正しい催眠誘導の方法 / 第九章

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深呼吸をさせて指先を凝視させる

被験者に「くっついている自分の指」を凝視させる(45ページ)


指のくっつくまでの時間(スピード)には個人差があります。

初心者は勘違いしがちですが「指がくっつくまでのスピード」には意味がありませんよ? 速くくっつけばいいというものではありません。むしろ多少の抵抗があったり時間がかかってもいいのです。

焦らず確実に指示を出します。

どちらかというと被験者が途中で集中力を欠き、指先から視線を逸らさないように注意してください。

あっという間に指先が近付いてしっかりくっつく人もいますし、抵抗してなかなかくっつかない人もいますが、ここまでの手順を間違わないで行えば、殆どのケースで指先は中央でくっつくようになります。

指先がくっついたら、そのくっついた(被験者の)指先をじっと見させるようにします。これはこの後の凝視法を円滑に行うための準備です。一点に意識を集中する練習も兼ねて、指先を見させるようにします。

私の場合は重ねて、「指先をじっと見ていると段々、腕が重くなる」「手の平がくっついてしまい離れなくなる」などといった指示(暗示)を用い、そのまま凝視法に移行し、深いトランスに入れてしまう場合もあります。

そういった方法は、初心者には少々難しいですから、ここで一旦、誘導を終わり、一呼吸おいてから改めて凝視法を行ったほうが無難でしょう。