正しい催眠誘導の方法 / 第十八章

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解けにくい場合は環境を変える

催眠を解くための手順(93ページ)

ノーターンまず被験者にはっきりと

「あなたの催眠をこれから解きます」

と宣言します。被験者にこれから現実(表層意識)に戻るんだ、という心の準備をさせるためです。

この際、同時に催眠の導入部分や催眠を深化させるために行った細かな暗示を解きましょう。

自立神経の調整を行い、「手が動かない」とか「身体が温かくなる」などの暗示を行った場合も同様です。

「あなたの手は以前と同じように自分の意思で動きます」

「あなたの身体の温度は元通りに戻ります」

難しく考える必要はありません。催眠を深化させた際に行った方法を逆に行えばいいのです。必要のない暗示には全て「元に戻ります」という言葉を入れて、確実にかける前の状態に戻してください。

でないと後になってから、「腕がなんだか重い」とか「熱がある」「気分が悪い」などといった訴えをしてくる人がいます。

そういった解除を忘れていて、催眠後、しばらくして被験者が不快感を訴える場合、次回からの催眠誘導には強い抵抗を示すようになります。うっかりして解き忘れにならないように注意してください。

施術者が初心者で、解除にどうしても不安がある場合には、

「あなたを催眠をかける前の状態に戻します」

「これで全ての暗示は解けます」

という言葉を入れておくと良いでしょう。

「これであなたを縛る暗示は一切、なくなった」と相手に告げる訳です。ただし、この方法を使ってしまうと、ダイエットや禁煙など効果を後々まで残しておきたいと考えていた暗示も一緒に解けてしまいます。

初心者のうちは、すべてを元通りに戻しておきましょう。何度か誘導に成功すれば残すべき暗示と残さないでいい暗示もわかってきます。最初から難しい暗示に挑戦し、トラブルにならないよう心掛けましょう。