正しい催眠誘導の方法 / 第十八章

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解けにくい場合は環境を変える

催眠の解除方法(92〜97ページ)

催眠の解き方の注意(92ページ)

シリンダーとキー催眠を解くにあたって大切なのは「解き忘れ」をしないことです。

後催眠(効果が持続する暗示、あるキーワードを施術者がいうと眠くなるなどが代表例)などでの効果を狙ったもの以外はすべて、解いておく必要があります。

催眠中に話しかけているのは被験者本人であって本人でないものなのです。同じだと考えてはいけません。

催眠中は被験者の潜在意識に直接話しかけています。通常の状態で顕在意識が働き、フィルターごしに景色を眺めているのではないのです。

施術者の言葉は相手の心の中心にストレートに届きます。

ですから心理的な効果もあり驚くほどの成果をあげることもある反面、間違った暗示や必要のない指示は速やかに取り除いておく必要があります。

でないと、後になって驚くほどの個性の変化や影響を残すことがあるからです。

催眠において施術者が「これくらいはいいだろう」と勝手に考えることは厳禁です。

催眠中に与えた細かい指示についても確実に取り除いておく必要があります。また施術者が後催眠として考えて効果を残した場合でも、何か不都合が起こった場合には速やかに取り除く必要があります。

個人によって、言葉の受け取り方は様々です。他の人に対して行った暗示がうまくいっても、その人が同じ暗示、同じ言葉で同じ反応が得られるとは限りません。

滅多にはないことですが、異常な反応や不都合が生じることもあります。そういった場合は、柔軟な対応が必要です。違う言葉や暗示に切り替え影響を和らげたり、問題となっている暗示は速やかに取り除いて被験者の心理的な圧迫を少なくしましょう。

それでも駄目な場合は一旦、すべての暗示を解いてください。これについては最後の「禁止暗示」(184ページ)の項で詳しく述べています。