2018/12/10改訂
1999/04/00初稿
催眠の実際例 偏食を番組中に修正
「催眠で偏食は治りますか?」と聞かれることがあります。ケースbyケースで一概には言えませんが、確かに効果はありますよ。
何かのきっかけで戻らない限り持続性もあります。
以前に何度か出演していた番組でタレントさんを相手に修正を行ったことがあります。その番組の収録は一回だけの出演予定だったんですけどね。
急きょ回数が増え、生でも出演することになりました。
その時に番組の司会をされています、東幹久さんのトマト嫌いを本番中に治すように依頼されました。
(近畿では放送されていません)
芸能関係者では有名な話らしいんですが、東さんのトマト嫌いは有名な話だったそうです。以前、他の番組に出演した折りに司会の女性(和田アキコさんです)に無理矢理に食べさされて苦労した経験があるようです。
私はまったく知りませんでしたけどね。依頼を受けて始めて知りました。
まあ当たり前の話でその番組「ワンダフル」は当時、関東でしか放送枠がありませんでした。
私が住んでいた大阪では深夜帯はローカル局が強かったので流れていなかったのです。実家のある四国や沖縄では流れていて人気があるようでした。
「学校へ行こう!」も含めての話ですが、四国の実家に帰った時、再放送で流される番組の幾つかがその地域で流れていることを知らなかったのでとても驚きました。時間帯とかネット局が異なるので夕方に流れていることもあったり。
レストランで食事中に見知らぬ人に声をかけられたり、ジロジロ見られたりしました。皆さん、よく私の顔なんかがわかりますね?
「催眠で治りますか?」とスタッフに聞かれたので「治るとは思うよ。ただし、催眠にかかればの話ですけど」と答えました。
それまで東さんとはまったく面識がありませんでしたから、わかる筈がないんですよ(笑)。会った事も見た事もない人に「催眠がかかるか?」と聞かれても流石に返答のしようがない。
その時は収録スタジオに行ったこともないのですから。この生出演が始めてです。
「ワンダフル」で先に催眠術ロケだけ、数回やったことがありました。
推測で勝手に埋まってゆくスケジュール・・・
タレントさんの場合、テレビ番組などのVTRで表情や眼球の動きなどのチェックを行えば、ある程度の推測は可能ですが。
100パーセント催眠誘導に成功するか? なんて自信はありませんよ。
他の実験のコーナーでやった「通りがかりの人に催眠はかかるか?」のコーナーのように、何人かに誘導を行ってそのうちの一人に成功すればいいのとは話が違います。
被験者はたった一人に限定されていますから、その人が催眠にかからなければ話になりません。
当時、笑ってしまったのは前提が「かかる!」でスケジュールが動いてゆくことです。よく言えば信頼されていて悪く言えば過信です。
実際にかかるとも大丈夫だとも私は言ってないのに「東さんのスケジュールを押さえました!」「先生は何月何日、1泊の泊まりがけできてください」「お部屋は押さえておきました!」とADに勢い込んで言われることですね。
普通、ビビるでしょう。こっちは専門家とはいえ一般人なんですから。
絶対に成功するとの確証がない。それでいいのか?と真剣に思った。
何が怖いってあーた、現場にいって東さんに催眠がかからなかったらどうするんでしょう? モノは偏食です。和田アキ子さんに無理やり食べさせられた時は泣いて嫌がって話ですから大変ですよ。
ご本人が苦手で嫌いでこれまで一度も食べられたことがないのに、演技で誤魔化せる訳もない。
一般の方の施術でもそうですが、催眠にかかるかどうか? もわからないのに「治るかどうか?」を先に聞かれてもわかりませんよ(笑)。
返答のしようがない。行ってからでないと、はっきりとは言えないのが普通でしょう。
だから私は最初に被験テストや誘導テストを行って反応を見てから判断しています。
ネット上で商売を宣伝して催眠を行っている施設や先生によっては「催眠にかかるかどうか?」がわからないのに、まとめて回数チケットを売ってしまったり、費用を決めてしまっている所もあります。
残念なことに催眠は万人向けではありません。私も誘導の成功率を高めるべくありとあらゆる努力は惜しみませんが、それでもかからない人も存在します。
なのに、会ってもみないうちに全てを決めてしまうのはどうか? と・・・。ロケでもそうですし一般人の依頼でも同じです。
そういったことも何度も申し上げたんですけどね。当時担当だったADさんは「なーに、谷口先生なら大丈夫でしょう!」の一言だった。
あんた、将来大物になるわ(笑)。
かるなら可能ですよ(笑)
一般の方にもお願いしたいのですが、このコーナーを読んでいきなりメールを送りつけてきて「催眠で治りますか?」と聞かないで下さい。
流石にわかりませんてば。
他の依頼も同じです。「ダイエットは可能ですか?」「費用は幾らでしょうか?」「禁煙は?」と聞かれてもこちらも困ります。
焦る気持ちはわかりますが、もう一度、よく私のホームページの記述を読んでください。
どの質問にも回答は同じなんですよ。私はよく当たる占い師でも凄腕の詐欺師でもありませんので。
確認作業やテストをする前に「必ず治ります」とか「100%大丈夫です!」なんて返事をすることはできないのです。
被験性のテストをしてみないとわかりませんし、その方が催眠の反応が良いかどうか判明するまでは安易な約束や返事をしないことにしています。
遠方ですと交通費も馬鹿になりませんし、相手は効果に期待しています。ですからいい加減な返答で誤魔化したくはありません。
テスト催眠を行い、被験者(相談者)の催眠に対する反応が良ければ確かに可能性は高くなります。かかるならば偏食も治る可能性はあります。現に何人もの誘導に成功し偏食を改善した経験も持ちます。
催眠には深くかかるが偏食は治らない、などといった経験は今までにはありませんね。
結論としてはどちらかになります。催眠に「かかるならば」改善が可能ですし、治す際に殆ど苦痛はありません。時間も短縮できるでしょう。
催眠が「かからない」またはまったく受け付けないとかかかりが浅い場合は偏食を治すのは不可能でしょうし、私の手には余ると思います。
催眠を用いて偏食を治すには大きく分けて二つになります。
根本になっている原因(要因、とも言います)に働きかけてそこから改善する場合と、食べ物を別の形、味覚や嗜好に合わせて変化させておいて後から、徐々に現実に近づけてゆくかのどちらかを選びます。
根本になっている原因を探すほうが大変で時間はかかりますが、再発はまずありません。変色には幼児期の体験などに根ざすものが多いのでそれを見つけて解消します。
別の味、別の食材に変えて治すというのはいわば、ショー催眠の延長のようなものですね。塩を砂糖味に変えるとか催眠が深層意識にまで及んで味覚変化に到達している場合には可能になります。
そういった方法を用いれば本人にすれば気が付いたら治っていたり、平気になっていたってケースが多くなりますから苦痛は少ないでしょう。