三宅君、ドッキリかと悩む?

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部屋が近すぎて?

今回はシュチェーションにこだわってみました

見てみないとわからないモンですねー。自分も収録には参加していた癖に、番組を見て爆笑してしまいました・・・。

三宅クン、異様に女装が似合うね(笑)。今回は服装のコーディネートにもこだわったので、被験者の彼女とよく似てたでしょ?? 同じトレーナーとマフラーをしていました。

今回の被験者は男の子でしたから、比較的ロケは楽だったように感じます。

ただ、お姉さん2人とお母さんが息子さん(今回の被験者の男の子)を、ものすごーく可愛がっていましたから、近くで色々と文句を言うんですよ。目の中入れても痛くないってのはああいうのを言うんでしょうか? あそこまで弟とか息子を可愛がる家庭もちょっと珍しい。

女性陣が間近でずっと見ていますから少々やりにくかったです(笑)。

公園のシーンでは途中、雨が振ってきたので中断しました。被験者の集中力がきちんと続くかなーと、心配したんですが私の杞憂(気のせい)だったようですね。

反応そのものははっきりと現れました。

ディレクターは冒頭のシーンでサイフからお金(葉っぱ)をとりだし、地面において「お金が落ちてる!」などとやろうと思ったらしいんですが、流石にマズイと感じて取り止めたらしい・・・。

まあ、そりゃそうでしょうね。落ちてるお金を拾ってそのままだったらネコババですから。イメージとしてあまりよくありません。それで森田君が「直接、お小遣いをあげる」形になりました。

その葉っぱを受け取るのでも、彼は遠慮していました。

森田君が「コレやるよ、受け取れよ」とお金(実は葉っぱ)を差し出すのですが、それが一万円札に見えている彼や友達はなかなか受け取りません。「いや、いいですよ」と言って遠慮します。受け取らないことには収録が進まない。半ば強引に手の中に押し付けることになってしまいました。

その葉っぱを各自が「いいんですか?」と言って財布に仕舞います。

実は今回のメインの彼、折畳みのサイフを持ってたんですよ。お財布を折ると葉っぱがパリパリと乾いた音をたてました。放送ではカットされましたが実際には自分のズボンの後ろのポケットに入れたんですよ。その状態で椅子に座るもんですから、財布がいっそう大きな音をたてます。

ポケットに入れたサイフから音がするたびに、被験者の彼が「アレ?」と不思議そうに言います。それを見ていた森田君がゲラゲラと笑うんです。

(森田、頼むからそれ以上笑うな・・・)

私は内心拝むような気持ちでいっぱいでした。

なぜ、うまくなったんだ!?

いつ目が覚めるかよりいつ財布を覗き込むかが怖かった。財布の中を覗き込めば葉っぱは粉々になっています。元は一万円札でも葉っぱに戻るか、良くて細切れになったお札に見えると思います。

用意した葉っぱが乾燥してたんですよ。

そうなればその後に控えている本番の誘導がうまくいかなくなる可能性があります。だから早めにこのシーンを切り上げて欲しいのに森田君がひっぱるんですよ。

被験者の彼が財布が「パキッ」「パキッッ」と言うたびに、何度も「アレッ?」「アレッ?」と不思議そうに言うモンで余計におかしかったらしい。

そういった細かい部分、冒頭のシーンの多くはいつものようにバッサリ、カットされました。

もう一人の被験者(テスト催眠時の参加者、彼の同級生)も、最初まったく催眠を信じていなかった人なんですよ。現地でたまたま友人の出る番組の収録を見にきて、私(達)に捕まった、と。

果たしてそれは運がいいのか悪いのか・・・。他にも何人かいたので、まとめてテストは行ったんですが、反応が悪かった他の人については取り止めました。

久しぶりの収録で間が空いていたにも関わらず、なぜか、森田君の催眠の腕が上がっていた・・・。言葉や誘導の方法は暗記してきていました。事前に車の中で要点を書きとめたものを読み返してくれていたようです。ちょっと驚くと共にやっぱり嬉しかったりなんかして(笑)。

私からすると本当の弟子みたいなモンなんですよ。たかがバラエティといえばバラエティですし、私としても収録に参加して仕事上で知り合った関係に過ぎません。にも関わらず、変に感情移入してしまうのはおかしなモンですねー。

彼が上達した所で私が得るものなど何もないんですが(笑)。かえって仕事が減る可能性もアリ。それでも嬉しいのが技術者、職人側の感覚です。せっかく教えるのなら何かを手にして欲しい。

収録の最中、森田君の握手を求めたのは、本気でうまくなったと思ったからです。

リーディング、つまり「読む」能力

ドキュメント テキスト アイコン森田君は筋は悪くないと思います。面白い感覚を持っている。

最初のこのコーナーの開始の頃にも書いていますが、「やってると疲れる」ってことを感覚的に知ってることが重要です。他とは違う疲れ方だ、と彼が表現していること、収録の合間にみせる会話に「やっぱ恐ぇー・・・」と言う言葉が何度かありましたが、それを察知できることが彼の長所です。

疲れるってのは集中力が高いことを示しています。被験者をみて身体や表情から発する情報を拾おうとしているから疲れる。ただ何となく手順を追っているだけの人は上達しませんし、疲れたりもしませんよ(笑)。

私が収録後や講演(公演も含む)のあと、立ち上がることもできなくなるほど疲れるのはただ単にしゃべくっているからではありません。要するに被験者の反応を読み表情を常に追っているから。

繰り返しておきますが、催眠は「読む」技術です。いわゆるリーディング能力にかかってくる。当然、かかり始めにみせる表情がありますし明確な特徴がある。

その一瞬を捉えるために集中力を必要とするのです。

私も彼も仕事といえばお仕事ですが、それでも自分で予習復習をしようと考えるだけ偉いですよ。

お金払って練習会に参加するのにテキストすらきちんと読んでない、手順すらまったく覚えていないでやって来る人も結構いるんですから。

読む能力は半分は才能です。育つ環境で身に付くものかもしれません。相手の表情を読む「感覚の鋭さ」は、育つ家庭で触れ合った人達や環境に左右されます。

(これは著書でも触れましたが)私は離婚した家庭で育ち、両親との板挟みで育っていますから。やはりそういった環境がリーディング能力を高めた可能性は否定できません。

あとの半分は努力。自分で感覚を鋭敏にして読み取る練習をすること。相手を「操ろう」とする前に相手を知るための努力、一瞬に見せる表情や反射を見逃さないことです。

それができるようになれば上手くなります。

押し付けるのではなく説明すること

催眠を学んで身に付く人の特徴の一つに「臆病さ」いわゆる敏感さがあります。

時折、勘違いする例があって苦笑いしますが、ごう慢で高圧的な人が「俺は素晴らしい催眠術師だ!」みたいな発言を繰り返してて笑ってしまいます。

そういった人は例外なく誘導が下手です。喩えるならセールスや営業だと思えばいいでしょう。商品の利点ばかりをしゃべってともかく「売ろう!」という姿勢が目立つ人は、たいていにおいて際立った成績をあげることができません。

あがるとしても一瞬のことだけです。瞬間風速に過ぎないんですよ。

理由は簡単で押しつけがましいから(笑)。少し前の商売はそれでも成り立ちました。ところが今はクーリングオフもある。強引に売っても商品は返ってきます。まして返品OKを売りにしている百貨店や高級ブランドショップなどではその手は使えない。

結果として上得意客を怒らせるだけですよ(笑)。競合他社もたくさんあるでしょう。詐欺商法じゃあるまいし強引に押し付けるだけではどうしようもない。結局は顧客を説得し納得させる作業がどうしても必要になります。

要するに大切なのは説明なんです。

お客さんを見下ろして「売りたい商品を押し付けるだけ」の店員や営業マンが信用されると思いますか?

繰り返し繰り返し粘り強く説得する作業、誠意を持って説明する姿勢、商品に対する理解や専門知識こそが今は「商品を売る」のです。

テキストをお持ちの方は参照して欲しいですが、催眠の基礎は「ラポール=信頼感」なんですよ。そこの部分を曲解して「これは素晴らしい商品なんだ!」「私が奨める商品なんだから間違いない!」とやってしまっても信頼感は増しません。

誘導が上手になる人はどちらかといえば臆病で繊細な部分を持つ人です。他人の顔色を伺ったり読むのが上手い人。いわゆる他人の動向や表情に敏感な人で、相手の感情が読める人。

もう一つ大切なのは「逃げない人」です。相反するようですが、それが重要なポイント。

相手の反応や心情も敏感に感じ取りながらそれでも、自分の表情や感情を押さえて「逃げ出さない」こと。臆病で敏感でありながら「勇気」や「度胸」が座っていることが大切です。

セールスマンや営業マンがトラブルから逃げ回って食えますか? クレームなんてのは数多く売ってりゃそのうち大きなのにも当たりますよ(笑)。相手に「納得して貰えるまで説明」を繰り返すのです。やがてその姿勢が信頼感へと繋がってゆきます。

これはどんな商売においても必要な資質です。それが催眠誘導を上手に行う人にも必要な資質です。

今回も難しい部分があった

いつもはウォッチングの部屋(被験者の様子を見る所)が遠くにあります。二階と一階に別けるとか、同じ階でも離れた部屋に「見る場所」を押さえることになります。

ケーブルかトランスミッター(電波)で映像を飛ばしますから極端に遠すぎても物理的に困りますが、だからといって近すぎても困るんですよ。

こちらで何が行われているか、雰囲気とか音で被験者に伝わってしまいますから。

通常は被験者の場所から一部屋空けるか、上下(二階と一階)に分けます。スタッフ(音声さんやカメラマン、ディレクター他、エトセトラ)や森田君、私やご家族はすし詰めになってウォッチングの部屋に集まっています。

ただね、今回は初のマンションでの収録だったんですよ。それも2LDKのマンションですからいつものような空きスペースがありません。お隣を借りる訳にもいきませんし上下も無理です。どこをどうやってもリビングにウォッチング部屋を設置するしか方法がないのです。

私の座り位置では頭が玄関から見えそうになります(笑)。それで収録中、私が何度も頭を下げているんですよ。リビングは玄関からストレートに見える位置にあるんですが、途中にカウンターテーブルがあるので、ギリギリセーフってトコですか?

ディレクターに「上手に避けて下さい」と言われました。

避けろったってあーた・・・。スタッフ含めて大勢入り込み過ぎて狭いんですから・・・。そんなに簡単ではない。

彼が帰ってくると、スタッフも私も、彼から見えないような位置に頭を下げたり、隣の部屋に身体をかわしたりと大変です。

音が筒抜けでした(笑)

スピーカー アイコン前回の更新で、「共演者(今回は三宅君)が異様に緊張する」と書きました。

今回もそうだったらしい。ただし、いつもとは逆のパターンです。

いつもはウオッチングの部屋が遠いんです。周囲の音は何も聞こえませんから、こちらの部屋(私や、森田君、ご家族)がどのような反応をしているのかわかりません。

被験者に質問したり何かを聞きだす側(今回は三宅君)からすれば、「これで面白いのかどうか?」がわからない、という欠点があります。

ところが今回は部屋は異様に近い。すると、何かを三宅君が行うたびに私や森田君、スタッフや被験者のお姉さん達がウオッチング部屋でそれこそ「どっかんどっかん」笑っているのです。

それが隣(三宅君と彼のいる部屋)に聞こえてたんですよ。(笑)。

実際には、催眠に深くかかっているご本人は「自分のことで皆が笑っている」とは思わないのです。テレビか何かを見ていて笑っていると受け取るか、まったく意に介しません。

ですが、参加している三宅君からすれば「こんなに他の連中が大声で騒ぎ、スタッフが大笑いしているのが聞こえたら、催眠が解けるんじゃないか?」と、思ったらしい。

これも三宅君に言われるまで気がつきませんでしたね。私にしても森田君やスタッフにしても、音がそこまで筒抜けで漏れてるとは思っていませんから、「普通だ」と思い込んでいました。

これは「ドッキリ」!?

全部の収録が終わって着替えを終え、車に乗り込んだ三宅君が車のウィンドウ越しに残した言葉があります。

「俺、これはもしかしてすごーく手の込んだドッキリかと思った」

あまりにも「どっかん、どっかん」(これも三宅君の言葉の通りです)周囲が笑っているのに、催眠が「解けない」ってことは、実際にはドッキリを仕掛けられていて自分が「騙されているんじゃないか?」と考えたらしい(笑)。

凄い感覚ですね(笑)。そんなこと誰も思いつかないってば・・・。

三宅君は「なんで、こんなに周囲が大騒ぎしているのに解けないんだろ?」って不思議に思った、と言ってました。だから「俺が騙されたのか?」と思った、と。

いくらなんでもそこまで手の込んだドッキリはないでしょう。いつもとは違う部屋割りでしたから、そういった勘違いも起こった訳です。

いやー、なかなか、面白かったです。私も色々と勉強になりました。

まだ未定です

学校へ行こう、のロケに関しては今後がまだ決まっていません。

このまま終わりかも知れませんし、今後もあるかも知れない。番組改編の時期ですし、収録の予定っていうのは、完全に決まるまでははっきりしませんから。

ま、依頼があってから考えますよ。

V6のファンの皆さんは、面白いシーンがたくさん見れて良かったですね。

また機会があればお会いしましょう。

PS.放送中、催眠のシーンを見て渡辺満里奈ちゃんが恐そうに驚く顔に、なぜかショックを受ける私でした(笑)。

※このコーナーの掲載は出演当時に番組関係者から許可を得た上で行っています。関係者各位の寛大な対応、ご好意に感謝します。内容の転載、流用を固く禁じます。

サイトのリニューアルで読みやすくするため一部加筆修正しています。 

2001年02月06日 初稿

2009年12月19日 加筆、修正

谷口信行

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