正しい催眠誘導の方法 / 第十四章

スポンサーリンク
強引に深化させることに私は反対 正しい催眠誘導の方法

浅い催眠でも効果はある(69ページ)

ヨガただ、ちょっと待ってください。では、常に催眠を深くする必要があるのでしょうか?

実際にはそんなに深い催眠状態がいつでも必要か? といえばそうではありません。

不安から生じる精神的なトラブルやストレスの軽減などは自己催眠や自立神経訓練法などで症状の改善が見込める場合もあり、誰かが介在して何が何でも深化させればいい、というものではないのですね。

催眠に浅く入っている場合、まぶたの下で眼球がクルクルと動いたり、唾を飲み込もうとしたり微妙な動きがあります。これはまだ催眠のかかりが浅く、深いトランス状態に陥っていないことを指します。

このような状態ですと、まだ被験者の意識ははっきりとしており記憶もなくなりません。被験者の中には「私は意識があったから催眠にはかかっていない!」と主張する人も出ますが、この状態でも催眠に「かかっていない」とはいえないのです。

この状態で脳波を計ればα(アルファー)波と呼ばれる波形を描きます。これは寝入りばなに現れる脳波として有名ですが、お坊さんが座禅を組み、心を落ち着かせている時などにも現れます。

普段の生活で、自然にはα波はなかなか出せないのです。

意図的にコントロールするのが難しい。自分がリラックスした状態を指すのですから・・・。

落ち着かせてストレスを軽減させたり、集中力を高めるためにもα波は必要になりますが、それを意図的に行えるようになるにはやはり、自己トレーニングや練習が必要となるのです。

このテキストの8ページでも解説していますが、メディティション(瞑想)や座禅、ヨガやバイオフィードバックなどと呼ばれる手法を用いて、大勢が何を練習しているのか? といえば、この状態を作り出そうとしているのです。

正しい催眠誘導の方法 / 第一章
催眠誘導を行うために (4〜9ページ) 催眠とは何か?(4ページ) 表層意識(7ページ) 「修行」が必要になる?(8ページ) 必要以上に怖がる必要はない(9ページ)

催眠状態にあったにも関わらず、自分では「催眠にはかかっていない!」と主張する人の脳波を調べれば、誘導を行った時にだけ、安静や落ち着きを示す脳波(α波)が出ていることが確認できます。

「私には意識があった!」と言張る人は自分ではずっと「催眠にかかっていない」と主張しますから、「じゃあ、もう一度同じ状態を作ってください」とこちらが求めると、自分では同じ状態(脳波)をなかなか再現できません。これが意外に難しいんですよ。

誰にでも簡単にできるならば座禅や瞑想、ヨガに熱心に取り組む人はいなくなるでしょう。

それでこちらがもう一度誘導を行うとすぐに状態を再現し、脳波はやはり同じような波形を描くのです。

まあ客観的に捉えるならご本人がどう主張しようとも「催眠にかかった」もしくは、外的な働きかけ、施術者の言葉とか手順に反応してリラックス状態が「作り出せている」と考えて間違いないですね。

リラクゼーション用(自律神経の調整や軽い不眠症など)にはここまでで十分なのです。

ここまででかなりの症状の緩和と効果が期待できます。

催眠をかけられる(自分が催眠にかかる)ことに恐怖を感じたり、最後まで自分の意識を手放したくない(心を覗かれたくない)などと考える人も社会にはかなり存在します。全てを深化させ意識を失わせることが求められていると私は思いません。