは誰にだってできます。

事前催眠(予備催眠)の概念を最初に番組に持ち込み周囲に理解させた先生は偉いし凄いですが、それを知って、同じ方法を用いれば「私もテレビに出られる」程度に捉える人は愚かだと考えます。

だったらその先生にずっと依頼すればいいのです。

その先生が「出ない」とか引き受けなくなったのなら、それはそれでまた理由があると思いますよ? 

実演には多くのリスクと緊張を伴う。そのリスクを背負う必要が無くなったか、守りたいものが増えたらやらなくなるでしょうね。過去に取引や出演経験のない素人を使いたがらないのがテレビ局です。

なのに新人とか、過去に実績のない相手を選ぶとすればそこには何らかの必然、理由が存在しないといけません。

誰かと「まったく同じ手法」をなぞるなら単なる劣化版ですね。

結局、コロンブスの卵と同じ(笑)。誰かのやった方法を見た後で「あれくらいなら俺にだってできる!」と言い出しても意味がない。誰も凄いとは思わないでしょう?

当然「過去に行われた方法」「同じ内容」でいいのなら、失敗の少ない実績のある先生に依頼します。

特殊な才能や特異な部分を持っていないと、わざわざ新しい人に依頼する必要などないんですよ。