正しい催眠誘導の方法 / 第十章

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可倒テストと接触法を理解 正しい催眠誘導の方法

パーソナルスペースと接触法(52ページ)

可倒テストと密接に繋がっているのが接触法(パス)です。

私は筋反射においても自然に用いていますが、接触法は上級者が行うとかなり有効な手段となり、ラポールの形成や深化には役立ちます。

倒テストの手順を説明する前に、パーソナルスペースと接触法についての解説を行っておきましょう。本来、中級者以上に必要な知識かも知れませんが、初心者が知っておいても間違いはありませんから。

パーソナルスペースについての記述は私のホームページにも載せてあります。

サイトを開設したごく初期の頃から大切にしている概念ですので、興味がある方は参考にしてください。

パーソナルスペース 心と身体の距離
2018/12/11改訂 1997/06/00初稿 心と身体の距離の不思議 以前に住んでいた場所で戸惑ったことがありました。もうあれから何年経ったでしょうか?  私は大阪に住んでいたことがありまして西成区の近くといえばわかる方...

パーソナルスペースとは他人との距離感を示す言葉であり知識ですが、実はそういった知識は、催眠誘導においても密接な繋がりがあります。

何年も前からそういった知識や内容を掲載して、現在も削除しないのは、それが催眠誘導においても必要な知識であり、良い勉強になるからなのです。

面白いだけの読み物として捉えたり、催眠誘導のためにはあまり重要だと思わない人が多いので、ここで解説を加えておきます。

私のホームページには催眠誘導を行うにあたり本当は重要なポイントや知識がちりばめてあります。世間話のように装っていますから、その重要性にまったく気が付かずわからない人も多いようですが・・・。その意味に気が付き、熱心に勉強される方もいます。  

元の発想はこのテキストと同じで。依頼者が訪れたり直接面談する前に「ラポール」つまり信頼関係を先に結んでおこうと考えました。言葉による暗示や誘導を「ホームページやメールで行えないか?」と考えて作られたものだったからですね。訪れる方はそう考えて読んでください。

日本人は他人とは遠めに距離を置きたがる傾向があります。エレベーターや電車などにおいてもそうですし、パーティなどでも他人との距離がひらきます。

欧米人に比べ、ボディランゲージなどが苦手で「フランクさ(親密さ)が足りない」などと酷評されるのは、そういった日本人の習性や習慣にもよるものです。

自分の手が届く範囲、というのは本来、友人や家族、恋人などに割り当てられるための距離なのです。

いくら親し気に見える欧米人とはいえ、生活習慣が異なり肌の色や身長が違ったり、相手の服装がだらしなかったり、自分に強い不信感を与える人がいきなり近寄ってくると恐怖を感じますし嫌がることも多いでしょう。

欧米でも近年は無差別テロとか自爆テロなども相次いだため、安易に誰かに近づいたりフランクに振る舞う人は減っています。誰とでも簡単に仲良くなれると思っている人はかなり少なくなってるでしょうね。

アメリカがケネディ時代から続けてきた「聴衆の面前に立つ」「一般人と握手する」ことも取り止めている候補者や政治家がいます。勇気や胆力を示したりフランクさを演出するより、狙撃や見えないテロから身を守ることを優先するようになった証明でしょう。

近寄って欲しくない人(会社の上司なども含む)とは一定の距離をおいて付合いたいと願い、心と身体が無意識に反応するのがパーソナルスペースなのです。

冷静に考えてみれば理由は簡単なんですが、自分に近い距離、つまり自分も相手もお互いに「触ることができる距離」というのは、相手との親密さを現わす距離であると同時に、相手が危害を加えようと思えばそれも可能になる距離になってしまいます。

「互いに触れ合える距離」に入り、見知らぬ相手が「自分に危害を加える可能性のある範囲」に入ってもらう、という行為には勇気が必要になります。

危険と隣り合わせになりますし、どんな人でもへっちゃらだという人は少数でしょう。そこでは「無意識に」よる取捨選択が行われています。

最初から近付くことのできる対象は限られてくるのです。

ここまで読み進んできた方で勘の鋭い方ならばハッとするかも知れません。

ラポール(信頼感)はパーソナルスペースと密接な繋がりを持っています。相手(被験者や対象者)と接触(パス)できる距離に入ることは、相手との繋がりや信頼感を強化することになるのです。

こう書くとまた誤解する人が出ますから釘を刺しておきますが、だからといって無理に被験者に近付くと不信がられたり、嫌がられることになります。パスは有効な手法ですが用い方を誤れば逆効果です。

パーソナルスペースやパス(接触法)の話を私がWebやテキストで公開してからモノマネする人も増えました。このテキストを購入した人だけでも1000人以上はいますから。有名芸人のコラムとか大手新聞社にまでパクられてびっくりしたことがあります。

パーソナルスペースの話を丸呑みにして、自分が気に入った異性の側に近寄ってベタベタ触ったとしましょう。その恋は確実に成就しますか? はっきりいえばその程度の手法なら接客に慣れたホステスとかホスト、デート商法で高額な商品を売りつけようとする人なら恒常的にやってますよ?

男性にも女性にもお聞きしますが。好みでもない相手から親しげに話しかけれたり一日中、側にいられたり身体を触られたら好意を持ちますか? むしろ反対では? 最初はそこまでではなかった人でも大嫌いになります。

ですから、上手に用いる必要があります。