販売に応用してみると!?

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三点からの選択、比較販売法

本当に売りたい商品は左側に置く

キープレフト アイコン私は売りたい商品は相手の左側に置きます。

科学的な実証はされていませんが、人間は左側にあるものを選ぶ習性があるようです。

子供を後ろから前触れなく脅かして追いかけると、7、8割の子供が左に逃げます。利き腕や性別には関係なく、そちらに逃げようとする習性があるそうです。

これは世界各国共通であちこちで検証実験が行われており、同様の結果があるそうです。

ですから、デパートなどの構造では上向きに登って行くエスカレーターなどから降りると、左側に販路(売り場)が作ってある場合が多いのです。

これは一説によると人間の心臓が左よりにあるからだ、などと言われていますが、実際のところよくわかっておりません。

どこで統計をとっても結果は同じですが、科学的な根拠で実証にまでは至っていない。

ですが、私が実際に販売を行っていた場合もなぜかお客さんから左側にある商品を選んで買って行くケースが数多く見られたのです。

まあ、ちょっとズルいですが、私は高額商品で自分が売りたいと考えている商品ほど、相手の左側(向かって右、私から見ると反対側になります)に置く習慣がつきました(笑)。

デパートなどでは売り上げの向上を信じてそのような構造になっている建物なども多く、販売などにも積極的に取り入れられている知識です。

自身でも使わない手はないと思いました。

私の経験でもそれが正解のように思ったので、左側に置く習慣が身に付いたのです。

予知ではなくて予想、予想というより経験

以前、ある外商の方と販売であるご家庭にお邪魔した際、事前に「この商品とこの商品を私は薦めますが、結局、お客さんが選ばれるのはこの商品ですよ」といってからお宅にお邪魔し、その通り決まってしまったことがありました。

外商の方はかなりビックリされたようです。

私にすれば過去の経験からそのような事態が想像できたので、不思議ではなかったのですが・・・。

予知ではなくて予想、予想というより経験に根差す推測です。私が車の中でそう言い張るので、その外商の方はわざわざ「売れそうにない」家庭を選んで連れて行ったようです。

付けた条件は一つだけ。

谷口
谷口

会話が好きなご家庭で、しばらく私とお話をしてくれること。

それだけです。

一部解説しておきますとね、外商員にもやる気の無い方もいるんですよ(笑)。

今月のノルマを果たしてしまった外商員は次の月のために上得意客や見込み客は残しておこうと思います。

そりゃノルマとか締め切りは毎月あるんですから。上層部が設ける売り上げ強化月間などに備えて上得意客や無理を聞いてくれるお客さんなら温存したい。

私でもそう考えるでしょうね。

売り込みに来るメーカー(要するに私)は何が何でも売りたい側です。出張には多額の経費もかかっているのですから・・・。

デパート側(外商員の上司で上層部)やメーカー側(私)は売る気満々ですが、そんなこと外商員には関係ありません。

毎月、厳しいノルマを抱える彼らは手を抜ける所では抜きたいと思うものです。

売らなきゃ叱られますが、売ったからといって給料が劇的に増える訳ではない。そりゃ人情として手抜きもしたくなる。メーカーは訪れたその瞬間だけですが、外商員は毎月のノルマがあります。

で、その時はどうやら顧客のお宅には伺えそうもなかった、と。やる気が無いのはミエミエでした。

端境期(はざかいき)で次のノルマがありますから上得意客は残しておきたい季節だったんでしょうね(笑)。

イベントや催し物会場に来店してもらって。上役の覚えがいい場所で高額な商品は売りたかったのでしょう。各家庭をまわる気配すら無かった。

ですから私は一計を講じたのです。

心理学の知識をわざとひけらかし、特殊な知識や技術を持っていると外商員を煽り「どんな家でもいいからともかく上がってください。実証してみせますから」と移動中の車の中で繰り返した訳です(笑)。

まあ、嫌な奴ですよ? ただし嫌悪感を招かないように冗談を交えて車内を和ませます。

あんまりうるさいので「売れるモンなら売ってみろ!」と考えたと思いますよ。

私があまりにはっきり売れると言い切るので反感も買ったのでしょうね。まあこっちは計算ずくだった訳ですが・・・。知らない方も多いと思いますが外商員の食事代ってプロパー、つまり商品を持ち込むメーカー側の自腹だったりもします。

多少は面白いとか悪いとの思いもあったのでしょう。ともかくお客様の家には連れて行ってくれたのです。通常よりも「説得が難しそうな」お客様のお宅にお邪魔させてもらいました(笑)。

雑談には応じてくれるが買わないことが多いご家庭。それでも確かに商品は売れたのです。

私は当時、そういう遊びも好きでした。

販売って仕事は面白い(笑)

遊びといっても生活がかかっています。販売員は真剣そのものですよ。

社内や販売員同士、仲間内でも競争はありますから。自身のプライドを賭けた勝負といってもいい。

ですが、多少の遊び心というかチャレンジ精神がないと参ってしまいます。当時は出張ばかりでしたし。

売り上げが欲しいのに外商員がその気になってくれないとか、飯だけ食って(先にも言いましたがこっちの驕りです)あっさり帰ろうとしてると察知した場合には、この種の手口を時折使いました。

当時、私を雇ってくださっていた社長が時折、怒っていました。

「あいつら飯泥棒だ!」

って(笑)。

自分たちの馴染みの昼食屋で飯だけたかって、まともに顧客を回ろうともせず丸一日、車の中とか喫茶店で過ごそうとするサボリ魔もいるんですよ。

デパートに求められて各地に出張して、多額の費用をかけて商品を確保し、販売員を派遣しても「一件も家にあがらない、回らない」なら絶対に売れるはずもない。

魔法使いじゃないんですから・・・。

メーカー側はまず外商員をその気にさせてどこかのお宅を訪問して貰う必要があったりします。

その外商員からすれば事前に私が言った通りに商品に決まってしまったので、そうとう強いショックを受けたようで・・・。驚いていました。私はそういった顔を見るのが好きでした。

よくそんな販売方法、悪戯をよくやったものです(笑)。

もしそれで売れなかった時を考えてください。私の販売員としての評価はボロボロですよ?

売れる売れると「こいつが大騒ぎするから」連れて行ったのに、

ディレクター

失敗したじゃないか!

になりますからね。

自信があったんですよ。当時は神懸かり的なパワーがありましたので。

その後の催眠現象とか講演、出演でもかなり無茶をやりましたが、おそらくはその延長線上でしょうね。

今ならどうか? と言われれば少々疑問もありますが、基本的なスタンスや能力は変わらないでしょう。体調不良で悩んでいる時や精神的なテンションが完全に下がっている時でなければきっと大丈夫(笑)。

自信があります。

そういった販売方法や技術も、きちんと勉強してみればそんなに不思議なことではないのですが、ちょっと見にはマジックのように見えるかもしれませんね。

販売員として初期の頃、私が「ボソボソおじさん」を見て、ショックを受けたように・・・。

経験とか知識は力であり、時にとてつもない効果を発揮することもあります。

販売とか接客業って仕事は面白いですよ。

相手の顔が見えますから・・・。いい商品を仕入れて販売すれば、こちらは「商品を売って」利益を得ている側にも関わらず、お客さんに本当に喜んで貰えることだってある。

入手困難な商品とか、珍しいもの、自分が自信のある商品を探し出して売って、相手に感謝される瞬間には深い喜びがあります。

もっとも、この悪戯の場合は実力を証明しよう、ではありませんでした。

社長じゃありませんけどね。今月のノルマを達成してるから

ディレクター

メーカー(私)に昼飯だけたかって帰ろう!

とする外商員の態度に腹が立ったんですよ。ちょっと驚かせてやりたかっただけです(笑)。

これはただの悪戯です。

私はそういう悪戯が好きでしてね。初期の頃、通り掛かりの人に催眠をかけるなどに成功したのも、結局は私の性格によるものです。でなきゃやらないでしょうね。

私は誰かの驚く顔をみるのは大好きです。

え、人が悪いって?

気のせいでしょう。多少の遊び心がないと人生、たのしくないですよ。

このコーナーの初稿は1997年に書かれています。年数が経過しましたのでサーバー移転の際に、読みやすいようにレイアウトと一部に加筆修正を加えてあります。

1997年10月20日 初稿

2018年12月21日 加筆、修正

谷口信行

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