自己暗示や「能力開発」で陥りやすい勘違い(133ページ)
日本における「能力開発セミナー」の歴史は古く、1970年代に朝日新聞社が記事にもしています。その記事をまとめた書籍がありましてホームページ上で紹介しています。
自己催眠を行う上でまず、注意しなければならないのは、他者催眠などとの完全な混同です。
私のホームページでも解説はしていますが、自己催眠とは他者催眠とまったく同一ではなく、また、自分の意識や記憶の全てを失うものではないことを知っておいてください。
他者催眠においてもそうですが「催眠」という言葉とか単語に過剰な期待を抱く方がいらっしゃいます。
残念ですが、催眠にさえかかれば自分の全てが一瞬にバラ色に変わる訳ではありません。
一部、能力開発セミナーなどと銘打ったものの中には、そのような内容を売り物にし、宣伝しているグループもあるようですが・・・。私は完全な否定派です。
私がテレビ番組等に呼ばれて出るようになった頃、様々な団体とか関係者を名乗る連中から勧誘も受けています。
学歴も学閥もなく、営業とか接客業出身で叩き上げの私を勧誘するくらいなんですから(笑)。連中はたいした能力なんて持ち合わせていませんよ? 話題になったと思う人物を取り込むことで自分たちに箔がつくと思っていたり、セミナーの宣伝や看板に使って一儲けできると考えているのですから。
本当に能力開発とやらに成功しているなら優秀な卒業生が大勢いるはずです。社会的に成功を納めて次々に活躍しているでしょう。私を勧誘になど来るはずがない。
残念ながら私は一人も聞いたことがありませんが・・・。
能力開発や催眠術の大家だ専門家だとおっしゃる連中が「門前に市を為す」ように私の勧誘に来たことが、その人達の浅はかさや能力の無さ、嘘の証明だと思いますよ。
現在、能力開発セミナーと銘打ってそれらしくやっている連中は当時の焼き直しに過ぎませんね。そこに目新しい内容などまったく含んでいませんよ。
では、朝日新聞が新聞記事として掲載したその1970年代に。「能力開発」を受けた人々は素晴らしい才能を開花させ世界を救う偉人とかノーベル化学賞や平和賞を受賞したり企業のトップに登り詰めているのでしょうか?
そういったものについては、すでに結果、解答が出ています。
単なる過度な期待、錯覚と思い違いでしょう。自身の経験や才能、努力に基づかない上書きされた記憶など、数日も経てば元に戻ります。
能力開発セミナーで大泣きして反省したら。翌日から営業成績がトップになってその後も継続してる、なーんて実例は一つもないですよ。だから依頼する企業も減ったのです。