► タイトルは「他人が、他人にできる事の少なさ」
お返事どうもありがとうございました。
メールを読んでとても感動しました。
その事について思った事を書きました、忙しいとは思いますがどうぞ読んで下さい。
「他人が、他人にできる事の少なさ」という言葉にとても考えさせられます。
以前に、メールにも書きましたが、付き合っていた子のお母さんが精神病にかかっていると告白されたときでも、僕にはどうしてあげる事もできませんでした。
できる事といえば、その子の事を励ましたり精神病について自分の知っていることを教えてあげる事ぐらいでした。
その時に、自分の無力さを感じた事を覚えています。
人は無力です、しかし人はそれを認めようとはしません。
それが僕のように軽々しく”人を救う”と言えるような人をつくってしまうのだなと思います。
僕はこれから自分が無力であるという事をどこかで考えながら、ものごとに接していきたいと思っています。
もう一つ考えたことがあります。
それは、人と接する事もカウンセリングも、もしかすると感情ではなく知性で接する事が必要なのかもしれないという事です。
例えばですが、自分が他人に傷つけられたとき「あなたの事が気に入らない」と文句を言うことがあります。ただこれは、思考によって得られた表現ではなく、感情で得られた表現なのです。
このような感情表現でものごとを捉える事は、相互理解を深めるどころか大切なものを引き裂きかねないと思います。
こう考えると感情というのはとても、自己本位な考え方(自分の事ばかりを考えるから)であるようにおもえます。
僕が”人を救いたい”といったのも、感情的に考えたからだと思います。
もしかしたら、当たり前の事なのかもしれませんが、どう思いますか?
もし、気づいた点があったらまた教えて下さい。お願いします。
> 今度の更新でホームページ上で紹介します。もし、許可をいただけるのであれば、◯◯さんとのメールの受け答えの一部も、抜粋して用いさせて下さい。
> 今後、カウンセラーを目指す方などへの参考にもなるでしょうから。
喜んで!。僕が、もし谷口さんと出会う前にこのような内容の事(谷口さんに頂いたメールの事です)をみていたら、きっと感動していたと思います。
> 今回の受け答えを見れば、あなたが聡明な人であるとわかります。通常は(私の返事に対し)怒ってメールに返事を書かなかったり、勘違いして見当違いな返事が返ってきたりもします。
> あなたはやはり、そういった職業につくべき人でしょう。初心を忘れず、自分にできる部分から努力を重ねて下さい。
すごいうれしいです。これから勉強をしていく上での自信になります。
本当にありがとうございます。◯◯◯◯
若さは可能性です
[amazon_link asins=’4062564114′ template=’Original’ store=’nobeetaniguch-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e54da340-bd4a-11e8-ad82-9f4fccc80cca’]私と彼とのこのやり取りを読んで、あなたはどう感じられたでしょうか?
長い受け答えのように見えますが、開業当初、相談として送られたメールとしてはまだ短い方ですね。
私が彼からのメールに熱心に答えたのは、彼には若さと可能性があるからです。
確かに一部は非常に独りよがりで、自分勝手であり親や社会に甘えた部分もあります。ですが、それは私が若い頃にも同じように周囲に振りまき、迷惑をかけてしまった部分ではないでしょうか?
最初から大人だった人はいません。
私と同じ世代や年上の方は、若い世代に憤る(いきどおる)前に昔の自分自身を振り返って下さい。
きっと誰しもたいして変わらないですから(笑)。
若造は世間知らずで身勝手で独りよがりな部分を含みます。向こう見ずで世間を知らないから、無謀な挑戦も出来ますし、何かを探し当てる人も「稀にですが」出るわけです。
この受け答えももう17年も前なんですよ。初稿が書かれたのは2000年で加筆修正を加えたのが2017年です。この方はもう子供がいて親になっていてもおかしくない世代でしょう。
下記は私がこの方に贈った結びの言葉です。
時間をかけ、誰もがいずれ大人になってゆくんですよ。
後半に書かれている彼の一言に、私は期待します。
> 僕はこれから自分が無力であるという事をどこかで考えながら、ものごとに接していきたいと思っています。
人は皆、無力です。個人にできることなどたかが知れています。
ただ、その無力な人間が精一杯の努力、自分の思いと優しさで、誰かに思いやりを持てる時、何かが変わる瞬間もあるのではないでしょうか?
幼い部分、拙い文章もありますが、私は彼の言葉に若さと可能性、私には無い眩しさを感じます。
最後にご本人のために一言。
「あなたの夢に、一歩でも近付けるよう、願っています」
17年が経過した今、夢が適っているといいですね。
文中に出てくる「ローラ!叫んでごらん!」は素晴らしい本です。よろしければ読んでみてください。復刻版が出ていたのですが、現時点では中古品しか手に入らないようです。
この受け答えが行われたのは2000年です。当時、仕事が忙しくなった為に東京に引っ越す前の内容ですね。現在は神戸在住です。
2000年03月15日 初稿
2018年12月13日 加筆、修正
谷口信行