正しい催眠誘導の方法 / 第二十四章

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全体の比率と割合(154ページ)

バレリーナ自己催眠に馴れ、一回の自己催眠に用いる時間が1時間から2時間にまで及んだとしても、基本的な割合のバランスについてはあまり変化はありません。

全体の時間が長くなれば、深化のために用いる時間も潜在意識に働きかけるための時間もそれに比例して長くなります。

自己催眠において、覚醒や深化にかかわる時間の比率はあまり変化しないようです。

深化をいいかげんに行い(潜在意識に対する)働きかけだけを熱心にやっても効果は薄くなります。そこは他者催眠とまったく同じで催眠の基本は「ラポールと暗示」になります。

暗示のみでは出来上がっていませんから、自分自身を信頼できるようになるまで練習するしかないですね。

どうしてもトランスに入れないとか深化が起こらない場合は前述の「特殊な条件下で」追い込むことも可能です。

アスリートで一流と呼ばれる人達がゾーン(タキサイキア現象)を経験してるのは彼らが優秀だからではないですよ?

実際には「極限」といって良い状況まで自分を追い込んだ経験があるからです。

生死の境とか大きな事故に巻き込まれた人は走馬灯を見ると言います。走馬灯とはこれまでに遭った様々な出来事が一瞬で頭の中を一気に過ぎるもので実際の時間はわずかなのに、膨大な量の情報が処理されます。

その生死の境、極限に近い状況までトレーニングで追い込んだ人が、時間を超越したかのような感覚を味わい、時に凄まじい集中力を発揮して成績を残すのでしょう。

ですから「努力が先」で才能が後です。

メンタルトレーニングや呼吸法を練習しながら自分を追い込むことでゾーン(タキサイキア現象)が起こりやすくなることは比較的知られた事実です。

また深化にかかった時間は覚醒のためにも同じ比率で用意してください。

深くなるのに時間がかかれば、目を覚ますのにも時間が必要になります。

バランス感覚を養うのにまず、全体の時間を短くして(5分から10分)でトレーニングを行い、潜在意識への働きかけ(暗示の部分)を更に短く設定します。

それに慣れたら「働きかけ」(暗示)の時間を増やし、徐々に全体の比率やバランスを考え、総合で時間を増していきます。

すると自然に難しい内容(働きかけや暗示)にも対応できるようになりますから、精神的なトラブルを解消したり自分の掲げた目標に近付けるようになります。