正しい催眠誘導の方法 / 第二十八章

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漠然とした指示は意味を持たない

その人が詳しく知っているものに寄せる(175ページ)

深化法の手順(76〜85ページ)において。鉄ヲタの人に「電車のイメージを使うと深化が起こりやすい」といった解説は先に行っています。

正しい催眠誘導の方法 / 第十五章
深化法の手順(76〜85ページ)身体を揺らしながら力を抜いてゆく(76ページ)イメージトレーニング(78ページ)階段をイメージする(79ページ)他にもあるイメージ法(81ページ)電車のイメージを用いる(82ページ)テンポを上げ、駅を加速して...

なぜそういったことが起こるかというと、ご本人がとても好きなものだったり詳しいものだからです。催眠は「術」ではなく「誘導」という、そちらが正式名称がという話はこのテキスト内でも何度も出てきています。

気持ちが良い方向に「誘う」(いざなう)ほうが、そりゃ心は魅かれ易くなりますよ?

私は強引に命令したり抑制するのではなくて。ご本人が興味があったり「楽しい」と思う方向に導くことで実演やカウンセリングを成功させてきています。

嫌がることを強要するのではなくご本人が望む方向を一緒に見て、何かを手助けすることで着地点がより良いものになるように勤めれば、抵抗は少なくなります。

「暗示」つまり潜在意識への働きかけは、本人が自分の潜在意識に行うとはいえ、具体的でわかりやすいものでなければなりません。漠然とした内容では反応が鈍いか、まったく効果がないからです。

おかしな働きかけとして、具体的な例では、

1.「英語がペラペラになりたい」

2.「異性にモテるようになりたい」

3.「お金持ちになりたい」

などがあります。

これは実際に私の元に寄せられたメールとか依頼なのですが・・・。漠然としすぎでしょう。織田信長に変身させるよりも無理があります。こういった内容を番組の関係者とかスタッフに持ちかけたら大変ですよ?

面白い企画とか映像になるかと考えて無茶するに決まってますから。

他に私の元に寄せられる依頼で困る物としては「幸せになりたい」がありますね(笑)。

これがまた困った事に男女ともにあります。女性だけならともかく男性側にも中性的といおうか、自分で目標を叶えようとか努力しようとはせず、催眠にかかったらあっさり幸せになると思い込む人もいますね。

そういった人任せな感覚だとカルトとか怪しげな団体に騙されたり取り込まれるだけだと思うのですが・・・。

だいたいですね。何を持って「幸せ」とすればいいのでしょう?

私は神様ではないんですから・・・。催眠は宗教ではないのです。まして、幸せの基準はその人の心の中にあります。

おそらく私の考える「幸せ」とその人の考える幸せは、意味が異なっていると思います。

いくら催眠とはいえはっきりしない内容では効果は現れません。神頼みに行って気軽にお賽銭をあげるのとは訳が違います。どんなことでもかなうわけではないですよ。

では、どういった内容が暗示として適切なのでしょう? 

先に上げた三つの例を元にして、わかりやすいアプローチの言葉に変えてみます。