行動の認識のパターン
この行動パターンは単に「大人」つまり、「自分達よりも力の強い存在」がとった行動のパターンを子供達が再現(模倣)しているに過ぎません。
いじめを止めようとしたり、やってはいけないと言い出す子供にしても意味が正確に理解できているのではないでしょう。一部は煽動者(方向づけを行った試験官)の模倣(ものまね)に過ぎません。
理由を明確には把握していない。それでも弱いものいじめとか、力の強い側が一方的に誰かを殴ったり虐待する行為に、教えてもらった子供たちは違和感を持ちます。
「いけないこと」を子供達が目撃した時に、その理由を教えて過ちは過ちとして正しいお手本を示せば、その行動は間違いなく正しい方向を向きます。
その時、とても重要なのは子供達が「集団の中」にいる時にそれを指摘することです。
単独、つまり独りきりでいる時にそれを行っても効果は薄いでしょう。同じ目線、同じ年代、同じグループとか「一緒にいる仲間」が必要になるのです。
上からの目線、つまり大人とか方向性を与えようとする試験官とは立場が異なります。リーダーは「大人」が作るのではなく、仲間の中から生まれなくてはならない。
大人とか指導を与える側が「きっかけを作って」子供達から自発的に意見や意思が出るような方向づけを行わなければなりません。
これは命令とは違うのです。
理由を教えず強引に従わせたり、大人が「いじめの目撃しながら何も言わない状態」ならば全てを認めてもらったことになり、弱いものいじめを繰り返したり「コイツにはやっていいんだ」といった錯覚を起こすことをこの実験は示しています。
この実験の結果は、現在の教育の現場の状況、日本で行われているテレビ番組やアニメ等と重ね合わせてみれば、非常に興味深い結果だと思います。
日本でヒットしたアニメで「ドラゴンボール」ってアニメがありますが、アメリカではしばらく放送禁止になっていました。子供が殴り合いをやって血を流すシーンが多用してあるから、というのが停止の理由です。
ただし登場人物のキャラクター設定が変更されています。 登場人物は子供ではなく全てハイティーンか成人扱いになっています。それでR指定(レイティングシステム)がやっと外れて放送できました。
ドラゴン・ボールはその後、イタリアや中国でも放送され人気を得ました。
海外、特にアメリカやイギリス等ではそういったことにはナーバス(神経質)になっていますから制約も多い。子供向けのゲームなどでは、血が噴き出すシーンなどは利用できません。
赤い血糊ではなくグリーンとかブルーになったり、映画やゲームソフトでも子供向けには利用できない映像や戦闘シーンもあります。
規制の種類、参照例 レイティングシステム(別名R指定)
12歳未満は保護者同伴が望ましい映像です。軽い性表現、差別的表現、宗教や思想的な表現が入っていたり、反社会的要素(麻薬)や惨殺シーン(ホラー含む)が入っている映像を指します。
15歳未満の観賞、入場を禁止。1998年に日本では以前のR-18から改訂して審査の対象となりました。主に残虐描写・暴力描写が激しいもの「いじめ描写」も審査の対象になっています。
18歳未満の観賞、入場を禁止。主に成人映画や性的描写、アダルト映像などによく指定があります。直接的に性行為を描くまたはそれを連想させるもの。観客の性衝動や興奮を喚起させることを目的に製作された映像を指定します。要するにH系ですね。
現在、行われていることは巨大な実験室のよう
日本だけなんですよ。子供達に暴力的なシーンを見せても何も言われないのは。漫画とかアニメ、ゲームでも多い。ロリコン物とか残虐物も日本は緩いですね。
少年とか少女が刀を持って振り回すシーンも多いですね。モビルスーツという概念やロボットに乗って「少年が戦う」アニメも日本発です。
最初は「遠方で」主人公の子供がロボットを操るだけだったのです。鉄人28号のような・・・。それならば子供には直接被害がない。
鉄腕アトム以降ですかね? 少年風のロボットが出て来てその後、ロボットは大型化しました。
なぜか少年が本体に乗り込むようになって、合体ものや変形ものが増えた。主人公である少年とか少女が「選ばれた人間」「特殊能力を持つ者」として描かれるケースが増えました。
海外では二次元(絵とか漫画、アニメ)だから大目に見るということはなくて、いきなりR指定にされるものもありますよ。子供が暴力シーンを見ることには過敏なのです。
昔のアニメ、パラパラ漫画とかコマ送りで手書きのセル画(昔は全て人力で描きました)を一枚、一枚撮影してた時とは異なり、コンピュータ処理とかエフェクトを入れるようになったので、相当に複雑な映像でも描けるようになっています。
カット割りも構図も複雑ですし、反対に実写では描けないようなリアルな映像も作れます。
3D映像とかゲームにおいては実写以上に凄い戦闘シーンも描くことが可能になったおり、現実との見分けというか、映像を見ただけでは両者の区別が徐々に難しくなってきています。
ロード・オブ・ザ・リングの戦闘シーンなんて凄まじいですよ。私は映画館に観に行きましたが、激しい戦闘シーンになると場内の観客が息を飲むのがはっきりとわかりました。
この時に用いられた3D、モデリングはその他の映画にも使用されています。実写以上に凄まじい戦闘シーンがCGによりリアルに作れるようになった最初の作品がロード・オブ・ザ・リングですね。
そういったシーンを子供に見せることを規制するのが正しいかどうかは、今後の歴史が証明するでしょう。規制に熱心な国と、かなり緩い国がある。
数十年前の実験成果とか薬学の研究とかが「現代」に現れるように、今の規制の結果は、同じく何十年後か後の世界に明確に形となって現れるからです。
今やってることそのものが、壮大な実験室のようですね。
背景などから「思考」のトレーニングを
私が「現在を知りたいなら」過去のデーターを洗うように指示する理由の一つですね。未来は過去の積み重ねの上で成り立っています。原因や要因があって結果が生まれるのです。
数十年前の基礎データとか文献を漁れば「現在」がみえます。過去から現在までを辿ることができたのなら、その先の「未来」も推理とか推測が可能になるかもしれないですね。
日本の教育現場においては「なぜ、そうしなければならないか?」を子供達に教えることをしません。「黙って従え!」「そうすればいいんだ」といった考え方が主流となってしまっています。
理由は簡単で「時間がない」「教師が足りない」「効率が悪いから」・・・。
例えばですが、そもそも歴史を教えるのは愚かな過ちを繰り返さないためでしょう。ですから、その時代に戦乱とか他国との戦争が起きたとするならばその裏側、つまり背景を学ぶ必要があります。
飢饉や疫病があったのか? 天候や気象異常、震災があったのか? はたまたただ単に領主や王様が「他国を従える」ことで支配欲を満たそうとしかのかなどです。どちからかというと何の理由もなしに他国に攻め込む人なんていませんよ? 領地も荒れますしお金もかかる。
負けて奪われたり死ねばお終いですから。勝算や利益があったり、国内の不満や領民の目先を逸したり、何らかの具体的な利害関係や目的がない場合はやらないのです。
凄惨な争いや虐殺、捏造とか流言、デマや誤った報道があったのならその理由とか背景を調べて学ばないと意味がないでしょうね。本来なら年号とか記録だけ見せたって学習じゃないんですよ。
ところが「ここは入試に出ないから端折りなさい」「別に勉強しなくていい」と教師には教わります「なぜですか?」と聞けば「必要ないから」とだけ答えるだけでしょう。
疑問を持つこと、関心を持つこと、知ろうとする欲求とか意欲が研究とか勉強の能力を高めるのですが、日本においては、テスト用紙に正解を書き込むことだけが重視されています。
過程や経過、背景を軽視しがちなんですよ。それを説明するために「過去の情報やデータ」「心理学や薬学における基礎研究」が何十年も前の時代に行われたもので・・・。
商売とか生活に、実効性や実用性があるからこそ隠す人が多い、ということを述べたわけです。
単純なお話ですが、歴史でも政治でも経済や戦争でも同じです。背景を学んで「回避行動」をとらなければ、また「同じ弾」には当たりますよ(笑)。
同じ軌道上を同じ船で同じ速度で動いているようなものですから・・・。
はっきりいってしまえば、参考書やアンチョコ本、過去の出題集に書かれている解答だけ丸暗記するのは「人生とか社会においては」殆ど意味がない(笑)。それは過去の解答です。
社会情勢とか趨勢、変わってゆく時代の中では「過去の解答例」「過去の成功例」を用いるだけではうまく行かない場合が多いのです。ですから過去を勉強しながら、未来への舵取り、船の方向性を変える必要が出て来ます。