他にもあるイメージ法(81ページ)
イメージを用いた深化法をもう一つ、紹介しておきましょう。
人は個性によって反応する言葉が違います。その人の感受性や受け取り方にはバラツキがあるからです。
また感性や年令、今までに育った環境や受けた教育などによっても、それは様々に異なってきます。
ですから、その人に合った施術や言葉、イメージを選ばなければなりません。ここが初心者にはネックになります。
経験が少ない人は様々なケースへの対応が難しく、同じ施術パターンになってしまって似通った失敗を繰り返すようになります。
イメージを用いる方法は何種類かあるのですが、ここでは私の経験から考えた深化法を説明しましょう。
勤電車に乗るOLやサラリーマン向きになります。よほど地方の都市で、実生活で電車をまったく使わないといった人でない限り、この方法はかなり有効になります。
私がそれを思いついたのは電車に乗っている際に寝ている人を見た時です。
電車に乗って居眠りしている人を想像してください。
皆さんは疲れて電車に乗っている際、眠くなってウツラウツラしてしまったことはありませんか?
そういった実体験を持つ人は多いので、電車の座席のイメージは誰にでも描き易いのです。
車などのイメージも試しに何度か使ってみましたが、電車などと違いうまく深化しなかったことがあります。
車では居眠り運転は危ないといった印象に繋がるのか、眠りたがらない人もいます。
また他にもアンケートをとってみれば、助手席や後ろで寝ていれば「運転者に悪いな」と思ったり「寝ていて事故に合うと恐い」といった印象があるようで、被験者はあまり落ち着いて深化できないようです。
電車のほうが安心感があるのでしょうね。
ですからやはり、被験者がイメージしやすく安全で落ち着いた印象のあるものを利用することが大切でしょう。実生活において、気持ち良く「うたた寝」をするような状況を選ぶ、と考えればいいでしょうか?
バスでも船でも何でもいいのですよ。初期の頃の催眠術のテキストには公園のボートを使った誘導も載せてました。
私が自分のテキストで「電車を使った深化法が効果的」と書いたら、それをそっくりそのまま丸パクリしたマジシャンがいます。
当時は催眠術のテキストそのものが珍しかったですから。私がそれを出した直後に盗んで番組で平気で行い始める神経と、その才能の無さに驚いたものです。某番組でそれを得意げに披露しているのをみてとても驚きました。
普通、アレンジくらいはしますよ? 借りにもプロマジシャンを名乗っているのですから・・・。
手順や話しかけ方、環境設定や言葉まで丸パクリでそのままにする人は珍しいでしょう。
多少なりとも才能やプライドがあったらそんな恥ずかしい行為はやらないでしょうね。これから学ぶ人はそういった「自称プロもどき」にならないように注意しましょう。
そういった状況を考え合わせるならばその人の個性によって、電車や階段のみならずイメージ法は何種類ものバリエーションがあることになります。
ここで紹介する方法に固執する必要はありませんが、最初はここに紹介されるような方法から、徐々に練習を重ねてください。