正しい催眠誘導の方法 / 第六章

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催眠とは暗示とラポールで繋がる

暗示、方向を決めて効果を求める(35ページ)

シリンダーとキー催眠もサブリミナルメッセージも一種の特殊な方法です。

通常であれば顕在意識とか自我と呼ばれるものに邪魔されて届かない筈の情報や刺激を受け入れやすいようにする。影響を残したり、効果を与えることに目的はあるのです。

意図的に下意識(潜在意識)に干渉を行い、被験者のや相談者の求める効果を狙ったり、また精神的なトラブルなどの起こった原因を邪魔されることなく探すために催眠などは用いられます。

暗示は被験者に具体的な方向性を指し示すものです。船でいえば羅針盤や舵に相当します。「どっちに行けばいいか」を言葉を用いてはっきりと被験者に指示し、教える訳ですね。

わかりやすくいうなら「ラポール」(信頼度)がドアを開ける鍵です。

ドアを開けて船長室に入って羅針盤(暗示)を覗いて舵を操り進路を決める。暗示については後のコーナーで詳しく解説しています。

そのどちらもが運行にはとても大事なものでありどちらが欠けても、船長は船を1センチも進めることが出来なくなります。

催眠術師一人が肩書きとか経歴、高い技術を誇っても意味がないと解説したのは「入室ができない」とその船の船長として認められないからです。

全ては中に入って認められてからなんですよ。暗示、進路を指示しようにもまず鍵がない。船長室に入れない観光客とか悪漢扱いで、その手には羅針盤も舵もありません。

ドアの前に立っているだけです。その状態で「俺は凄い経歴を持つ船長だ!」「凄い操船テクニックを披露してやる!」と叫んでも航海士や船員、乗客に笑われるだけになってしまいます。

催眠は先に触れたラポールと、ここで触れた「暗示」で殆どができあがっているといっても過言ではないのです。研究者の中には「催眠など無い」催眠と呼ばれているものの正体は暗示とラポールだと言い切っている人も存在します。

ラポールで信頼感と安心感を高め、被験者との繋がりを強化してトランス状態を作り出し、その上で深化法などを用い下意識(潜在意識)に近づきます。

その後、暗示(言葉による指示)を使って方向性を定め、効果を求めて行きます。

催眠を「かける」際にはラポールが重要でメインになります。入室に必要な鍵なんですよ。

潜在意識に働きかけを行ったり「方向性を指示する」場合には暗示が中心に行われることになります。そちらが羅針盤で舵です。

もっとはっきりいってしまうと、様々な手法や技術、応用や解説はありますが細かな手順や変更は「ラポールと暗示」に附随(ふずい)するおまけのようなものです。

ラポール(被験者との繋がりや信頼感)と、暗示(具体的な指示や方向性)がもっとも重要であり、その二つをきちんと把握すれば催眠誘導は誰にでも可能になります。

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