正しい催眠誘導の方法 / 第十章

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可倒テストと接触法を理解

練習相手が探し易い「可倒テスト」(50ページ)

ちなみにですが、私は家族や親族に催眠をかけたり練習相手にしたことがありません。理由については「催眠術のひとりごと」に書いています。

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催眠術師のひとりごと/もくじ二重表記や誤字脱字、辻褄の合わない部分は直しています。ページ番号は発刊時のものをそのまま使っています。WEBで読みやすくするために縦書きを横書きにしました。各コーナーへリンクが貼ってあります。アイキャッチ画像用に...

どうしても矛先が鈍るので。付き合っている人にかけようとしても失敗しますね(笑)。おそらくですが内側を覗きたくないのでしょう。私に何か隠していることがあるとわかる人もいましたので・・・。

私個人の感覚としては、少なくとも催眠の練習相手に家族や恋人はふさわしくありません。

お互いに遠慮があったり親しい関係であるが故に、心理的な抵抗も強くなるからですよ。

親しい関係で家族や恋人だからこそ何かを知ってしまえば取り返しがつかなくなります。かかったとしても施術者によほどの自制心が必要になりますし、家庭不和やトラブルの原因となるでしょう。

指のくっつき反応や可倒テストでは素晴らしい動作をしてくれるのに、いざ進化させようとかテレビ番組で見たようなことをやってみようと思うとうまくいきません。

それは頭で理解しているだけでね。相手の心まで届いてないからですね。

ご家族だと事前の反応やテスト結果だけはいいので、そのまま誘導に入ります。失敗すれば自分のせいでうまくいかないと勘違いしています。初心者なら自信とやる気を失います。

できれば「ご家族や恋人以外で」何人か、被験者を集めて練習してください。

先入観を捨て、被験者の見せる「見せ掛けの反応」に囚われないように注意してください。

催眠を覚えたいと考える人が、被験者や協力者を探していると「恐いから嫌だ!」といわれることが多々あります。

催眠については未だに誤解や偏見は多いですからね。ところが、そういった反応をする人であっても、なぜか可倒テストならばOKだったりもします(笑)。

可倒テストは意識を失う訳ではありませんから恐怖感は少なく、初心者にも練習相手が確保し易いといったメリットがあります。ですから、できるだけ多くの知人、友人にお願いして練習を重ねてください。

可倒テストは本格的な誘導に入る前の有効な練習方法になります。

これを軽く考えてしまう方もいらっしゃるようですが。ショー催眠とか番組出演では、この可倒テストを上手に行いない人だとまず実演には失敗すると考えていいでしょう。

極論でいえば「可倒テスト」の数をこなすだけで催眠の下準備、重要な部分は習得できると言えます。