正しい催眠誘導の方法 / 第三章

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ステージ催眠との混同を避ける

謙虚さを持ってください

手のひらにバツ アイコン残念なことに時々、いるんですよ。一人か二人、催眠誘導に成功した途端にすぐに「催眠の大先生」になってしまう人が。

催眠を教えていてもっともがっかりする瞬間です。多様な経験を積み、様々な難しいケースに取り組んだ訳でないのに、催眠の一面やほんの一部だけを捉えて「これで私も催眠術師だ!」などと平気で言い始めます。

そういった人は注意しても聞かなくなります。すでに気分は大先生で自分でサイトを立ち上げて催眠団体とやらの幹部だと言い出したり、番組やマスコミ等に自ら売り込みに走ります。

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私はそんな人を増やしたくてこのテキストを綴ったのではありません。

謙虚さを失い、傲慢になるために催眠などの知識や技術があるのではありません。誤解している人は改めてください。

利用方法について、のコーナーで、わざわざこれについて触れるのは勘違いしてしまう人が結構いるからです。

一人や二人、また多少、知り合いや友人に催眠を行い成功したところで、それで何でも可能になる訳ではありません。練習を重ね、様々な応用やケースを知るように努力してください。

私自身が現在においても練習と経験を重ね、技術の向上と知識の吸収に努めていることが、催眠の奥の深さと難しさを証明していると思います。

ですから、本書で催眠について書かれた記述を読み、「これでいいんだ」と簡単に受け取ってしまい、全てのケースに応用できる、と勘違いするのはお願いですから止めてくださいね。

人間の心は複雑です。その人、個人個人によってその対応は異なってきます。私はこのテキストを「他人を操るためのマニュアル」としてでも「傲慢になって、迷惑をかけるために」綴るものでもありません。

周囲を理解したり原因を探り出し、力になるためのツールとして「催眠」術、つまり誘導はあるべきでしょう。

催眠は人間の心を扱いますから結果や過程は常に一定ではありません。決まりきった手順や、マニュアルに当てはめるだけで簡単に問題が解決するのではないのです。

施術側が謙虚さを失って強引な方法を用いれば、それはトラブルの種にしかならないと思いますよ。

催眠を上手に利用するためには強引さよりも優しさや思いやり、被験者に対する上手な配慮が必要となります。ショー催眠と全部が同じ、と捉えて混同してしまったり、強引に何かを「行おう」とは考えないように。

利用方法については私が禁止暗示と呼んでいるものもあります。それらについては特にきちんと覚える必要があります。

最後のコーナーで危険な行為などについても詳しく述べますからしっかりと覚えてください。

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