正しい催眠誘導の方法 / 第二十三章

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睡眠と催眠の違い、録画機器の準備を

ビデオカメラや録音用の器材の用意

古いビデオカメラ他に用意するといい道具はビデオカメラや録音用機材などですね。

これは急速に深化が進んで健在意識が遠のいた場合、自分の話した内容や行動、トランス中の反応を自分ではまったく覚えていない場合があるからです。

独り言のような言葉をブツブツと繰り返したり、手を持ち上げたり、身体が勝手に動き出す(自動運動)ような反応をするケースもあります。

それらを見分けるために、自分で記録を正確に残すために機材を用います。

ちょっと面白い話なのですが、私が子供の頃にはスマホとか録画機器、ビデオカメラなどはなくてですね。カセットテープレコーダーというものが流行りました。

ICレコーダーとかチップを使ったものではなく、磁気テープに録音することで記録を残せるようになって。若い世代に爆発的な人気があって当時、人気のあるアイドルタレントが次々にコマーシャルに出演していました。

面白い話というのは、そのカセットテープレコーダーをですね。録音しっぱなしにして放置しておくと「幽霊の声が録れる」という噂が立ったのです。週刊誌とかムーという雑誌でも取り上げられていました。

子供心に「本当かな?」とは思ったのですが、実はこれには後日談があります。

確かに妙な音とか声が録れるのですが。それがどうやらカセットテープレコーダーを仕掛けたご本人だったようで。いわゆる夢遊病とか無意識に何かをつぶやいたり、話しかけてしまう人というのも結構いて、ご本人には意識がないようですね。

皮肉なのはそれがわかったのは録画機器とかビデオカメラが普及したためで。音だけではなく映像が撮れるようになったら「仕掛けた御本人が」ブツブツつぶやいていたり、寝ぼけた様子で部屋に入ってきていることがわかったケースがあります。

考えればわかることですが、本当に深化が進み、自分が何かの言動をとるならば、目を覚ました時に覚えている筈がありません。完全に別人か寝ぼけているに等しいですから。

皆さんはお酒を飲んで酔っぱらってしまった時、前日の記憶が朧げになってしまったことはありませんか?

他者催眠においても、本当に深く催眠にかかり時間のロスト(時間の感覚を失う)や健忘を起こす人の場合、最後まで「私は催眠にかかった」とはいいませんし思っていません。

全部の施術が終わった後であっても「私は催眠にはかかっていない」「不自然な行動などまったくとっていない」と言張る人も大勢います。

睡眠導入剤を飲んだ後でも誰かと普通に会話したり、無意識に自分から電話したりがあります。

車を運転してしまって事故を起こしてしまうケースがありますが、ご本人は記憶がありません。しかも時間を遡って忘れています。逆行性健忘は有名な副作用の一つですが、催眠に深くかかったり自己催眠が進むとそれによく似た現象が起こります。

急激なダイエットなどでも深夜に無意識のうちに冷蔵庫を開けて食べ漁る人が出ますが、ご本人は食べてないと言い張りますよ。

「自己催眠がうまく行かない」と思っている方の中には実際には深化が深すぎて覚えていないようなケースも含まれます。当然ですが、夢遊病のような行動をとっている人に「今、あなたは何をしてましたか?」と後から質問した所で覚えている筈がありません(笑)。

意外でしたが調べてみると結構、そういった例はあるんですよ。自分ではわからない人も多いのです。ですから、それを判別するためにビデオなどの録画器材を用います。

深化さえ確実に起こっていれば、方法はあります。後は暗示の内容を詳しく考え、自己の潜在意識に刺激を与えて行くようにプログラムを考えれば効果が得られます。