環境設定が大事なんだ(笑)
初稿を書いたのは2000年の頃なので、状況はもう変わったのかと思っていたのですが・・・。東京の消費者センター、消費生活窓口などには被害例がたくさん乗ってますね?
関西は減ってますよ。以前は神戸周辺にも大勢いたのですが。リトグラフ詐欺で有名だった店も閉店に追い込まれています。
スマホなどを持つようになっても執拗な勧誘がいるようですので。若い世代とかこれから都会に向かう方はお気をつけください。
今は昔と違って特定商取引法が改正されていますので。クーリングオフも可能ですよ。未成年者で学生の方の場合は。親の同意を得てサインかハンコを貰っていない場合は契約そのものを取り消せます。
私は仕事の都合で駅の周辺にある喫茶店などで待ち合わせをします。
笑ってしまったのは、首都圏の待ち合わせの場所の喫茶店の店内に一組や二組、必ずといっていいほど詐欺商法などを行っている光景に出くわす所ですね。
街頭で盛ん声をかけていますから、当然、対象者を捉まえたら説得する場所が必要になるのです。で、ちょっと高めの喫茶店とか表からみえない位置の落ち着いた雰囲気のお店が待ち合わせや被害者を引きずり込むターゲットになる。
知りませんでしたが、東京では喫茶店で人を騙したり、抱き込んだりするんですね。
私は仕事で他人の悩み事とか相談にのります。メールで打ち合わせを行ってはいますが、ご本人にお会いするのは始めてということもあります。すると必然的に相手は大声で話をしたいとは望みませんし、悩み事を他人に見られたり聞かれたりは困るでしょう。
カラオケボックスや事務所でお話を伺う場合もありますが、やはり初回の場合は緊張もあります。依頼者が女性の場合は個室で二人っきりになるのは警戒心も働くでしょう。
ですので、落ち着いて会話のできる場所として奥まった喫茶店とか落ち着いた店を探しておくのです。一度、そのお店を利用して話がしやすかったと思えば、次からも利用しますし場所を覚えています。
困ったなー、と思うのは私の求める環境がどうやら「詐欺師」とも重なるようですね。
聞く気がなくても話の内容が耳に入ってくるんですよ。席は隣り合っていますから。また私は職業柄、どうしても周囲を気にしますし観察する習慣を持っています。
不審な動きをする連中とか集団でゴソゴソやってる人達は自然に監視してしまいます。それでスリとか窃盗犯を捕まえたこともあるくらいですから。
ちなみに今回の話を聞いたのは東京駅構内にあるデパート(大丸)の中の喫茶店です。
心当たりのある方はご注意ください。
まるで時代劇のようだ・・・
聞くともなしに耳に入ってくる話を整理すると「宮内庁御用達の商人にしてあげるから、お金を用意しなさい」だとか「絶対にあがる株を売ってあげるから、いつまでに幾ら用意しておきなさい」などの話を必死に売り込んでいる輩がいます。
私はそれを聞いていると、吹き出しそうになりました。
私から言わせてもらえば「あんなやり方で、ひっかかる奴がいるのかいな?」と不思議に思うような出来の悪い話で。さすが、東京というかなんというか・・・。
よりによって、今どき、「宮内庁御用達」とは恐れ入りました。こういった方法がまだあるんですね。
まあ、東京らしい「詐欺」だと思います。
余談ですが、宮内庁ご用達はすでに存在しません。とっくに廃止されています。名乗ろうと思えば誰でも名乗れますよ? いわゆる名誉職とか慣習に近い扱いで別に認可制でも免許制でもなくなってます。
どちらかというと昔からある古い老舗のお菓子屋さんとか呉服屋さんとか傘屋さんなどが。お店が宮内庁やご皇族方に昔から納品していることを今も誇りにしているだけです。
ですので、新参者がいきなりそれを名乗ってもメリットは殆どないでしょう。総業何百年とかいう老舗店舗が宮内庁御用達を名乗るから箔がつくのです。
昔の時代劇のような話ですね。こんな話を仕事の合間に、偶然に聞かせて戴けるとは思いもよりませんでした。肩書き詐偽や侍商法の典型という奴です。
なぜか一定の金額を支払うとすぐに「宮内庁の御用達」になれるらしいです(笑)。
しかし高い看板ですね。おそらく数百万円支払えってお話です。ご用達って肩書きを買うために。面白いのはその話を持ちかけている側(詐欺師が2人)が結構なお歳で年配なんですよ。
吹きそうになったのは時代劇の越後屋のような話だから。
おかしな話だとは思いませんか? 時代の背景や歴史などを考えれば、宮内庁御用達というのはそんなに軽いものではないと思うのですが・・・。
「お金を払っただけでは」なかなかなれないからこそ、世の中の人が認めるだけの価値はあると思うのです。最近になってネットで様々な肩書きを煽っている連中がいますが、信用したり騙されたりしないように。賢明な皆さんは注意しましょう。
ほぼ自作自演で(笑)。聞いたこともないような団体を名乗っては成功者だと誇ったり、私が確実に儲かる銘柄や商売を教えてあげます、と煽っています。
たまたま入った喫茶店での目撃談です。普段から色々なことに興味持ち、人の動作とか話し方を観察してしまう私だから気が付いたのかも知れません。
まあ、私からすればたったコーヒー1杯で時代劇も見れましたし、良い勉強をさせて戴きました。
以前に見た番組での報道から気になる部分を
今回、こういった話にこだわったのには、少々、理由があります。以前にテレビのニュース番組の特集で「カルトについて」特集を組んでいました。
私も他人事ではないですからね。興味深く拝見しました。特に注目したのはそれぞれ違うカルトや宗教、営利目的の集団など取り込まれた人を集め、「当時、どういった状況であったのか?」などを訊ねるシーンなどです。
これは画期的だったといっていいでしょう。
見ている分には簡単そうにみえるでしょうが、これはかなり難しいんですよ。そういった団体の被害者はなかなか名乗り出てはくれませんし、お互いが関わり合いを避けようとするのが普通です。
被害が周囲にわかったら恥ずかしいですし。カルト宗教に関わっていたとバレると色眼鏡で見る人達もいます。そもそもが被害者だった人が勧誘に関わるようになっていて。結局は次の被害者とか信者を誘い入れる役どころを振られて担っているケースがあります。
ですから、このような取材や報道は珍しいと考えていいでしょう。よく集めたと思います。
興味深いのは登場する過去の「信者」にはところどころ、「私は巧妙にやられたから、取り込まれたんだ」といった感覚が滲む所ですね。
同じ被害者であっても、被害者としてお互いが共感の感覚を持つのではなく、私はたまたま「相手にうまくやられたんだ」とか「偶然取り込まれただけ」であって「次回は大丈夫だ!」とか、「他の被害者とは違っている」などと捉える人もいます。
実はね、このような考え方は非常に危険なものなのです。考えを改めないと何度も同じような被害を受けるでしょう。新たな被害や同じようなトラブル受ける可能性を残します。
番組ではカルトや新興宗教(といっても、まともに宗教活動を営む団体は除きます)に取り込まれないために、もっとも肝心な部分に触れていませんでしたから、ここで解説を加えておきます。
これは宗教関係やカルトに取り込まれた人だけに限らないのですが・・・。「意志の強さ」などはこういった被害とは関係ありません。一部はキャッチセールスや詐欺などとも重なり合う部分があります。
よく「私は意志が強いから大丈夫だ!」「誰にも騙されない!」などという人がいます。
現実には不可能です。それは現実を知らないか、現実を無視して強がっているだけです。非常に愚かな人であるか、意味もなく被害者や他人を見下す感覚の染み付いている人でしょう。
餅は餅屋ともいいますが、専門で行う人間に付け焼き刃で聞き齧った人間が関わった所で、太刀打ちできません。方法は色々あるんですよ。
ある意味専業とも言える私でも、いきなり詐欺の常習犯やカルト集団でに取り囲まれたら自信はありませんよ。事前に十分に下調べをして備えておく必要があります。
どんなに意志が強く少々のことでは凹まないような人でも、その人が「人である限り」限界はあります。人は独りでは生きられません。
意志が強く「他人の支えなどいらない」と思い込んでいる人でもほんの数カ月、人気のない山里や無人島にひとりぼっちで放置されれば「誰かと話がしたい」と泣き出すと思いますよ?
オウムの事件などではそういった手口を使っています。山の中に放置したりね。夏場にコンテナの中に閉じ込めたという話が報道されています。それが長期間に及んだらどうでしょう?
人間が自分の精神をまともに保とうとする場合、他人との触れあいは不可欠です。勘違いしている人は多いようですが、精神的な悩みやトラブルにおいて独りで我慢していれば「治る」ようなものではないのです。どちらかと言えば誰かの手助けがいる。
「私に触れないで!」と叫びながら、実際には「誰かに助けて欲しい」と願う、それが人間なのでしょうね。それはともすれば人が「誰か?」とか「何か?」に影響を受け、どんなに心を閉ざそうとも結局は心が自然に反応することを示すでしょう。
意志が強ければ「騙されない」のではありません。人であれば反応はしてしまう。心がない人間など存在しないのですから。ですから、どんな人であろうと誰かに付け入られる隙やきっかけはあります。