自己催眠テキストのまとめ(182ページ)
「自己催眠のテキストを書いてくれ」といった依頼や問い合わせが多いので、今回の特別付録を付けることになりました。
自分なりに自己催眠や自律神経の調整法に取り組んでみたものの、今一つピンッとこなかった方もいらっしゃると思います。
シュルツの自律神経の調整法については、あちこちで解説はされているのですが、専門の書籍や資料は難解な解説が多く、意味や理由がわかりにくい部分があります。
正しく理解できればとても有効な方法なのですが、それぞれの研究者の解釈や翻訳の仕方には違いがあります。
一般の方で「これまで取り組んでみたが、うまく行かなかった」人のために、また「取り組みたい気持ちはあるが、どういったものなのかよくわからない」「あんな方法で本当に意味はあるのか?」といった方にできる限り理解しやすいように解説を試みたつもりです。
日本における自己催眠の方法について書かれている書籍の殆どはシュルツの自律訓練について書かれているか、その変形になります。自己催眠における原点とも言っていいので参考にした人が多いのでしょう。
他は宗教家が関わっているものだと、どうしても宗教色や修行の色合いが濃くなります。滝行とか荒行を一般人が行うのは難しいと思いますので、今回のテキストからは外してあります。
危険の伴う方法を勧めることで事故とか怪我があると困ります。すでにそういったもののトラブルで、痛ましい実例が報道されています。
私の今回のテキストは自律訓練の一部も使っています。ただし、基本的には他者催眠で使われるテクニックと過去に自分で自己催眠やメンタルトレーニングを行った時の経験を元に作られています。
私は自分の経験から「他人が行う催眠誘導」つまり他者催眠から「自己催眠に移行して同じ効果や反応を得るにはどうしたらいいか?」をまとめたつもりです。
シュルツが自律神経調整法を思い付いたのと同じで、トランスに至るまでが「他者」によって誘導できるならば、被験者本人にも深化や暗示をかけることは出来る筈だと考えました。
禁煙や再エットの依頼では、実際に私が被験者に誘導行った後で自己催眠に移行するように指示し、橋渡しして効果を上げています。
私は依頼者が(私も含めた)施術者に頼りきりになってしまったり、依存してはいけないと考えています。
たとえそれが健康とか自分のためであっても、誰かに頼り切りになる必要はないと思います。催眠に依存してしまって施術者と上下関係や依存が出来てしまうようでは困ります。
誰かに寄りかかったままになったり、自分で取り組む意志を持たなくなることは良くないことでしょう。自分で管理しメンタルトレーニングに移行するようにこの特別付録を整えました。