正しい催眠誘導の方法 / 第十四章

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強引に深化させることに私は反対

催眠術なんて嘘や!と、罵られることもある(71ページ)

涙猫催眠の実演をやってて、テレビ番組などにも時に出演することのあった私がこういったことを主張するのも変な気もするのですが・・・。深化は、無理矢理に行わないでください。

催眠を習い初めの初心者にはよくありがちな勘違いですが、「催眠」とは、被験者の意識を失わせることが目的ではないのです。

「催眠をかける」意味は、催眠を用いることでその人の抱える問題の解決を図ったり、リラックスさせてあげて不安を取り除くことが本来の目的です。ですから、強引に深化させても恐がられるだけになります。

嫌がる被験者を無理矢理に深化させたり、深く催眠をかけよう、と、施術者側が焦った所で良い結果は得られないでしょう。特に初心者の場合はそういった錯覚や誤解を持ちがちで、自分の能力を証明しようととかく強引な方法を用いようとします。

まして催眠の場合、施術者のみではなくかけられる側、つまり被験者の側にも「催眠とは意識を失うものだ」「誰かに操られる!」と思い込んでいる人が多数に上ります。

私と一緒に数ヶ月、ロケをやった芸人さんがいましたが・・・。その方が関西ローカルの番組で「催眠術なんて嘘や!」と公然と罵っているのを見てびっくりしました。

その人にとっては嘘なんでしょう。何度、目の前で見ても信じていません。

番組については「催眠術師のひとりごと」の中で詳細に述べています。

催眠術師のひとりごと / INDEX
催眠術師のひとりごと/もくじ二重表記や誤字脱字、辻褄の合わない部分は直しています。ページ番号は発刊時のものをそのまま使っています。WEBで読みやすくするために縦書きを横書きにしました。各コーナーへリンクが貼ってあります。アイキャッチ画像用に...

本を書いた後からディレクターが別の企画を推してくるようになって。女性の浮気を催眠で暴けとか被験者に無理をさせる内容だったので約束が違うと告げて私は降りました。

その後、別の催眠術師を引っ張ってきて企画をスタートさせましたが、結局は話題にもならず中途半端なままで終了したようです。進行役をやってたのが女性芸人のコンビでした。

私がその人の相方に催眠術でもかけて、全裸で外を走らせれば良かったんでしょうか? 出演者の誰かに深く催眠をかけて、生放送中に浮気とか不倫でも暴けばよかった? 

そこまでやれば、催眠術があることは証明できるでしょう。

タレントや芸人にはやって駄目ってことはないですよね? ロケ先であっただけの一般人相手に「催眠で浮気を暴け」って言ってるわけですから。試せばよかったですか?

タレントや芸能人にやって駄目なことは一般人にもやっては駄目でしょう。それが私の常識。

「催眠をかけてやる!」とばかりに強引な方法を用いたら、周囲に怖がられたり嫌われるようになるでしょう。だからやってません。

そこまでやってしまえば「楽しい催眠術」ではなくなるから。

誰かに無理をさせたり恥を掻かせるくらいなら「催眠術なんて嘘や!」と罵られるほうがよほど気楽ですよ。そんなことをやるために催眠術を覚えたのではないので・・・。

時間の経った今だから話しますが、催眠で無茶をやらされそうになってた番組の女の子や、一般人を気遣って降りた私のほうが、嘘つきで酷い奴ということになるらしいです。

庇ったはずのワンギャル? にも冷たい目で見られました(笑)。

その番組で催眠や私? のことを声高に罵っていたMCのお二人(事務所の先輩後輩です)のご友人や相方がしばらく後に。切り離しや洗脳騒動に遭っているというのは象徴的な気がします。

お一人は私が別の仕事、大阪北新地で働いていた頃に何度か面識のあった方なのですが。親族や友人が面会することも叶わずにそのまま亡くなりになっています。

洗脳被害のベースは心理学や催眠から取り入れられた物が多いので。技術とか応用のテクニックについてきちんと学んでいたら・・・。多少は防止できたのではないでしょうか?

だからこのホームページには初期の頃(1997年)から警告を載せてあるのです。

一方的に罵られた後も私は洗脳についてのコーナーを追記しています。悪口や中傷も全て把握した上で、それでも家族や友人にできる対応策や環境整備の記述を増やしています。

「催眠術なんて嘘や!」「心理学なんて何の役にも立たない!」ならば死人も洗脳被害者も出ませんよ。被害は増えていないでしょうね。

そういったテクニックを真剣に学ぼうとか利用しようとするのは悪意を持った連中だっているのですから。技術が一定数、流出した後に「否定から入る」ことに意味はありません。

「何かを守るためにも」専門知識や勉強は要るのです。

このテキストを読んでいる方も被験者の抵抗があったり、恐怖を感じている、または反応が弱い場合などには取り止めてください。また浮気を暴くとか秘密を話させる、被験者に恥を掻かせるような行為は謹んでください。

進む勇気も必要ですが退く勇気も必要です。

凝視法まで進んだからといって必ず、深化法に進まなければならない、という訳ではないことは知っておいてください。