正しい催眠誘導の方法 / 第二十一章

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安全に行える自己催眠の方法の解説

このコーナーで述べられていること(137ページ)

太極図他人から見て、どんな些細に見える悩みごとも本人にとっては深刻ですし、恥ずかしいものでもあります。

他人に簡単に相談を持ちかけることができるならば、悩んだりはしないでしょう。

様々な形で他者催眠に取り組み、沢山の人の心の中を覗いてきた私だからこそ尚更、相談者のそういった気持ちもわかります。

ですから、今回は今までに行ってきた私の経験を生かし、他者催眠の観点から取り入れるようになった自己催眠への応用方法や技法、また、「自分一人で安全に行える」ことを基本に考え、事前に行える安全策と、ちょっとしたコツやテクニックについて書きます。

基本的には他者催眠の応用方法です。他者催眠で用いられるイメージ法を自己催眠でも用い、催眠を深化させ効果を求めます。また、緊張を伴う仕事に従事する方が、緊張を緩めるために行っている方法などを交え、できるだけ簡単にリラックスに導かれるように考えてあります。

私はこれが絶対に正しい方法だ、これしかない、などとは考えていません。

これはあくまで私の経験から得たテクニックの一つであり、催眠という技術の中にある、数多くのバリエーションの一つなのです。

ご自分で取り組んだ経験のある方や、過去に良い指導書や方法に巡り会われ、実践されている方はそれらも参考にされてください。

何かに絞り込む前に多くの知識を持つことはいいことです。そういった意味では今回のこのテキストは、追加の知識と補助である、と考えても構いません。

また専門の方や、自分なりにトランスや自己催眠にある程度まで成功されている方には物足りない部分もあるかもしれません。

文章、という性質上、限られたページの中ではその全ての方に対応することは困難だと思われます。ですから、まず、初期のトランスやリラックスの状態を作り出すことまでを中心に、安全に行う方法や練習、心構えなどを書くこととします。

今まであちこちの本を読み、自分なりに自己催眠に取り組んだものの、今一つピンッとこない、とか、難しくてわからない、どうしてもうまく行かなかった方の多少なりとも参考になれば幸いです。

また、実際には深化が起こって、働きかけの行えるトランスにまで導かれていながら、ご本人に基礎知識が欠けているために、気がついていない場合があります。

興味深いのですが、本当に深化が進んでしまうと、他者催眠と同じく自分では「催眠にかかっていることに」気がつかないケースがあるのです。

こういった場合、ご本人に記憶はありません。深化が深くなると顕在意識は弱まります。すると、自らの記憶からはその時の部分の記憶がスッポリ消えてなくなってしまうのです。

ですからそれらを見落とさず、自分で気がつくために必要な準備や道具などについても順に触れて行きましょう。

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