要するにブログ用の「サーバーに置く」ツール
私のホームページ(サイト)も丸ごと、WordPress(ワード・プレスと読みます)に移行しました。
これがまた大変で・・・。テンプレート(テーマ)の修正やヘッダ画像の作成、それぞれのコーナーごとにh要素(見出し用)の画像を作ったり書いたりするだけでも膨大な時間がかかりました。
WordPressに関する説明はあちこちにあります。
公式サイト等を参考になさってください。
まあ、文系である私がわかりやすく解説するならばブログのための「フリーウェア」ってことですな(笑)。ざっくりとし過ぎですか?
ブログをスタートさせようと思えば一般的には二種類しかありません。
- フリーでとかオープンソースで開発されているソフトウェアを用いる
- 大手プロバイダとかサーバーで用意されているブログツールを用いる
の二つです。
ブログのソフトウェアはだいたいはPHPと呼ばれる言語というか、プログラムも使用しています。そのPHPによって書かれているオープンソース(開発に必要な内部を公開しているもの)で、使用料が無料なのがWordPressということになりますね。
WordPressとMovableTypeが主要なPHP使用のソフトウェアですが、海外ではWordPressのシェアが圧倒しています。MovableTypeが戦略ミスでユーザーにいきなり課金したために反感を買って、雪崩を打ってWordPressに乗り換えたと言われています。
導入に最低限、必要なもの
データベースが要ります(笑)。My SQLと呼ばれるもの。
最近のレンタルサーバーには備え付けられているケースが増えています。フリースペース(無料)では導入している所は少ない。
代わりに共有データベースで、ブログを立ち上げるようになっているかと思います。
SUN Micro System(サン・マイクロシステム)によるとMy SQLは「世界でもっとも普及している、オープンソース、データベース」だそうです。
何のことだかわからない人は、プロバイダに問い合わせしてください。
私の使っているプロバイダだとこんな感じ。写真を貼っておきます。
このオープンソースって所が味噌。MovableTypeも一応、オープンソースになっているんですが、サーバーが課金されてしまったり。MovableTypeの「戦略ミス」ってのは課金したことではなく、途中で大きく儲けようとユーザー数を限定したことのようですね。
サーバーごとの課金ではなく利用者数(ユーザー)に合わせて課金してしまえば、利益は膨大なものになります。
ところが、サーバー側からすればたまりませんよ。金額は微々たるものかもしれないですが利用者数が膨大になっていればその負担は計り知れません。
古いバージョンとか個人利用は無料なんですが、アフィリエイトやってたり私のようにテキストなどの販売をやってると有料になってしまったり。結局はプロバイダがユーザーに個別にデータベース使用料を求めることになります。
あまりに不評だったようで2009年7月に撤廃されました。ユーザー数の限定、ユーザーごとの課金を行ったのはたった数年だったのですが、その間に海外ではWordPressに移行した人がかなり増えてしまったようですね。
WordPressのほうが動作は若干、遅いです。動的ページ、つまり「誰かが見に来た時点でページを書き出す」方式なので・・・。
ですが基本的に全てが無料です。プロバイダ(自分のレンタルスペース)にMy SQLの用意があるならば、導入を検討してみるのもいいと思いますよ。
参加者の数やカスタマイズの問題
フリーのブログツールって別にWordPressだけではござんせんよ。国内、国外も含めて無数にあります。
ただし、ある一定のシェアを占めないと困ることがある。内部で用いる「テーマ」(テンプレート、外形)とかプラグインの開発は多くが参加しているサイトとかコミュニティ、一定数よりも参加者がいる状況でないとなかなか進まないのです。
海外でWordPressの利用者が増えるということは、必然的に日本国内でも利用者が増えることになります。WordPressのために開発されたり最適化されたプラグインやテーマが「多数、出回る」ことになりますので・・・。
海外のソフトやプラグインを翻訳とか日本語化して使うのはなかなか難しい。ですが、だからといってどこかの会社が開発した有料のソフトを導入するとか、無名のブログツールを用いるのも勇気が要ります。
何より、MovableTypeのように急にサーバーに課金されたり、開発が止まったり倒産するのも困るわけですね。
と考えると苦労しながらでも「WordPressで行こう!」と考える人達も出る訳で・・・。私もそういった選択、判断をした一人でしょう。
大手プロバイダとか無料で用意されているブログスペースを使うのがもっとも手間がかかりません。メンテナンスも楽ですし、一々カスタマイズで悩む必要がない。なので本来はそうすべきでしょうね。
ただし、「明確な意図を持って」ブログとかサイト運営や構築を行いたい場合には不利になります。横幅一つとっても自分では変えられなくなりますから(笑)。
お仕着せのサイトでは私のように過去のコンテンツを膨大に流し込みたいとか「ブログメインじゃなく、固定ページも設置したい!」「将来的にはショッピングカートを!」って人には難しくなるでしょう。
中小企業の会社案内とか商品紹介などにもブログだけだとわかりにくくなるんですよね。
プロバイダで用意されているブログツールだと自由度は少ない。かわりに安全度が増して手間がかからないのがメリット。
デザインとか凝った内容、変わった動作をするプラグインなどは一切、使えなくなります。せいぜいタイトルの画像を差し替える程度です。
ちょうど、中間点がWordPressかな?
結果として他のサイトとの差別化が難しくなるんですよ。私もそうですが、だいたいの人は一からPHPのプログラムを「一から自分で書く」ほどのスキルはない。
ただしHTMLやスタイルシートについての知識は「多少はある」でしょう。そういった人にとっては手間がかかってもWordPressの導入はメリットがあります。
独自ドメインをとって運営をやっていたり、企業サイトの運営や構築を「ブログで」やってくれと頼まれた人などが徐々にWordPressに参加するようになっています。
全部を自分で書いたり作ったりするプログラマではない。かといってお仕着せのどこにでもあるサイトとかプロバイダから借りてるスペースだとはバレたくないとか使いたくないとか、「ちょっと変わった事も行いたい」などと望むと選択肢が狭まります。
プロバイダが用意しているフリースペースやブログツールと、自分でプログラムを書く人とのちょうど中間が「WordPress」って所でしょうかね?
もっともそのプロバイダが提供しているブログツール(中身)がWordPressだったりもしますが・・・。
一から開発すると異様に費用は時間がかかるでしょ? なので内部は無料のWordPressにしておいて顧客から要望の多い機能だけを付けて、他はそのまま。
会員が勝手にカスタマイズしてトラブルにならないように止めて「実際にはWordPressを」公開していたり、利用させているプロバイダも現実にありますよ。
メリットは「ともかく安い」こと。基本的にはタダですから。
デメリットは「手間がかかる」こと。どこかのプロバイダに参加してそこのお仕着せを使っているなら文句言うだけで済むんですけどね。動作確認やカスタマイズは全て自分で行う必要が出てきます。設定ミスでメールが届かないとか保存データーが消えた場合も全て自己責任になります。
時間を惜しむならプロバイダやサーバーに付属の「お仕着せ」を使うことです。トラブルは少ないですから・・・。内容とか中身で勝負すればいい。ただし、外見は似通ります。HTMLで書かれたこれまで通りのサイト構築よりもどうしても自由度が狭まるのです。
プログラムの開発者ではなく、かといって自由度のないお仕着せを利用するのでもなく、多少、手間や時間がかかっても「自分でカスタマイズやりたい」って人が使うのがWordPressになります。
優秀なプラグインもたくさんある
大手企業のサイトでもPHPで書かれたプラグインを使用しているものがあります。特にFLV(動画)を再生するためのプラグインはそういった傾向が強いです。
Yahoo!の動画配信が、今回から私が採用したものと同等のものを利用していたり。これが無料とは思えないぐらいによく出来てるんですよ。ボタンをクリックするとフルスクリーン表示に出来ます。テキストの紹介用動画に用いています。
こういうものを自分で作ろうとか誰かに頼もうと思うとなかなか大変です。
そういう特殊なものとか、他と多少違ったことをしようと思うとどなたかが開発してくださったツールに頼るしか無くなりますね。自身が開発とか全てを書くってのは不可能に近いですから。
人にはそれぞれ異なった能力があります。凄い技術者で優秀な開発者が「巧いキャッチコピーを書ける」とか「長い文章を組み立てて上手に相手に伝えられる」かどうかはまた、別のお話。
普通は全てが備わっている人はいません。
ゲーム開発などでもそうでしょ? ストーリー展開やキャラクターを考える部門と内部のプログラムを動かす部門は同じではないと思います。細分化してそれぞれに責任者を置きますが、最終的に一本化したりまとめるためのプロデューサーなどが必要になります。
そう考えればサイト全体が重たくなってしまったり、徐々に高機能化している現代においてWordPressは「ベストとか一番ではないにしても」「ベターな」感覚には近づきます。
導入は本体のみにしておいて、自分が必要だと思う機能を徐々に強化して追加してゆくことが可能なシステムになっていますから・・・。最初から全部が備わっているわけではないのでそれなりに手間はかかりますが、必要な機能だけつぎ足せるのです。
それのメインになるものがプラグインと呼ばれる方式、システムです。
最近になってGyaO(有線が行っている無料動画の放送)も方針を転換しました。
次々に発売、開発されるOSに一つずつ対応するのは無理なので、マクロメディアFLASH(Adobeシステムが買収)を使った配信に変わったんです。FLASHを用いるならMacでも同じように動作します。
OSに依存しないので、ブラウザソフトが動くなら対応は可能なんですよ。それが私がWordPressを導入しようと思うようになった決め手でもあります。
リニューアル後、私のサイトで用いるようになったプラグインの紹介についてはまた違う機会に紹介します。
2009年12月28日
谷口信行