自分でもやってみましょう
こういった手法を利用すると、自分が相手にどう思われているかを知ることができます。
もうおわかりですよね? 自分が相手の本心を知りたいなら、相手に心の準備をする暇を与えないことなんですよ(笑)。例えばですが、気になる相手には後ろからスーっと近づいてみればいいのです。
声をかけるタイミングが多少難しいですが、近い距離に忍び寄って「ねぇ?」と軽く話しかけるだけでも反応が得られます。
相手が、
わぁ、ビックリした!
程度の反応で身体が大きく逃げていなければあまり問題はありません。
その後、
脅かさないでよ、もう!
とでも言って、相手が親しげにあなたの腕でも掴んでくるならば反応は上々でしょうね。
なんなんですか? もう!
と凄く怒ったり、眉を潜めながら必死で動揺を抑えようとしている場合は要注意です。
残念ですが、その場合は十中八九はその人に嫌われていると考えて間違いありません。
先ほどホステスさんや芸者さんの話をしましたが、いくら一流のプロといっても人間には違いありません。ほんの一瞬、心に隙間ができることがあるのです。
後ろから突然話しかけられた場合や、トイレなどに立った際、偶然、どこか(外)で出くわした場合には人間は本心を隠せません。
そういったときに相手が身体が「反射的に逃げる」反応をする場合にはそちらが本音です。
ただし、あなた個人が嫌いではなく、何らかの隠し事とか秘密がある場合にも人間は反射的に逃げます。
隠れて不倫相手を会っていたとか、実は社内に好評してない本命の恋人がいたとか。それがあなたの知人、友人が恋人だったり。
偶然、内緒話をしていて「携帯やスマホで連絡をとっていた」場合にも、嫌悪感にそっくりな反応は得られますので注意が必要です。
その反応があなた個人に向けれたたものなのか、何らかの「背景」とか人間関係に向けられたものなのかの見極めや判断が重要になってきます。
そういった反応、なんとなく警戒されたり遠ざけられている部分を見いだした場合には、相手との人間関係の修復や見直しを図った方が無難でしょうね。
どんな相手でもそうですが、安易に自惚れたり相手を見下したりしてはなりません。これは上司や部下、得意先とか飲み屋? のおねーちゃんや芸子さん、夫や妻?の間であっても同じですよ。
本人(私も含め、自分自身)が考えるよりもっと、人間関係は複雑である場合が多いのです。
気がつかないまま横柄な態度をして嫌われたり、「こいつは俺に惚れてる!」と錯覚して大きな恥を掻く前に自分の姿勢を正して相手をよく知り、理解する努力をしておく必要があります。
こういった方法を用いればかなり正確に相手の心情や本音を確認することができますが、注意点を一つだけ。
何度もは効きませんよ(笑)。相手が慣れますから。
あと「集団」でも駄目です。必ず周囲、後ろに知人や友人がいない状態で、あなた一人が声をかけてください。
いつも同じ手法で突然、後ろから話しかけるようになればそれは相手にも染みつきます。演技も可能になってしまいますから、この手が使えるのは一度か二度のつもりで慎重に行ってください。
また、そういった行為をあちこちで繰り返せば噂になります。「なんだ、あの人はいつもいきなり近づいて!」怖いとか気持ち悪いと言われるようになるでしょう。
それまで元々はあなたを嫌っていなかった友人や知人、得意先や会社の同僚、ご家族がら疎んじられたり嫌われる可能性もありますのでご注意を。
念のために忠告しますが、どうしてもと言う時や気になる異性の心を知りたい時には有効ですが、誰にでも片っ端行うことには私は反対ですよ?
相手を疑い続けることになりますし、周囲の全ての人の「反応を知ってから」友達になろうとか相手を好きになろうと考えるのは悲しいですよ。
※これについては「友人ってなんでしょう?」などのコーナーを参照してください。
► 友人とはなんでしょう?
何事もほどほどが肝心です。
パーソナルスペースの区分
どんな相手とでも触れあうにはまず、相手の距離に入れてもらわなければなりません。意外に忘れてしまいがちですが、距離が遠い相手とは恋愛も商談も成功しないのです。
商談などで話が煮詰まってきた際、お互いが膝を「乗り出す」ようにして話合うようになり、お互いの間にある距離が縮まってきます。
セールスや営業をされている方なら一度や二度は経験があると思います。お互いを「認め合った」場合、距離は自然に縮まるものなのです。
恋愛においても商談においても、友人同士、家族においてもそれは同じだと思います。
じゃあ、パーソナルスペースを応用するために、無闇に相手に近づけばいいのかというとそうではありません。必要以上に急接近すると「馴れ馴れしい」と勘違いされたり、「しつこい!」と相手に身構えられたりするからです。
相手の距離に入るためには、幾つかの手順が必要になります。
実はは「パーソナル スペース」つまり、相手との距離やサークル(範囲)は幾つかの段階に別れれています。簡単に要約、7つに区分するなら遠い順から
1. 明らかに危険だと感じる人、以前から嫌いな人
2. まったくの初対面、もしくはまったく知らない人
3. ただの知り合いか、見たことがある程度の人
4. 何度か、話をしたことがある人
5. プライベートでも話をしたり、遊びに行ったりしたことがある人
6. ごく親しい友人(幼馴染みや昔からの同級生など)
7. 恋人や家族など
などに別けられます。もっと細かく別けることや、もっと簡単にすることもできますがこの程度が一番わかりやすいでしょう。
1番に分類されている人がいきなり4番や5番のサークル内に近づいた場合、嫌悪感や恐怖感から相手に手酷い拒絶を受けます。
相手には、対象者を受け入れるだけの心の準備ができていないからです。反対に考えてください。あなたが逆の立場でも同じような反応、拒否を示すと思いますよ。
催眠においても心理障壁と呼ばれる壁(テキスト参照)があります。個人それぞれに、心のなかには文字通り心の「壁」があって、その壁を乗り越えなければ相手の心を掴めません。
これが意外に難しいのです。
人はそう簡単に相手に心を委ねません。心の距離は身体の距離となっても現れます。
少なくとも相手と親密になったり、何かの提案を受け入れてもらおうと考えるなら、5の位置くらいに近付かないと難しいでしょうね。
長い話はダメで「ヒットアンドウェイ」が基本
「じゃあ、どないせいっちゅうねん!」と言われる方に簡単な方法をお教えしましょう。
得意先でも異性でもかまいません。自分が気に入ってもらいたい、もしくは好きになってもらいたいと思う対象が決まったらできるだけ何度も足繁く通い、相手と直接顔を合わせることです。
ただし、長時間では駄目です。ここが重要なポイント(笑)。
勘違いしている人は結構いますが、相手に気に入られたいがために相手と延々長く話せばいいと思い込んでいる人は考えを改めてください。
実は人間の脳や記憶は、そこまで便利にできてはいません。
一回の面談で長く時間を割いてしまうと、最後に与えた印象がもっとも色濃く残ります。ですので面談の最後の印象がマイナスであった場合、むしろ、とりかえしがつかない失敗を招きます。
最初にどんなに楽しい話で盛り上がっていようと、どこかで相手が感情を害する部分があった場合はそちらの印象のほうが強く残ったりもします。
実は面談の時間が長くなればなるほど、その危険性、可能性は高まります。
関係が深まり、お互いの個性が相手に十分に理解されているならいいですが、知りあって間もない状態ならそれは致命傷となるでしょうね。
人間はよほど特殊な訓練や経験を積んだ人でないと長い時間、何かに意識を集中していられないのです。当然のことですが、長時間の演説や電話での長い会話の内容は要点が頭に残りにくくなってしまい「つまらない」「面白くなかった」とも言われがちです。
学校の朝礼とか、校長先生の話とか長いでしょ? 面白くもなんともない。卒業した後で思い起こそうとしても殆ど何も記憶に残ってない人が多くはないですか?
要するに記憶にすり込まれるのは全体の一部分で「一瞬で」しかない。
そうなると一部のインパクトがあった部分だけで、相手を判断するようになります。
一般の人は漫才師やコメディアンじゃありませんから(笑)。よほど会話のうまい人か駆け引きを積んだ人、経験がある人でないと楽しい話を延々と続けたり、何時間も会話で相手の興味をひき続けるなんてことは事実上は不可能に近いでしょう。
面白い人なら会話が長くても「ああ、楽しかった」といった程度の印象は残せます。
これも面白いのですが「じゃあ、どんな話だった?」と聞かれると自分がついさっき聞いた内容の半分も伝えられないでしょう。
それが普通の人間の記憶力です。
面談の上手な人、駆け引きの上手な人はそのような愚を行わず、引き際をわきまえます。
初対面の相手やまだ馴染みのない相手には簡単に一言、二言、言葉をかけ、「じゃあ、また来ます」とか、「近いうちにまた寄らせてもらいます」と言ってあっさり引き下がります。
時間にすれば限界は2、30分でしょうね。最初の面談の数回は5分程度でもいいでしょう。むしろ面倒臭がらずに足しげく回数を通い、自分の印象のマイナス面を残さないまま「綺麗に」立ち去るのがポイントです。