2018/12/11改訂
2000/04/15初稿
催眠の知識の応用は様々にあります
以前に面白い体験をしました。
ある主婦の方にお会いした折に
私は催眠なんて信じないし、催眠になんてかからない!
と、いきなり罵られました。
これにはとても驚きました。
ご自分で私のホームページをみて面談を申し込んできたのに。私から被験者になることをお願いしたわけでもないですし、正式に依頼として引き受けてお金を戴いたわけでもないんですよ?
直接、お会いすれば催眠そのものを否定する。そういった人も結構います。
不思議な話だと思いませんか?
まあ、私にすれば「またか」と言う感じなんですけどね。ご本人に心理的な抵抗感があるのでしょう。
催眠「療法」とかカウンセリングを勧めているのが担当医とかご家族の場合もあって。依頼メールを送ってきたり受け答えをしている人が御本人であるとは限りません。
悩みや苦しみを打ち明けたいと望み、自分を救ってくれる人や施設、病院を探しながらそれが見つかりそうだと思うととても怖くなる。
そういった回りくどい表現や反発も起こります。
心因反応ですしそれに答えるのはカウンセリングの一部です。
その方はこれまでもそういったことの繰り返しなのでしょう。ネットを検索してはあちこちに相談に行っていると思われます。
催眠の場合、やはり特殊な部分もありますから。
面会当日、施術の直前になって逃げ出してしまう人も時折、いらっしゃいます。
落ち着いて。私は無理に催眠を勧めることはないですよ?
無理もない話で自分の過去の経験、恥ずかしい部分や悩みを赤の他人(第三者である私)に相談するのはとても勇気の要ることなんですよ。
自分の全てを知られるのではないか? との錯覚も生まれがちです。私が何かをしゃべるのではないか?とか家族に知られるのではないか?と思う人もいます。
直前になってそういった恐怖が生まれれば否定してもおかしくはないでしょう。
私としては無理に催眠を勧めることはまったくないのですが(笑)。
向き不向きもありますし、かかる人もかからない人もいらっしゃいます。むしろカウンセリングや面談のみで解消を計ることもあり、環境整備も含めた総合的なバランスで捉えています。
私の場合、催眠を用いるかどうかは、事前によくお話を聞いてから決めています。
なので殆どの心配は杞憂(きゆう)なのですが、いきなり催眠をかけられて洗いざらいしゃべって知られた上に何かをされて操られる、と思い込んでしまう人もいます。
本人が気がついていないだけ(笑)
まあいずれの商売にもウラとオモテというものはありますので。
催眠「術」を用いたカウンセリングや悩み事の解消を掲げているサイトには、怪しげなものやトラブルを起こしていると噂の所もあります。
結局、そういった連中がパソコン通信とかホームページで宣伝したり、効果を煽っていたので。私自身もそれに対抗する意味もあって、サイトを立ち上げて解説をするようになったのですが。
あちこちで相互リンクを貼って「リンクが少ない所は信用出来ない所だ」「ウチが最大手だ」「権威ある団体だ」なんて言い張る行為を執拗にやってましたね。
殆どが自作自演なわけですが、その人達の言い分を信用して危ないですよと忠告した私が悪く言われるとか、そちらを盲信しているためにご家族や依頼者が、態度を豹変させる実例もありました。
ネット検索やGoogle(bot)などの技術が進んだおかげで盗用サイトや自作自演を繰り返す連中の評価は自動的に下がるようになったのですが・・・。
一時期はそういった自作自演、自分たちこそが正統派だとか元祖だと言い張る盗人サイトが上位にばかり入るので。検索結果が、見るに堪えない状況になっていた時代もあります。
実際にどういった相談を受けていたかどうかは割愛します。このコーナーでは催眠の応用方法、一般に浸透している技術について記述します。
打ち合わせのためにお話をする(当時は事務所ではなく、依頼者指定の喫茶店でした)うちに、面白い部分に気が付いたのです。
その方は以前に出産されていました。その出産された病院が、私のよく知っている病院だったんですよ。
関西の病院です。そこの病院は無痛分娩、俗に言われる「ラマーズ法」を実践されており、当然、その主婦の方も、呼吸法や方法を習い、練習会に参加されていたのです。
実際の出産の際に、痛みはありましたか?
と聞くと「まったく痛くなかった」のだそうです。
これには思わず、笑ってしまいました。
その病院にラマーズ法の指導、つまり呼吸法や観念動作、催眠の応用の技術を用い、従来のやり方にアレンジを加えたのが他ならぬ私だったからです。
院長と知り合いですよ、とか昔から懇意にしていますよ、とは一言も言いませんでしたが・・・。
それ(私や催眠)を信用させるために、適当なことを言っているとか思われたくなかったので・・・。
相手の病院とか院長にご迷惑やご心配をかけたくもなかったですし。
昔は否定されていました
今でこそ、ある種、ポピュラーになりましたが、ラマーズ法って初期の頃は徹底的に否定されたんですよね(笑)。
取り入れていた病院や施設は皆無に等しかったと思います。
特に日本では用いる所がありませんでした。
理由は「なぜ、効くのかよくわからないから」です。
「旦那が側にいて、奥さんの手を握り、『ハッハ、ヒッヒ、フウフウ』と呼吸を繰返すと出産の痛みが消えるなんて、馬鹿みたい」と、散々言われた物ですね。
確かに横で見てると「ほんとかなー?」と思いますよね。呼吸法や手を握る程度で痛みが消えるなら麻酔はいらない。殆どの痛みとか苦しみが、その方法で消えることになりますから。
ただ、安易に麻酔を用いると体内の赤ん坊や母体に負荷をかけることになります。
万が一ということもありますし、できる限りは自然に分娩を終えたいでしょう。
それで最初は疑われていたラマーズ法などが用いられるようになりました。
海外の映画やドラマにも、ラマーズ法のシーンが何度も登場します。よくあるのは手術着や入院着、妊産服に着替えた奥さんの横で、ご主人が必死に手を握っているシーンやですね。
医療もののドラマで妊産婦が複数集められて医者(またはカウンセラー)が指導を行っており、ご主人がそれに付き添うシーンです。
古い話ですが、私が中学生の頃に観た映画(主演スティーブ・マックイーン、遺作となったハンターという映画です)でも、主人公が奥さんの手を握り、必死で呼吸法を一緒にやってました。
当時の私はちょっと感動すると共に、「あれで本当に効果があるんだろうか?」と不思議に思ったものです。夫が側にいて手を握って呼吸を合わせることに何の意味があるんだろう?と思いました。
それはちょうど、私が催眠に興味を持った頃とも重なりますね。ちょうど初代の引田天功さんがお亡くなりになった頃でしょうか?
私はいわゆる実践主義です(笑)。誰かが否定しているからなんて関係ないんです。
常識と異なる、今の手法と違うも関係ない。周囲がどう思っているか、それが世間に浸透しているかどうか? もあまり関係ないんです。
私にとってはその方法で「実際に痛みが消えた」と言う報告があるかどうか? という部分が重要なんですよ。利用方法が考えられるので。
もっとはっきり言えばその情報が嘘でもインチキでも偶然でもいいんです。偶然であるかどうかは、自身でじっくり分析して多くの情報を集めてみればおのずとわかってくるでしょう。
ヒントとしてそういった現象や情報、噂や「取り入れている病院」があることが大切なのです。
実際の報告例が何件かあって、それが増加する傾向があるならば、当然そこには何かの必然性、つまり理由や原因が存在すると考えます。
催眠やプラセボ(プラシーボとも言います。にせ薬)効果なんてのもそうです。
単なる糖衣錠で薬効成分が入っていない錠剤が新薬より効いてしまうことがある。新薬開発の第一の壁はその「プラセボ効果」を乗り越えて効果を実証、臨床で証明してみせることにあります。
ものによって効果は違うのですが、なんと偽薬が40パーセントを超える効果を持つことがあります。
副作用の報告まであるんです。単なる空の糖衣錠なのに・・・。これをどう説明しますか?
初期の頃は誰も信用しませんでしたが、後に同様の報告が相次いで徐々に常識として社会に浸透したものがあります。効果があるなら、技術として確立すべきで詳しく調べるのが当然でしょう?
まして暗示の場合には身体的には悪い影響が少ない。(と、思われる)
投薬とか麻酔には強い副作用も考えられますが、ラマーズ法が「呼吸法や手を握るだけ」であれば致命的なミスには繋がりませんよね? 試してみる価値くらいはある。
以前に見たスティーブ・マックイーンの映画から衝撃を受け、知り合いの医者からそのようなラマーズ法がを紹介された私は、ラマーズ法についても興味を持ち文献を漁ってみることにしました。