空間と心理的な圧迫感

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少子化の原因はウサギ小屋

求められるのは若い世代への補助

ひよこ アイコンブロイラーですら短期間(約数ヶ月)で種鳥は入れ換えになります。

人間には理性があります。道徳や高い知能もあります。ネズミやラットと同じとはいいませんが、いいかえれば、人間も動物には違いないのです。

パーソナルスペースのコーナーでも書きましたが、人間にも一種の「縄張り」というか、触れて欲しく無い空間があります。

子供を育てるのにはある程度の広さ「生活空間」が必要なんですよ。

カップルで暮らすにはいいですが、子供が生まれて生活するとしたらそれまでの住宅環境では無理があります。単純に一人増えると言うだけではなく泣き声や学校の問題も関わってきます。

後先を何も考えず、環境や状況、不安感を無視して子供だけををバンバン作るような人が増えたら、税収を上げるどころか、国の財政そのものが破綻しますよ?

日本政府にしても欲しいのは安定した税収でしょう? 本音を言えば国としても「子供が欲しい」訳ではない。ならば必要なのは「子供を生みましょう!」というCMとか政策ではなく、子供を生んだ後で安心して子育てできる環境になると思いますよ。

それを政治家ども(あえてこう書きますが)が何も見ていない。だから小手先のCMとか目先だけしかみてない対応策を次々出すのです。結局は利権にぶら下がっているだけですから。

最近はもうね、少子化に歯止めをかける有効な方法がみつからないから、海外、特にアジア圏から移民を受け入れようなんて言い出しています。もっともこれを主導しているのは政治家ではなく、労働力不足に悩む経済界や企業側なんでしょうが・・・。

ユーロの失敗をみて何かを感じないのでしょうか? 同じような感覚、安い労働力を確保しようと移民受け入れをしたユーロ各国は。宗教の差、収入の格差や人種による差別もあって、移民者と元からいた住人が啀み合って襲撃騒動や無差別テロまで発生して揺れています。

持つものから奪い取ろうとする者は大勢集まりますが。真面目に働こうとかその国の一員になって受け入れてもらおうとする人ばかりではないですよ? 税収アップどころではないでしょうね。治安の維持や犯罪の抑止にも膨大な手間と費用がかかります。

豊かな国にいってコミュニテイの一員になり、犯罪行為を行わずに真面目に暮らして納税しようという人が大勢いればいいんですけどね。そうでは無かったからユーロは後になって受け入れ拒否と言い出したり強制送還、移民を施設に放り込んで外に出れない措置までとっています。

実際に「子供だけ作ってあとは責任を負わない」親が増えたらどうしますか? 国が面倒みれますか? 養育費、学費を含めれば義務教育終了までに数千万かかりますよ。

だからといって殺してしまう訳にもいかない。

中国が恐れるのは、まさにそれでしょうね。だから一人っ子政策をやって規制しているのです。

それを無視して「強引に数だけ増やそう」と思えば、邪魔になった子供を放置したり、虐めや虐待で殺してしまうような悲惨な出来事も後を絶たなくなります。

少子化に歯止めをかけたい、税収を上げたいとしたら、現在、日本の政府が行っている小手先のコマーシャルや啓蒙活動などでは何の意味がありません。本来なら「若い世代への」住宅補助、子育てが安心してできる環境、確実な収入が得られる職場でしょうね。

「日本人はウサギ小屋に住んでいる」といわれて久しいですが、バブルの絶頂期からこれまで、日本人の住宅を取り巻く環境は何も変わっていません。相変わらず、「一部の人間を除いては」ウサギ小屋ですし、アパートや賃貸住宅で生活している人も多いのです。

行政とか国が主導でやるべきことはあると思いますが

グランドピアノ アイコンそういった人たちに何らかの援助や配慮を行わない限り、出生率が上昇し少子化に歯止めがかかるなんてあり得ませんよ。皆、自分達の生活ですら手一杯なんですから。

普通のアパートとかマンションに暮らす人達が、安心して子育てに励める環境とか安全とか支援制度がないなら、出生率が劇的に改善するなんてあり得ません。

「子供を作りましょう」なんてキャンペーンをはるくらいなら、防音設備の整った公共住宅でも建てなさいって(笑)。ここがとても大事です。

「子供の泣き声や子供の足音が響きません」「周辺に気兼ねせずに住めます」「ピアノを弾いても聞こえないくらいの防音性能です」それくらいやったら若い夫婦にも人気が出ます。

家主や施工主、ゼネコンに補助金でも出した方がいい。子育てをすることを条件にして年収が低い家庭でも入居が可能にして、住宅費の補助を行うことですね。近年の好景気で労働力不足に悩む企業や産業も。そういった支援制度の一員になったほうがいいでしょう。

給料は無尽蔵に出せませんよ。景気には波があるので良い時ばかりではない。何らかの国際情勢や大きな震災、戦争一発で一気に悪化することだってあります。

それが怖いから賃金を上げることができないので。ならば賃金ではなく住宅補助を厚くしたり、託児所を政府と一緒に作って運営管理すればいいだけです。結果として収入が増えたのと同じになります。

政治家の皆さんは託児所にいくらかかるか知っていますか? パートに出ている奥さんの全収入になったりもしますよ(笑)。本末転倒でしょう? 子供を育てるため預けるために仕事を増やす必要があるんですから。そういった状況に陥っていますから当然、時給が少しでも高いパートやアルバイトに殺到します。

同じマンション内にとか町内会やグループ内で保育所や幼稚園、託児所を経営し、そこにそういった住宅の入居者は優先して入れる。子供を預ける際の費用は補助を加えるか無料にする。

半端に「子供を持つ家庭に直接、現金ばらまきます!」なんて政策は愚の骨頂ですね。過去に民主党って連中が実際にやらかしたものですが。

巨額の費用がかかる上に日本人じゃない人達までが対象になっています。税収を上げたくて悩んでいる時にせっかく集めた税金をまた、ばらまいて戻すのですか? それも海外から移住してきたり一時だけ日本に住んで引き上げてゆく人達に? 日本人の稼いだお金ですよ?

結果として税収が足りなくなって増税は間違いないでしょう。それでは国の税収アップどころか、破綻へとまっしぐらですよ。

どうせ公共工事を行ったりゼネコンに税金を投入するのなら

スピーカー アイコン日本特有の文化というか、特殊な商売に「ラブ・ホテル」っていうのがあります。

アメリカなどだと性行為の様子が筒抜けなんてのもよくありますよ(笑)。アジア諸国でもそうでしょう。自然な営みとして受け入れる例も多いですし、性行為の騒音で苦情になって銃撃戦とか殺人事件というのはあまり聞きませんね?

ところが日本人は嫌がりますよ。誰でもやってることですが、伏せたり隠したりもする。

ご夫婦とか普通に付き合ってるカップルが隠すのも変ですが、激しい営みの声がすればそれを冷やかしたり悪く言う人もいますよ。だから日本ではラブ・ホテルなどの商売が成り立つのです。

元は居住スペースが狭くてね。壁も薄かったのです。だから家族とか子供とか近所の住人にも知られてしまう。それを冷やかされたり馬鹿にされたりしないために、ラブホテルというシステムが日本では定着しましたし、車の運転免許取って「マイカー」(これも死語ですね)で出かけたのです。

サンデードライバーといって日曜日にしか車に乗らないのに、わざわざローン組んで買ったのは。当時の日本では車持ってないと「やれない」からですよ(笑)。

今ならスマホやTwitter、LINEを捨てるようなものです。女の子をナンパしたり職場の子を誘い出すにも車が必要で。ラブホテルにでも行かないと家族とか友達、近隣住人にすぐバレました。

どうせ公共投資や税金を投入するなら、いっそ安くて広い空間を提供する住宅を建てたらどうでしょう? 自治体や政府が公共工事を次々に発注する例もあります。景気をする意味もあるんでしょうが、どうせなら国民にもっとメリットのある話にすればどうでしょうか?

当然、防音完備ですね(笑)。若い世代を中心に収容します。子育てする意思があること、すでに子供を持っている家庭とか二人目や三人目を生んで育てることを望む世帯を中心に賃貸します。

それによって、結局は「国が大家」になる訳ですね。

借地権なし(賃貸人の権利が無い形)での特別立法が理想でしょう。そうしないと過去に国営、公営のマンションに数十年間居座ってしまい、建て替えができなくなった実例がありました。

仕事を辞めないなら優先して入居出来るようにして、安定した労働力を確保したい企業とも連携します。保育所や託児所を併設、入居には一定の条件を設けます。例えばですが、年収とか子供の数とかご夫婦の年齢、これまでの納税記録などでしょうね。

真面目に仕事をして子育てに頑張ってきた人に支援を行うなら、税金の滞納も起きにくいと思いますよ。家賃が下がったり託児所の負担が軽くなるならば「二人目を育てたい」とも思うかもしれない。なので出産予定の方とか幼い子供がいる家庭を中心に、若いカップルにチャンスをあげればいでしょう。

年配の年金生活者や子育てが終わった方々にも別口で入居をして戴きます。年金生活者は賃貸料を一般の入居者よりも更に格安に設定します。その代わりマンションの賃貸料は「年金から天引き」にすればいいのです。それなら取りっぱぐれがない(笑)。

と同時に、ボランティアとして若い世代に子育ての指導をしてもらったり、保育所や育児所の運営に携わって戴くことを入居の条件にしてはどうでしょうか?

シルバー人材センターなどというものも現実に存在します。一昔前は60歳といえば老人の範疇でしたが、今ならまだまだお元気ですよ。子供を育てた経験のある方も大勢います。パソコンを使った最先端の仕事ならともかく、子育てに関しては老齢者のほうが上手ですし、知識もお有りでしょう。

それならこれからの高齢化社会にも適合できます。子育ての経験のない世代へも指導できるのです。と同時にコミュニティとしての一体感も生まれますから、犯罪の抑止に繋がります。

それなら家賃などが焦げ付くこともないでしょうし、家賃が安いかわりに全体の税収は上がるでしょう。少なくとも宗教対立や犯罪の火種になりそうな移民政策を、強引に推し進めるよりはよほど建設的だと思うのですけどね? 皆さんはこういった手法をどう思いますか?

※このコーナーが最初に書かれたのは1999年です。2006年に各地で起きている幼児や児童の連れ去り事件や外国人労働者(ブラジル人)による女児殺人事件などを見て追加記述しています。

国民のコンセサンスを

障害者マーク 四角 アイコン空港や河口堰、高速道路の建設に反対する市民が多いのは当たり前です。いくら景気を刺激したりゼネコンを助けるためとはいえ、すでに計画自体が古く過去の遺物となってしまったものや、自分達に何のメリットもないものなら諸手を上げて賛成する人などいないでしょう。

私なら上記の提案の「共同マンション」を円形に並べて建てます。中央に小山や公園を配置し、そこで子供達が安心して遊べるような空間や施設を作ります。こういったご時世ですので不審者に対する対応は必要ですよ。

その上で、部外者が入り込んで誘拐や子供への悪戯などのトラブルに見舞われないように、自治会などで監視の体制を作ります。

一階にはスーパーやコンビニなどを配置しますが、高齢者にも配慮を行い、電話やファックス、専用端末での注文機(パソコンやデスプレイで商品を選べる)ようにして、マンション内での宅配のシステムを構築を提案したいですね。

昨今はネット通販が全盛になり過ぎてですね。トラック輸送や宅配便がパンクしかけています。共同マンションなら集配所を一箇所にまとめたり宅配ボックスも置けます。

近い将来には大型ドローンを使った輸送も始まると思いますが。基点となるハブ空港、大型ドローンの宅陸場所にこのような政府主導のマンションが存在すれば危なくないのではないですかね? ドローンの難点は「撃ち落とされたり盗まれる可能性があること」ですよ。

トラブル無く降りれる場所や集積所はあったほうがいい。そうすれば障害者の方や高齢者の負担は軽くなりますし、主婦や深夜遅くまで働くような人も安心して手ぶらで買い物ができます。

バリアフリーでスロープがあり広い通路が確保できればいいですね。病院や診療所、託児所なども収容できれば、医療費の軽減にも役立つでしょう。中に病院の施設があれば長い待ち時間が入りません。動けない人は医者が往診するか、検査で必要な施設を使う時だけ時間を決めて伺えばいいのです。

お互いがイライラしないですむ空間が公共の力で生み出されるのなら、それに越したことはないですね。

おそらく、これらは一企業ではできません。「国」や自治体だからこそできるアイディアです。

まあ、この国の政治家がそこまでがんばれるとは思っていませんが(笑)。最近の公共工事などの現状をみていて、「もうちょっと何とかならんのかいな?」と思って、こう書きました。

私は少々ずるいですから、私が政治家ならもう一ひねりして一階に体育館か投票所を建てます。選挙(投票)はそこで行えるようにします。きっと投票率が上がるでしょう。

雨にも濡れませんし、通勤の途中でも投票ができますから・・・。

まして自分達の住宅を建てたり、整備するためにがんばった政治家や政党ならそこの住人の評価は高いでしょうね(笑)。大型のマンションを建て、活環境をきちんと整備すればするほど、自分達の票が伸ばせる訳です。将来的には安定した票数が読めます。

税収を伸ばし、少子化を解消してゼネコンや銀行に税金を投入しても国民の了承を得るには、そういった方法がいいように思います。

社会保障制度を高めて少子化に歯止めをかけたスウェーデンやデンマークのように、リタイア後も国が生活を保証してくれる制度でもできれば、少しは風向きが変わってくると思うんですけどね?

日本だけなんですよ。住宅(賃貸や住宅ローンも含めて)にこんなにお金がかかる国っていうのは。少子化に歯止めをかけたいのなら住宅環境を整え、子育てに社会的な協力体制が必要です。

アパートやマンションを借りる時すら制限があり、子供が泣き声一つたてられない社会で「2人目、3人目」をボロボロ産んだり育てるカップルや夫婦がありますか? 現状は「有料の託児所」すら満足にない国ですよ? お金払っても入所できないのに。

違法というか無認可保育園に預けるしかなくなってます。そういった状況では。常識があったり計画性があればあるほど、むしろ二人目、三人目を生むのは勇気が必要になります。

狭い空間で心理的な圧迫感を受けながらでは、そりゃ育児に励む人は減りますよ(笑)。

そこを何とかしない限り少子化なんざ止まりません。

このコーナーの初稿は1999年に書かれています。年数が経過しましたので2017年のサーバー移転の際に、読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1999年09月15日 初稿

2017年12月14日 加筆、修正

谷口信行

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