多重人格に関する考察

スポンサーリンク
詐病や勘違い、錯覚も含まれる

演技とはあきらかに違う

入れ墨の入った女性

私は多重人格に巡り合った時、いままでそこにいた女性、自分が付き合っていた人とは「まったくの別人」に遭遇したとはっきり感じました。

口調も雰囲気も目つきや態度も違う。衝撃ですよ。

それも前日まではまったく何事もなかった。急に全身に別人の証(あかし)が刻まれているようなものです。

今考えれば絶対に言っては駄目な言葉なんでしょうけどね。

思わず、

俺
若い頃の雰囲気

お前、誰だ?

と言ってしまっています。

眠誘導をやって思ったような効果があがらないのは、催眠が悪いというよりは施術者側の不勉強でしょう。

心の反応とか引き出しの開け方を錯覚したり間違っているから。

「名前がついてるはずだ」との先入観から「貴方は誰なの?」としつこく聞けば、その場で順番に名前がつきますよ(笑)。ダニエル・キイスの書いた本「だけ」を鵜呑みにしていればそうなります。

そういった誘導を行う事は結局、その人(誘導を受けている相談者)を混乱させるだけで、良い結果を招きません。むしろ、後の人格の統合には邪魔となります。

「あなたは誰だ?」と問いつめ、その上で「違う名前があるはずなんだ!」といったニュアンスで質問を続ければ困った被験者が「別の人格のフリをする」反応が起こる可能性は否定できません。

余計に話がややこしくなるだけですよ。

私の場合、カウンセリングを行って事実関係を洗い、関係者(肉親や職場の仲間、恋人や奥さんなど)から丹念にお話を伺ってから誘導を行うのが通常です。

本当に「多重人格」であれば、ご本人に誘導を行う前にご本人の周辺に話を伺えばわかります。

不自然な行動とか記憶の欠落、何らかの痕跡とか状況が必ず追跡できますから。

24人のビリー・ミリガンも。よく読めばそう書いてあると思うのですが。多重人格やPTSDを隠蔽工作や都合よく売名や賠償に用いようとする人は内容をきちんと読みません。

自分にとって都合のいい部分だけを抜粋するのです。

催眠誘導を行うのはあくまでも「最後」です。

多重人格に関する小説や漫画などを読んで、多重人格とはただ、「別人になってうろつけばいい」と思い込みそれらしい演技をする人も現れますが、それは現実とは違い過ぎます。

多重人格とは間抜けな独り芝居のような物ではないんですよ。実際に体験したことのある人間なら、それらを混同して間違えることは決してありません。

私が多重人格を「ある」と知っているのは、私が実際にそれを体験しているからです。

私の著書「催眠術師のひとりごと」でも書きましたが、私は自分のかつての恋人がそういった状況に陥ったことから催眠に深入りしています。

今のように多重人格の本が世間でヒットする前のお話です。解離性同一性障害なんて言葉や症状名はまだありませんし、多重人格という単語すら私は知りませんでした。

当時は地方都市に住んでいましたからね。相談する場所すらなかった。スマホもネット検索もない時代です。携帯電話がやっと普及し始めた頃でカメラやレンズ機能もなかったですよ。

目の前で「その人」の人格が入れ替わる様というのは強烈で、見た者でなければわからないでしょう。私にしても体験者でないならば絶対に信用しなかったと思う。

眼球の運動とか表情筋の変化があって言葉遣いも態度も、何より「雰囲気」とか周囲に流れる空気がガラッと変わる。物を投げつけられたり、刃物を向けられたり、テーブルを引っ繰り返されたりも何度もありました。

まあ、そのような事があったのは、ご本人(その多重人格だった人)にも教えていませんが(笑)。

証拠となるビデオ(当時はHi8でした)も残してあります。

その体験がある私が、若い女の子(メールで多重人格を訴える人の多くが女性でした)の演技と実物を見間違えることはまずないでしょう。

ご本人に自覚症状はまず無い

興味深いのは、過去に担当したケースにおいて「私は多重人格だ」と自ら訴える人にそういった症状を持っていた人はいません。

演技であったり一種のパラノイアであったり、ご本人がそう思い込んでいるだけの場合が多いのです。多重人格に陥るほどの壮絶なエピソード、何らかの原因なりきっかけがまったく見当たらない。

そういった部分を指摘されると「前世で」などと言い出すケースがあって正直、辟易はします。

そんなものを理由にして盗みや犯罪行為を繰り返したり、暴力を奮ったり強姦をすることを正当化されるなら、周囲はたまったものではないですよ。

ビリー・ミリガンが壮絶な過去とかいじめに晒されたことがなくて。前世を理由に強盗や強姦を繰り返していたとしたら。それに同情したり治療を指示する司法関係者や陪審員はいたと思いますか?

医療関係者に時折、「多重人格などない!」と言い切ってしまうケースがあるのは、こういった「自分から」多重人格を自己申告、主張する患者に接する機会が多いからかも知れないですね。

多重人格が発覚する場合、だいたいは周囲がその人の異常な反応や行動に気がついて連絡があります。殆どのケースにおいて、ご本人の申告ではあり得ないのです。

ましてネット上で「複数の人格が」私に次々と順番に「メールを」送ってくるなどもないと思いますよ。自らの意思でTwitterやSNAで拡散する、ブログを開設するなども無いでしょう。

なぜなら、相談者本人(メインのパーソナリティ)にとって「別人になっていること」は決して知りたくないことで、自分には「わかってはならない」ことだからです。

乖離(かいり、乖離性同一性障害)とは「自分と精神的に切り離すこと」を差します。

自分に起こった衝撃的な出来事を「自分とは関係ないこと」だった、「他の誰かの出来事だった」と思い込んで自分を「守ろう」とする心因反応なのですから・・・。

それをストレートに受け取ってしまえば、下手をすれば死にますよ。

防衛本能でありそれ以外に「心と命を守る方法がないから」選択される苦肉の策です。

最後の一線。庇護者や保護者がいなくて精神的な「死」とか肉体的、社会的な「死」を迎えかねない衝撃だったからこそ、自分を切り離して必死に守ろうとする反応が出ることになります。

ですから、それは徹底的に隠さなければならない出来事になるはずです。

家族にも世間とか社会にも・・・。そこには「自分自身」メインパーソナリティも含むのです。

ご本人にすれば本当は「別人格ごと」捨ててしまいたいはずですよ。一瞬でも思い出したくも無いし考えたくも無いでしょう。

下手をすればその「別人格を生むことになった」犯人、虐待したり暴力を振るった加害者はその人のすぐ周辺、家族や近親者、学校や家庭に紛れ込んでいることになるのですから・・・。

自分を守るために別人になっていることは。周囲には「絶対に」知られてはならないことのはずです。

依頼者女性

誰かに話すなら死んでやる!

依頼者

病院に連れてゆくならここから飛び降りる!

私自身が実際に投げつけられた言葉です。

本当に死んでしまおうかと思うほどの衝撃を受けている。それを背負い込んでしまって捨て去る事が出来ないから別の人格に「身代わりになってもらう」ことで逃れます。

時折その人格が「何かの衝撃で」表に出て暴れ出すことでバランスをとっている例が多い。

次々と現れるのは、ただただ泣き続け、誰かに保護や庇護(ひご)を求める子供であったり、逆に「弱い自分」を守ろうと懸命になっている大人(庇護者、母親役などが典型)であったり。

名前こそないけれど、過去の嫌な体験やショックを身替わりになって背負おうとする人格です。

自分の命やメインのパーソナリティ(個性、人格)を守るために必死で戦おう、忘れてしまおう、独自の考えで動こうとする人格が複数存在することが多いのです。

自己完結で電子書籍かWeb公開かな?と

「それらについては、ホームページではなく商業ベースで出される本で書くようにします」と書いてかなり経ちました(笑)。実はすでに完成しています。

出版しようかなと思っている最中に大きな震災(東日本大震災)があったり。

地震によるトラウマとか震災をきっかけに主人公の女性が厳しい環境、状況に置かれることを書いてしまったので。今出すのはちょっと厳しいかなと思ってしまいました。

色々タイミングが悪いというか何というか。

できれば多くの人を傷つける内容にはしたくないので。手を入れて別の作品として作り直しています。

筆力は初期の頃よりはあがったでしょう。書くスピード(実際にはキーボードを打つスピード)も飛躍的に上昇しました。今なら色々なものが書けるのかもしれない。

ただし、私が躊躇(ちゅうちょ)したのは先のマスコミとか若い世代、特に思春期の女の子のような反応です。

犯行の手口を教えるようなものですね。私の書いた文章が演技指導になってしまって、よりリアルな「多重人格を装う」人が現れたり、マスコミがそういったエキストラを用意しないようにとの配慮です。

また、そういった人達は安易な犯人探しをやりかねない。

犯罪の被害者とか精神的な疾病を抱える人達に「罪」などないんです。

たいていはレイプとか幼児虐待とか過去の悲惨な体験によって症状は発動しています。

それを表ざたにすることはご本人にとって苦痛を伴います。

隠したいからこそ多重人格が生じることになる。ですが、視聴率とかセンセーショナルな出来事を求める側(マスコミ)にとって、そんなことはお構いなしに押しかけることがある。

ですので、対象者の方の無事が確認できてもう被害が及ばない、また同時に十分な時間が経過して「犯人探し」に引っかからない、誰だかわからないようにする必要もありました。

面白い出来事とか不思議な感覚、視聴者が引きつけられることであれば何だって飛びつくかもしれないですよね? すると、どんなことをかき立てられるかわかりません。

そう考えれば躊躇(ちゅうちょ)もしますし、書こうと思っても内容はよく吟味しなければならない。

私としては、一時は好きだった人です。

それで筆がというかキーボードを打つ手が止まったんですよ。その人が苦しむのも忍びないですし、多重人格について異様に盛り上がっている最中に下手なことをすれば話題として大きくなってしまう可能性もある。

ですから公開とか発表の時期は延ばすこととなりました。

お金儲けよりまずね、その女性の幸せを願ったから。綺麗事に過ぎませんが綺麗事も言えない物書きになったのでは面白くも楽しくもないですよ(笑)。単なる「ひとでなし」になってしまう。

当時はまだ若い女性でした。30数年が経過した今ならその方も容姿は変わっています。特定するのは困難になっているでしょう。性的目的とか悪戯目的とで誰かが近づく事も減ります。

当時の関係者がその女性に嫌がらせをしようと近づくとか、一方的な誹謗中傷に晒される可能性も低くなります。

もうそろそろいいんじゃないですかね?

先に述べた同一IPから「カタカナと平仮名、別人格からの異なる手紙」を送り付けたのも、実際にはマスコミ関係者じゃないか? と疑っています。

そういった本を出した所で当たらなきゃどうって事はないんですけどね。実話を含むとか実在する施設や事件を含む場合は、当たった場合も考える必要があります。

創作、フィクションであればどんな話を書いたっていい。それが漫画でありフィクションでありラノベや小説なのですから。ですが実際には多くの人に迷惑をかけないように配慮されている作品も多いですよ(笑)。

一部の身勝手な人か異常者くらいのもんです。家族や仲間内、友人の話をそのまま載せてるのは。

今は時代が進んだので書籍も自力で出すことが可能になりました。

マスコミに対してはあまりいい思い出がありません。傲慢な人とか独りよがりな人、身勝手な人には大勢会っています。自分たちが出版社から独立したいから「あなたの文章を私達の名前(編集者名)で出版したいとのたまった連中もいましたね。

彼らは自分たちが都合よく使えるデータベースのように考えているのでしょう。印税や原稿料をろくに払わない人達にもあってます。

いい出版社とか編集者に直接、出会えていたなら選択肢はまた違ったと思うのですが。残念ながらそんな人に当たったことがない。

だったら自分でやろうかと(笑)。そのほうが気が楽です。

催眠「術」のみの話ではなく、複合的な話

いわれのない誹謗中傷とか、別れた元彼女の新しい彼氏? からの執拗な接触とか。

実名で長くホームページとか情報公開をやってきて。途中でテレビ番組に出演したりがあったので良いことばかりではなくて。嫌がらせとかうっとおしいトラブルにも何度も遭うことになりました。

正直、もう閉鎖しようかとも思っていたのですが・・・。

催眠「術」の情報公開の元祖、草分け的とも言われていた私が辞めてしまうとモノマネサイトとかカルト集団、催眠団体の理事だの役員だのと誇っている連中が大喜びするだけになります。

ですので、この辺りで一度きちんと整理してメンテナンスを行い、読みやすいページとして改訂を加えて著書や書籍も出そうと考えています。

高値では出しませんよ? 中高生でも買える金額で。一部の情報は無料公開する予定です。それが宣伝にもなりますので。ホームページの更新、今回の大幅修正も今後を睨んでのことです。

ウチのホームページはテキストとリンクしている内容も多いので。タイトル名を変えるとか中身を消してしまうわけにはいかない事情もあります。

体調不良もあって偏頭痛や目まいに苦しんだりもあるわけですが。この辺りで一度整理して出しておかないと後悔しそうなので。

これまでに出版されている他の多重人格とか催眠術の本とはかなり毛色の変わったものになるかと思います。

私のこのホームページ、超長文でワンコーナーが原稿用紙換算で50ページもあるようなものを読み進んでこれた方なら、読んでも楽しいかもしれないですよ?

長年のサイトの運営、番組の出演や様々な誘導を行ってきましたので、普通では体験しない症例とかトラブルにも数多く当たったと思います。

ホームページ上では口語体で相手に話しかけるような口調で綴ってきました。解説書の書き方ですね。それがそのまま以前に書いた「催眠術師のひとりごと」とか「正しい催眠誘導の方法」テキストには使われています。

それとは違うスタイルで自分で書きたい事があります。

確かにネットでしかできない表現もある。変なしがらみがなく匿名でしか書けない告発とか事実もあるのです。それはやはり社会に必要なものです。悪意や中傷も含めてそれが社会そのものですから(笑)。

嫌なことやトラブルが相次いだ経験があっても私は「ネット社会」とか掲示板、匿名での書き込みや送られるメールの「全て」を私は否定しません。

ただし匿名ではなく自分の名前を名乗ったり、商業ベースだからこそできることもあると思いますよ。

両者は切り離すものではなくこれからの時代の両輪です。

ですから、私は「ここでは常に」実名を晒して情報公開をやってきました。リスクや誹謗中傷も承知の上で20数年間、このサイトは運営管理されています。

私としては今まで通りホームページでの公開でもいいのですが。かなり手間と時間がかかっているので、一部は電子書籍として取り扱います。

出版した場合は、よろしければご購入ください。

多重人格の話、幽体離脱や双子の話、前世を観た人、洗脳からの脱出、そのメンテナンスとケア、私が「どのような手口を使って」奪回を行ったかなどを中心としています。

このコーナーの初稿は1997年に書かれています。年数が経過しましたのでサーバー移転の際に、読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1997年09月01日 初稿

2018年12月18日 加筆、修正

谷口信行

応用と実践のインデックスへ