社会不安と欲望の法則

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不安が高まると増える商売

騙されてしまう理由

ドンペリ 写真ホストクラブや街頭での強引な客引きが不況になって増えるのは、飲みに行くお客が増えたからではありません。

どちらかと言うと「働く」側が安易に「儲かる」と勘違いするからです。報酬を目の前にチラつかせてまず「従業員を」騙すんですよ。

誘われる側はそれにかかる費用(服代や飲食費など)を考えません。煽り文句とか雑誌の記事などを信じて「手軽で簡単に儲かるに違いない」と考えます。

どんな世界でもトップに立つのは難しいんですけどね(笑)。それは水商売だろうとタレントだろうと会社員や自営業でも同じですよ。

出張ホスト詐偽とかも昔からある手口です。男性がひっかかってしまうのは、心のどこかに「俺はモテる!」との錯覚や自惚れを残しているから。

実際にはそういった職業は存在せず、登録料という費用だけを請求されたりします。

インターネットでも一時流行りましたよね?「あなたにセレブのお嬢様(奥様)から指名が入りました!」などとおかしなメールを送り付けてくる業者もいます。

最近はその手の詐欺も多数存在します。私は「モテる」と勘違いしている男性の方はお気をつけ下さい。

世の中そんなに甘くありません(笑)。

騙されないために大切なことは、「儲かる」ことを中心に考えたり、入ってくる(であろう)実入りのことばかりを考えないことです。

フランチャイズの契約などもその良い例です。

コンビニでも飲食店でも、フランチャイズチェーンの本社や本部の人間は説明会に訪れた人間に、リスクの説明はあまり行いません。

「ここに出店すると毎月、幾らの売り上げと実入りがある」

「今の収入よりも楽になります。本部が支援しますから安心です」

といったおいしそうな内容を並びたてます。

まるでしばらく前(バブル期)の証券会社のようですね(笑)。「絶対にこの株は上がります。保証します!」と言っていますが、どう保証するんでしょう? 損失補填でもしてくれるのでしょうか?

彼らの言葉を信じると「絶対に損はしない」んだそうで・・・。しかしその割に契約書には契約者に不利な内容しか、謳って(うたって)いません。なぜなんでしょう?

それはやっぱりリスクがあるから。リスクの部分を説明すると怖がってフランチャイズ加入を渋るようになるからでしょうね。

危ない部分は「聞かせないままに」欲望の部分だけを煽る。それがポイント。

自分で調べないとだめですね

もし、本部の「絶対に大丈夫!」と言う言葉が全て本当ならば、なぜ、本部で資金を提供しないんでしょう?絶対に儲かることはわかっているのに。

全てを貸し付けて後から資金を回収すれば済むではありませんか? 会社としては金利まで儲かりますよ(笑)。それをわざわざ誰かに与えてしまう必要はない。

それが本当だとするなら、私なら直営店にします。銀行だって喜んでお金を貸すでしょう。実績がある本部の方が個人で借金を申し込むよりは資金は調達し易いでしょう。

現実には「加入した時点で」高額な加入料を取られます。途中で止めるといえば違約金が必要です。儲からなかった場合には損益は丸被りになるんですよ。

ですから加入するまでは熱心ですが、入って(入れて)しまえば何の支援も行わない会社もあります。

良い業者は、実入りよりもリスクを説明します。自分達がこれから負担する労働時間や、月々にどれくらいの出費が必要かなどをフランチャイズ加入希望者に教えます。

立地条件や競合店の調査も重要ですし、独立希望者は実入りよりも先に「自分が負うべき」リスクを事前に調べて知る必要があります。

まともな商売、儲かっている会社なら、場合によってはこちらから「お金を払うから」と言って加入を申し込んでも断ってくる場合もありますよ。

特に相手の会社側の人間が集めた経験者や体験者の言葉ほど当てにならない物はありません。

それらの証言は雑誌に載ってる幸せを呼ぶペンダントくらいの価値ですよ(笑)。むかーしに流行った「絶対に痩せる石鹸」のような物でしょう。

売りたい側はより多くの「欲望」を刺激し、「欲しい!」とか「安全だ!」「これに参加したい!」といった印象を植え付けたいのです。ですから誇張とか嘘がありますし、一部は数字をあえて隠します。

それが商売の鉄則だから。

儲けているのはほんの一部

への字口 アイコン新規出店には幾らのお金がかかり、計どの程度の実入りがあるのか、またそれを「システムやノウハウを売りつけて自分の懐が痛まない」会社側の人間の説明をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の目や耳で集める必要があります。

実際の経験者、すでに開店している経営者などからコツコツと集めた資料や内容、実績から判断する必要があります。

必要となるのはむしろ、苦労談。見え透いた成功話とかサクセスストーリーの「都合の良い部分」よりも、そこに至るまでの道筋や背景、辛かった部分でしょうね。

最近、巷やインターネットで増えているマルチまがい商法などにも気をつける必要がありますね。人々の不安につけ込むように増えるこれらの商売には気をつけましょう。

はっきり言いますが、際限なく儲かってリスクはまったくない商売などはありません。あれば他人に加入など勧めないでしょう。自分か身内で独占します。

人々の欲求をうまく刺激する人が商売で成功しますが、そのような「ピラミッド方式に次々会員を増やせば、あなたは巨額のお金を手にします」なんて方法には無理があります。

全員が儲かる商売なんてありえません。利益は分配すれば残りませんよ(笑)。

マルチや紹介販売などの方法はあなたに利益をもたらすのではなく、一部の人間が自分達に都合のいいように利益を得るために、周囲の人間の欲望を利用しているに過ぎません。

面白いのは、そういった商売に乗り出す人は入ってくる利益にばかり目をとられ、成功者の話ばかりを信じます。裏の話とか苦労談にはあまり注意を払わないのです。

マルチ商法や紹介販売で実際に高い利益を得ている方の%(パーセンテージ)を知れば、驚くでしょう。

有名なアムウェイなどを例にとると、年収が500万を超える方は全体から見ると1パーセントに過ぎません。これなら、普通に商売を行った方が成功率としては高いと思います。

最近はそのようなマルチまがい商法が集会を開くと、驚くばかりの人が集まります。

毎年、長者番付が発表されますが、マルチまがいで収入を得た方が載ってませんね(笑)。税金を払ってないのでしょうか? 彼等の説明会の内容をそのまま信じると、確定申告に行く必要がある人は毎年、ゴロゴロとその組織の中にいる筈なのですが、それはどういうことなんでしょう?

不思議な話ですね。

儲け話を持ち込まれた時にはよく吟味する必要があります。