イメージトレーニング(78ページ)
可倒テストの解説において被験者に対し「後ろに男性が立っている」といったイメージを思い浮かべるように指示しました。
今回は練習のためにそれで動く(身体の反応のある)被験者を選び出しました。このテキストの50ページにおいて「イメージが出来上がっているかどうかの確認が大切で、前後どちらの方向に動くかはあまり関係がない」と解説を加えています。
深化法においてはその「イメージ」が大切になるのです。深化を進めて行く途中で大切なのは、本人(被験者)にわかりやすいイメージをこちら(施術者側)が作ってあげることになります。
後で二種類の深化法(イメージ法)を追加して解説します。それは実際の生活にある状況を、具体的にイメージとして被験者の頭の中に作り上げ、それを利用することで深い催眠状態を作り出そうというものです。
映像や写真を使ってイメージを明確に頭に思い浮かべると考えればわかり易いでしょう。最近はテレビやビデオ、またコミックやマンガ、パソコンなどの影響もあってか、画像で直接見ないとわからないとか、言葉(文章)で作られた内容を、頭でうまく想像できない人が増えています。
特に若年層にそういった人は多くなっていますから、いきなり誘導に入るよりも、事前に「こういったイメージを思い浮かべよう」と話し合っておき、具体的に実際にある階段などを映像や写真などを見せ、練習しておくといいでしょう。
催眠をかける場合は、できるだけ本人のイメージしやすいものを利用してあげることが成功の秘訣です。他者催眠は自己催眠の延長線上にあるといっても過言ではありません。
ですから、ここで被験者の中に明確なイメージができあっていないと、その後の深化がなかなか起こらず、かなり苦労することになります。
私はこのイメージ法(階段のイメージ)を、自己催眠などにも積極的に利用するように薦めています。
暗示の内容を言葉だけで考え、単純に深化(トランス)を引き起こそうと焦るよりもより具体的に頭の中に映像を描きましょう。
全体をビジュアルのように深化法を捉えるほうが、気持ちに余裕が生まれますから、自己催眠などはうまく行くことが多いのです。
今回は階段と電車を用いた誘導方法をここで解説してみましょう。
電車を用いる方法は私のオリジナルで、元々は中級者向けに解説していましたが、今回のテキストでは合わせて説明を行います。