PHPのバージョンが違いますから純粋な比較ではない
条件、つまりレギュレーションとか規格が違うものを比較するのは本来ならフェアではないですが。一応、唯一の絶対条件として「どちらもWordPressを使っている場合」を前提としてこの記事を書いています。移転後、速度や使い勝手の違いをほんの少しだけ。
パソコンの話ばかりしても面白くないでしょうが
苦労して移転、速度アップのために色々と設定して確認したのでもうほんの少しだけ我慢を。
私的には「他の中小企業の」ブログとかWordPressの整備や設置を手がけることもあったため、そういった人たちへのサポートとかヒントの意味もあります。
毎月のサポート代とかメンテナンス料は貰っていません。ですが、やる気のある若い後継者とか娘さんや息子さんがその後、ご自分でメンテナンスや更新をやっているケースがある。
当初は順調でも途中からWordPressがうまく動かないとか、思ったような速度が出ないと悩むこともありますから、ヒントとして色々な部分を載せておきます。
オープンソフトウェアの場合は参加者の数が一定以上いないと成り立ちません。
テーマやプラグイン、本体の開発には時間と手間がかかって。参加者の数がその発展に寄与しますしお金も集まりやすくなる。鳴り物入りで始まったはずのプロジェクトとか高額なソフトウェアでも、参加者にそっぽを向かれるとあっという間に廃れてしまいます。
逆に言えば「日々進化する」オープンソフトウェアの世界では劣化も速い。その進化に合わせた規格とかデータベースに更新していかないとあっという間に型遅れになって動かなくなる。
安値のレンタルサーバーって増えたんですけどね。エックスサーバーなら一番下の契約、月1000円程度でも使える容量が200GBもある。一日の転送量も70GBですよ?
私がインターネットを始めてホームページを開設した時は。50MBから100MBって時代でしたね。ギガではなくメガ。今の時代ならBlue-ray一枚でも50GBはありますが当時はそんなものです。
昔ならレンタルサーバーはフロッピーディスク数十枚。
レンタル料金ももっと高かったです。それでも、自分の考えた文章とか写真が自由に載せられるスペースというのは貴重だったんです。アップするにも毎回、専用ソフトが必要で。スマホで写真を撮って即座にSNSやインスタグラムにあげれる時代とは状況が違いすぎました。
200GBのレンタルスペースなら専用サーバーで一ヶ月、数百万円はかかったでしょう。電話回線をデュアルで引いてね。128MB(いちにっぱと言いました)と言われる回線を強化して自社サーバーを置く会社が多かったのは。それだけ高値だったからです。
今の容量なら個人ユースとしては十分でしょうね
自前で中古でも100万円、新品で数千万円もするサーバーを買って。いい加減な管理でセキュリティ放置して社内で商品販売を管理するなんてことも当時は普通にやってましたね。
近年になっての一番の大きな変化は「SSD」です。ソリッドステートドライブと呼ばれるもので、ハードディスクのようなスピンアウト(回転させて情報を書き込む)ものではなく、揮発性ではない安定したシリコンメモリーに高速で書き込むことが可能になっています。
元は高値だったので個人ユーザーがパソコンに組む時にも躊躇(ちゅうちょ)したものですが。サーバー屋にとっては他との差別化が図れます。あえてこの時期に高値のSSDを導入、おまけに並列化したりメモリーやCPUを強化して速度をあげようとする所が現れるました。
まあ速い速い(笑)。WordPress限定ならプラグインとか広告が入るので動作速度にそれほど違いがあるように思えませんが。正直、ダウンロードの速度が2、3倍は違う。
FTPソフトを使って画像ファイルなどをサーバーから一括でダウンロードするとあっという間に終わりますよ。今回の移転の時に驚いた。バックアップは必要だろうと、どちらのサーバーからも自分のパソコンにコピーしたのですが。SSDの速度と性能に違いがありすぎます。
私の個人所有のパソコンもSSD化してありますので。もちろん自宅は光ファイバー。となるとボトルネック、速度の足かせになっているのはおそらくHDD(ハードディスクドライブ)なんですね。
8分近くかかっていた同一のファイルがわずか3分ほどでダウンロードできる。
目を疑いましたよ(笑)。パソコン関連、ネット関連では久しぶりの感覚。
堅牢さとか安定性、バックアップまでを考えるなら昔ながらのHDDでもいいのでしょうが・・・。こと、WordPressの運用となるとどうしてもSSDを使っているサーバーに魅力を感じてしまいます。
写真の数百枚はおろか数千枚でも余裕で耐えられるでしょう。読み出しの開始速度が圧倒的に速いので写真や映像が多い方はSSDを使ったサーバーのほうがいいと思います。
WordPressはPHPを使うのでいったん、写真をデータベースに収容してから書き出す方式になりますが。生の写真データを保管してあるタイプではないので、初速は速いほうがいい。
販売サイトとかCMS(商品管理をしながら、内部にショッピングカートを設置する)などを目指す場合は容量が大きめで動作の速いSSDを使ったサーバーじゃないと。
正直、速度では勝負にはならないと思います。
お客さん、待ってくれないんじゃないですかね? だったら自社構築を諦めて高値のAmazonとかYahoo!にでも出店したほうがマシですね。
実測前にGoogle AdSenseを外してプラグインを「全部入れる」
相反することのように思うかもしれませんが、これが結構重要です。それを忘れると改善しませんので。
GTtmetrixのような定番の速度計測サイトを使うと。下にエラーメッセージがズラッと出てきます。
クリックすると詳細が出てきますが、Leverage browser caching項目などはあなたの責任ではありません。
再読込すると更に遅くなったりもします。毎回、違う広告を引っ張ってくるので重くなるんですよ。
速度の足を引っ張っているのがGoogle AdSenseなどの広告だからで。GTtmetrixがご丁寧なことに毎回、広告を引っ張ってきて入れ替えて速度を計測します。そこに動画とかが混じる。
2秒で読んでたサイトが7秒とかに早変わり。
ですから、ブログの運営者にはどうしようもないんですよ。
計る前に切る。実際の運営で速度の改善を図るにはGoogle AdSenseを辞めるしかないですね。事前にヘッダーに埋め込んだタグを外してください。それで広告のないサイトの実測が計れます。
「プラグインを全部、入れろ」というのにもわけがあります。
広告とは違って実際の運営ではプラグインを切ることができません。特にCMSを設置して商品管理を行うなら尚更です。CMSをご自分で管理して一から構築できる方なら問題ありませんが。
商品点数が多くなったり、管理が大変だからと業者に丸投げしたりテーマやCMSの構築は「誰かに作って貰う」ケースが少なからずあります。
そうなると一度設置すると自分では外すことができません。
商品点数や写真数は徐々に増えます。最初によほど余裕を持った設定とか設計をやっていないとすぐにパンクする。サーバーやデータベースから商品の削除を行わず次々に点数だけ増やしたり、写真を追加するので。重くなってしまったり、収拾がつかなくなる会社やショップがありますよ?
ですので商品や写真はしっかり入れて、プラグインを実際に動作させてから速度を計ってください。
負荷をかけて計る、目的や用途を見失わない
GTtmetrix
よくあるのがCMSを設置していたりテーマを売ってる会社がシステムを「空っぽで」動かすケースですね(笑)。そりゃ激速ですよ? 何も積んでいないのですから。
空っぽのトラックで速度テストを何度やっても意味はありません。
まずきちんと負荷をかける。そのために自分が日々の業務や更新で使いたいプラグインは先にインストールしてONにしておく必要があります。アドセンスなどの広告収入が目的であるならば、そちらも入れておいて速度を計ったほうが無難でしょうね。
アドセンス広告無しで「プラグインだけ全部入れで稼働中」のものと「アドセンス広告もプラグインも全入れ稼働中」のもの2つを比較する必要があります。
私がWeb ARENAから移転したのは。その「日々の更新や文章の装飾に」使えそうだったプラグインがどうしても動かなかったから。入れたら止まりますしエラーを起こします。
管理画面が真っ白になったり表示しなくなるのが一番困った。結局は日々のメンテナンスは自分でやることになりますから。使いやすいインターフェイスで文章は打ちたいですし、写真や商品は楽に並べたい。CMSなら商品を登録して値段をつけるだけでも一苦労です。
結局はプラグインなどに頼ろうとします。
そのプラグインが古いPHPや前のバージョンのWordPressだと動かない。
荷物を積んだ途端にエンストしたり速度が極端に遅くなるトラックでは使えませんよ。装飾とか看板は外すことが可能ですがエンジンは外せません。軽くするために同乗を許さず一人で運転するとか荷物を捨てれば速くはなりますが、それだと仕事としては役には立たなくなります。
荷物を積んで道具がいる。WordPressなら「使うプラグインを入れてから」計ってください。
ほら、弊社のテーマ、CMSは速いでしょ!
って煽る会社のスペックとかサーバーの仕様、「SSDを導入しているかどうか?」も必ず確認してくださいね。私は前回、その手間を惜しんでド嵌まりすることになりました。
安易でしたね。長居したサーバーで大手企業なら安心という、どこか気の緩みがあった。
すでにもう、格安サーバーでも「どこでも同じ」ではなくなりつつあります。特に大手、NTT系の出遅れ、個人ユーザーへの対応が悪い。Web ARENAも最初は素晴らしいサーバーでした。
エックスサーバーのように格安のプランでもSSDや並列処理に強いnginx(エンジンエックス)を採用していること。PHPのバージョンが定期的にアップされて最新版が使えることが重要でしょうね。
実測で過去のサーバーと今のサーバーの違いを
デモを動かしている会社があったらサーバーの仕様やPHPのバージョン、「SSDを使っているかどうか?」を確認してから契約したほうがいいと思います。
先に貼ったGTtmetrixの計測写真は現在のサーバーです。
移転前に同じGTtmetrixでWebARENAで計測した写真が出てきたので貼っておきます。
下記はPageSpeed Insightsを使用しています。
まずはモバイルでスマホ用の測定結果ですね。こちらはWeb ARENAでモバイルを調べた時のものです。
Web ARENAはサーバーがApache(アパッチ)でPHPが古く、.htaccess(エッチティアクセス)使った圧縮や速度アップが使えませんでしたので。苦肉の策としてプラグインを投入。
速くなると言われたものは軒並み試しました。
何日か頑張ってスコアは80前後まで出るようになったものの、レイアウトが崩れたりモバイルとPCの切り分けに失敗したりと散々でした。幾つか外して安定動作させようとするとこの数値になります。
いわゆる「モバイルフレンドリー」と言われるGoogleやBing web マスター ツールが推奨するスマホ対応にならない。キャッシュ系プラグインで速度は出ましたがエラーも多かったです。
最初はプラグインで一番速度が出た時の写真を貼っていたのですが。今のサーバーとの差がわかりにくいので高速化プラグインを外した状態のスコアを貼っておきます。
PCのほうが制約は少ないので速度が速くなるかと思ったらモバイルより結構、遅くなります。
おそらく、最近のテーマがレスポンシブデザインとなっており、スマホ用のテンプレートやスタイルシートを読み込む分、余計なものが削られて軽くなるのではないか? と思います。
こちらも誤作動を起こしがちだったキャッシュ系プラグインを外して安定動作する状態にまで削った場合のPCでのスコアを貼っておきます。
※長くなりそうなので、私がWebARENA時代に高速化するために導入していたプラグインとか、移転後の現在使用しているプラグインについては別途、記載してあります。
スマホの速度やスコアは「WebARENAでもキャッシュ系プラグインを多用したら」スコアは80にまで迫ったことがあります。ですので、そっちと比べるとあまり変わっていませんね。
ただし、エックスサーバーは「圧縮、キャッシュ、高速化」出来る機能が付いていますので。mod_speedの設定、SSL化によるHTTP/2(エックスサーバーはHTTP/2に対応しているため)の使用がサーバー側で可能になります。
結果としてサーバー本体の速度が勝るためキャッシュ系のプラグインを外して「装飾や文章を書くため、アクセス解析に必要な重たいプラグインを」入れたままでこの数値です。
パソコンの表示は劇的に速くなっています。
一番酷い時、キャッシュ系のプラグインを導入するまでWeb ARENAはスコアが40台でした。テーマを変更してできるだけプラグインを外して画像を軽量化しても速くならない。
上記しましたが、エックスサーバーは高速化プラグインを使ってません。
Web ARENAではアクセス解析やアンケート用のプラグインが使えなくなりました。重すぎるので。
そこが大きなポイント。数値上は10数パーセント程度の速度アップに過ぎませんが、使いたい機能を盛り込んでも安定動作する。管理画面がフリーズしたり落ちることがなくなった。
PHPが古くて最新版のWordPressやプラグインが導入できない。ずっとWordPressのセキュリティの警告が出るのは駄目でしょう。バージョンアップについてこちらから質問しても「サーバーの仕様です」「必要ならビジネスプランで用意してます」って案内をするのはどうかと思います。
価・格・が・違うだろ!
独自ドメイン全体に使える無料SSLの対応予定はない。おまけに後発のプランのほうが安くなっている。発表は私が契約した翌月ですよ(笑)。ちょっと酷すぎな気はしますね。
同じような状況で激怒してる方が、私と同じく色々書いてますね。
どーしたんだ? Web ARENA?
Googleの広告が入っていても実用の範囲
サーバーはWeb ARENA、PHPのバージョンが5.3です。エックスサーバーはPHPのバージョンが7.1です。同じWordPressの最新版を使っていて重たい動画とか写真は一切、入れていません。
Web ARENAはキャッシュ系の速度改善用の対策をしないとPageSpeed Insightsで計測してもスコアが60台になります。同じ環境で構築したウチの会社(サーバーはWeb ARENA)は40台ですね。
Google AdSenseの仕様が変わったようで、トップページとか人気の記事、洗脳に関することについて書いたページにガンガン広告が放り込まれることがある。
うっとおしくも思うのですが・・・。
新サーバーに変えたらそれでも表示速度はそれほど遅くなっていないのです。
Googleの自動配信なんですよ。こっちで下手に触るとレスポンシブデザインが崩れるのでそのまま放置しています。Googleの広告がそれだけ入っても実用の範囲。
現時点では広告の表示頻度を下げる方法がないのでしばらく我慢をお願いします。そのうち、設定を理解したらそっちにも手を付けます。
「広告とか装飾用のプラグイン、アクセス解析がてんこ盛り」入った状態でもエックスサーバーなら安定してる。速度はスコアで80超えてますし。会社のと比べると30以上は違うんですよ。
サイドバーのTwitter表示やGoogle AdSenseが表示の足を引っ張っていても十分速い。会社のサイト、ドメインにはアドセンスの広告なんて入れていません。
エックスサーバーはかなり健闘しているといって良いでしょう。
まあ現時点ではの話ですが・・・。
サーバー移転の難しさは「後から引っ越してくる迷惑な同居人」
以前、ヘテムルってサーバー移転した時には直後には絶好調だったのですが。安値で高速だとの噂が広がって移住者が一気に増えたのでしょう。徐々に激重になってびっくらこきました。
今は解消されたんでしょうかね? ヘテムルの宣伝も時折、うちのサイトにアドセンス広告が載っています。移転はそこでもよかったのですが、前回の重さがトラウマになってしまって。
引っ越してくる人はこちらでは拒めない。サーバー側がよほど厳しく管理しないと重たいプログラムを走らせたり、踏み台になってしまって全体に悪影響が出ます。
漫画系の違法ダウンロードなんかが関わっていたり越してきたら激重でしょう(笑)。
厳しくしすぎると住人が出ていってしまう。価格と速度は本来は比例するもので。安くて速いと人気が殺到するので重くなる。バランスが難しい所ですね。
現時点ではさくらサーバーかエックスサーバーが第一候補でしょうね。
現在は「高速化用のプラグインは」全部外しています。エックスサーバーに無料の標準機能、付属してるmod_pagespeed設定やブラウザキャッシュ設定して使用中です。
また以前の移転の時のように、しばらく経ったら急激に重くなりませんように。
今、いきなりエックスサーバーのアフィリエイトに申し込むと仕込みか、サクラ(サーバーの名前ではありません)か、ステマ屋のようになってしまいますので(笑)。
ヘテムルのような経験もあるので、油断せず移転後もしばらく様子を見てみます。
スマホでも無事に表示されるようになったし、移転に関する記述はこの辺で一段落。
あと、スピードの比較対象のためにWeb ARENAと現在のエックスサーバーへの移転で使っているプラグインの種類とか簡単な説明だけ、まとめて掲載する予定でいます。
後は撮影機材とか小説を載せたい。電子書籍として発売を予定しているものもありますが、短いものとか気軽なものはこちらのサイトでも公開したいですね。
特に動画はネットでしかやれませんし。
自分がやりたいことをやろうと思うだけで道具とか環境から揃えなければならない。テーマとかWordPressを整えるだけでも大変です。
本来ならプロバイダに備え付けの「ブログシステム」を使うほうが簡単で楽ですよ。ハッキングとか嫌がらせとか気にする必要もないですし。
せっかく若い頃から使っている独自ドメインですから。今どき5桁ってのは珍しい。comドメインで5桁のものは20年以上前に売り切れになっています。いいドメインは空き待ちです。
もっとも今は「ドメイン名」で高いヒット数が集まるような時代じゃないですけどね(笑)。
何事もやはり中身が大事。
2018年09月19日
谷口信行