正しい催眠誘導の方法 / 第十四章

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強引に深化させることに私は反対 正しい催眠誘導の方法

一般の人の催眠に対する理解(73ページ)

薬のカプセルこれから催眠を学ぼうとする方にはがっかりする話かも知れませんが・・・。では「催眠を目の前で実演すれば」信頼してもらえるか? といえばそうはありません。

私が実例ですよ。

「催眠」と聞くと反応は二種類に分かれます。変に催眠を崇めてしまい「何でも可能になる」と思い込むケースと「そんな物なんてない!」と根拠もなく否定してしまうケースです。

これは今までに放送されたテレビ番組などの影響もあると思われます。

それらには「催眠」という現象が起きるまでの時間の経過や手順、成功率に関する記述や説明などがなく、なぜ催眠が起こり「どういった利用をされているのか?」などの解説はあまり行われません。

ディレクターは説明しませんからね。そんな時間が無駄だと思っていますし舞台裏だとも考えているので誰にも見せません。業界の人間をまったく信用しないのは一般人よりも彼らの方でしょうね。

他にパクられたり情報が漏れたり、発掘したタレントや企画を奪われることを恐れるので。一部のスタッフしか詳しい手順や被験者の集め方、連絡先も知らないのです。

「催眠ではあんなこともできますし、こんなこともできますよ」といった部分ばかりがクローズアップされます。関係者以外からすれば、本当にそんな人が実在するか怪しい先生の「誘導に成功した」部分のみが強調され放送される事になります。

そういった番組を見たり、催眠に関する知識を聞き齧った人達は「信じる、信じない」といった論争しかしなくなります。確認する方法がないですからね。

手順を省いてしまう分だけ、信じる人は「何だって可能になる」といった錯覚を起こしますし、信じない人は「そんなものは最初からないんだ!」といった誤解を生むのです。

これには私も少々参っています。講演会や実演、番組の収録も含め、催眠を「どう利用するか?」以前に「どうやって信頼してもらうか?」が難しい。

あちこちの団体などで行われている練習会においても、その部分をいかに払拭するか? について、それこそくどいくらいに説明や解説が行われています。

そういった場合にもっとも説得力を持つのは実際に催眠を深化させ、現象が起るのかを見せることでしょう。そう考える人が多いので、実演で無茶をやらせようとする「催眠術師」もいるわけで・・・。

それが結果として強い不信感を招きます。

真面目な人なら現状に嫌気が差して辞めてしまうでしょう。お金目当ての人ならどんどん傲慢な行為に走ったり、不審がる連中を黙らせるために高圧的になったりします。

お弟子さんゾロゾロはその現れでしょうね。一人で言ったら何を言われるかわからないから。失礼な番組関係者だとか、最初から嘘だと罵る芸人に余計な口出しさせないように徒党を組むわけです。

「ここまでで十分だから」と考え、安全性も考慮して浅い催眠に留めると、強い不満を持つ依頼者(テレビ番組も含む)が出てきてしまいます。特に日本においてはそういった傾向が強いですね。

ば風邪薬のような物でしょうか? 「ともかく早く治るように強い薬をください」と患者が求めてきたとします。安静にしていれば治ると考え、副作用のある抗生物質の投与を断ると「この人はヤブ医者だ」と酷評されたりネットに書き込まれることがあるわけで(笑)。

やはり「かかった!」ことを十分に認識させないと理解されません。

本来、催眠とはそういったものではないんですけどね(笑)。

欧米においては流石にそういったことは少なくなったようですが、日本においてはまだまだ正確な知識の浸透が少なく「催眠なんて嘘だ!」とか、反対に「イヤ、何でもできるんだ!」といった極端な話に走りがちです。

催眠に真剣に取り組み、熱心に勉強や練習を重ねた人であればある人ほど一方的な批判とか否定には腹が立ちます。ですからどうしてもムキにもなりがちです。

ましてその人が自分で開業している場合には「実力を証明する」必要性もあるのでしょう。

前述したようにタレントとか芸能人、大物司会者が否定したり悪口を言っただけで。その後の仕事とか生活、施設の維持にも関わってくる。どんな恥を掻かせてもいいから理解させろ、と強弁する著書とかテキストを出したりホームページを持っている方は・・・。

過去によほど嫌な思いをしたんですよ。