正しい催眠誘導の方法 / 第二十八章

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漠然とした指示は意味を持たない 正しい催眠誘導の方法

潜在意識へのアプローチ、参考例(176ページ)

ハート型のカギ1.「英語がペラペラになりたい」

日本人はどうも外国語にコンプレックスが強いようです。

よく使われる表現なのですが、何を持って「ペラペラ」というかは、人によって違います(笑)。他者催眠でも自己催眠でも、このような曖昧な表現は使うべきではありません。

参考例として考えるなら

「新しい英単語を調べ、自分で覚えることにとても喜びを感じる」

「英語のレッスンがとても楽しく、教室に行くのが嬉しい」

「恥ずかしがることなく友達や先生と英語で話ができる」

「授業に集中でき、予習をしてから質問を積極的に行う」

などといった暗示が適当でしょう。

「記憶力を上げたい」といった依頼もありますが、一夜漬けのような催眠や暗示は一時的なテストには有効ですが、テスト後、数日たつと内容そのものを忘れていることが多いのです。

ですから「覚えられる」といった暗示よりは「予習復習を効率的に行う」といった暗示に切り替えます。

その上で夢や希望、本人の目指す将来に繋がる暗示や、期待や成果を追加すると意欲がアップし記憶に対する定着率は高いように感じられます。

私が催眠を行う場合、一歩踏み込んで、「なぜ、楽しいか?」までを考えます。

「英会話が出来るようになったら、海外旅行で楽しく自分の買い物ができる」

「外国の方と友達になれる」

「勇気を持って話しかけることができて、ビジネスや生活に活かして使う」

英語を学ぶことで友人や恋人ができたり、ビジネスに繋がる、また旅行などの「楽しい」ことが待っている、といった方向を示すとその暗示の効果は長続きします。

2.異性にモテるようになりたい

これもよくある勘違いですが、潜在意識へのアプローチとしては漠然としています。

占いとかおみくじで「異性運、大吉」「待ち人来る」と書かれているのを望むようなものですが・・・。先に例として戦国武将の話をしましたが、それと同じですよ。

他者催眠などでこのようなアプローチを行うと「俺(私)はモテるようになった!」と勘違いして、周囲に偉そうになったり、鷹揚に振舞うようになります。

擬似的に自分がモテるようになったと錯覚するだけですから。

暗示をかけても実際には織田信長に生まれ変わってはいません。言動が大きくなったり偉そうになっただけで、魅力や話術が変化していならむしろ周囲から嫌われる結果を招くでしょう。

本人がどんな相手を望むかにもよりますし、ただ単に「モテたい!」だけで暗示を行うと、かえって本人には傲慢さや焦りが生じ易いのです。

それよりはこういった内容がいいでしょう。

「好みのタイプの人に積極的に話しかけるようになる」

「周囲に優しく話しかけ、誰とでも緊張せずに楽しく話せる」

などといった性格に働きかける暗示のほうが効き目はあると思います。

自己催眠はおまじないや占いではありません。まだ見ぬ旦那様や奥さん、恋人がいきなり現れてあなたに「けっこんしてください」と言い出すような効果はないですね。

自分の内側に働きかけますから自分の性格や行動を抑制、または解放してあげる方向に働きかければ現在の自分の感覚や習慣、行動を変えることができます。

自己催眠には「自分を動かし、変化させる」力が備わっています。ですが、それは裏を返すと「自分からリアクションを起こさないと何の意味もない」ことでもあります。

今まで自信がなさそうでうつむき加減であった人が、仕事や恋愛に積極的になったり、自分の将来に向けて努力するようになります。

他力本願ではなく自力本願なんですよ。実行不可能なことばかりを、まるでうわごとのように繰り返して呟くのではなく、実現するための努力を建設的に行うようになります。

すると不思議なもので周囲から信頼を集めたり、異性から好意を持って接してもらえることがあります。

3.お金持ちになりたい

これも先の二つのアプローチ例と同じですね。漠然とし過ぎです。

ただ単に「お金持ち」といっても、人それぞれ基準も感覚も違うでしょう。

「無駄遣いを控えて、三年で事業資金を何万円貯める」

「新しい技術の習得や勉強を今から始め、身に付ける」

催眠を使って「お金持ちになりたい」ばかりを強化すると、お金のためになら何でもするような感覚が強まります。

お金持ちに必要以上に媚びを売ったり、女性の場合、「お金持ちを見つけて結婚すればいいや!」などと考えて安易な行動にも繋がりがちです。難しいのは催眠や自己改革は占いとかおみくじではないので・・・。

自分に暗示をかけるものと単なる神頼みや願掛けは違います。

誰かが「現れるのを待つ」のではなく、自分で行動することになるんですよ。皆さんは強盗や泥棒、結婚詐欺師になりたい訳ではないでしょう? ですから方向性を示すために、具体的な指示(暗示)を行ってください。

「仕事(アルバイト)をがんばって、お金を貯金する」

「お金が貯まったら新しいスマホやパソコンを買って使い方を覚える」

「資格を取ってそれを活かし、新たな仕事や高収入のアルバイトを見つける」

「新しい職場で、仕事も恋愛も積極的にがんばる」

こういったステップアップ、幾つかの段階を踏んで最終的には「お金持ちになる」といった方向付けを行うと、うまくいく場合が多いですね。

結局はこれは私とか催眠の効果ではなく、その人の努力とか才能、運によるものなのですが・・・。

これは私の持論ですが、運というのはただ座っていてどこかからやってくるものではないですよ? 自らは何もしない人がいきなり巨額の遺産を相続したり、誰かから何かを恵んでもらうなどあり得ないのです。

まずは自分から動かないと何も巡っては来ません。その第一歩を踏み出せない人が多い。

神頼みをするのではなく「自分頼み」をやって、勇気を持って踏み出して欲しいと思います。

過程や努力を一切飛ばして「お金持ちになりたい」ばかりを強化すると、安易な方法やお金儲けに手を出し、騙されてしまう可能性すらあります。ですから段階を踏んで、安易な目標は掲げないようにしましょう。

自己催眠を用いると宝くじが当たる訳ではありません(笑)。時折、そういった依頼を真剣に持ち込む人がいて、私を苦笑いさせます。

いくら「お金持ちになりたい」「宝くじを当てたい!」と暗示を繰り返しても効果はないですよ? 催眠によって個人の「運命」とか将来がガラッと都合良く変わるのではありません。

それが可能なら私は親族に催眠をかけまくっていますね。