収録や取材などに参加すると面白い
私は番組の収録とか雑誌の取材等でも相当な数の人達に催眠をかけました。これがまあ、よくかかったと思います。職業柄、頭の回転が早くイメージを描きやすいのかもしれないですね。
タレントさんやディレクター、プロデューサーに「素直で単純で馬鹿な人」「素直な人」が大勢いますか?
いないと思いますよ(笑)。どちらかというと拗ねてる人というか、スレてる人のほうが圧倒的に多いでしょう。
素直で単純で真面目な人? そんな人いましたかね? 私はそんな素敵な人たちが番組関係者やマスコミ関係者、タレントさんにいるならばぜひ会ってみたいと思います。
どちらかというと擦れてて二枚舌で嘘つきばっかりですよ(笑)。
タレントさんとか芸人さんには、確かに表面上、そういった演技を行う人はいますよ?
馬鹿だとか単純だと思い込んでくれていれば、相手の懐に入り込みやすく警戒されにくくなりますから。情報を引き出すにはそう振る舞ったほうがいいでしょう。
女性アイドルも含めて、世間知らずで何もわからないふりをするというのは意外と効果的なんです。
プライドが邪魔してつい高圧的になったり、肩書きや背景をちらつかせる人のほうが圧倒的に多いですけどね。威圧して相手を萎縮させようとか言いなりにさせようとするほうが精神的には楽なんです。
私がロケ中や取材中、自分よりも一回りも年下の人間に敬語を使うのは。何も自分が格下だとか相手に媚を売っているわけではありません。
接客業や営業が長かったですから。これは長年の生活で身についた習慣のようなものです。相手から情報を引き出すためにはそのほうが都合がいいからでしょうね。
おそらく、私は喧嘩が弱いとか論戦が弱いわけではないですよ? 知らないフリや解ってないフリ、気付かないフリや弱者を装うほうが、相手から拾える情報が増えるのです。
雑誌の取材で催眠をかけに行った時にも、著名な漫画家がいました(笑)。もちろん、こちらが呼んだわけでも雑誌社から要請されてやって来たわけでもないですよ?
予定になかった人ですが、どこかから催眠術の取材があると聞きつけたのか勝手についてきちゃった。
番組等でコメンテーターやご意見番風のことをやっていました。
おそらくですが「催眠術なんて信じない」「私がインチキを解き明かしてやろう!」くらいの鼻息でやってきたんだと思います(笑)。
参加スタッフや他の作家が自分の目の前で催眠にかかるのをみて、非常に驚いていました。
興味津々で否定する気でやってきたのだと思うのですが。次々に知人とか雑誌社の関係者がかかるのを見ると怖くなったのか、
私に催眠をかけて!
とは一言もいいませんでしたね(笑)。
見たこともない、経験したこともないのにその漫画家、コメンテーターの方も「催眠術なんて嘘だ」と思っていたことになりますね。だから、実際に見てとても驚くことになる。
そういった人に限って危機意識が薄いのです。理由もなく自分の勘、判断力を信じているから。
そういう人は家族や仲間、友人が詐欺にあったりカルトに取り込まれた時にも気付かないでしょうね。
残念なことに私と一緒に番組出演していた女性芸人やタレント、スタッフさんにもこのタイプの人がいました。
すでに家族や友人から隔離されて知らない間に全財産を譲ったことにされてお亡くなりになっていたり、カルト系やいかがわしい占い師に取り込まれて帰ってこなくなった人もいらっしゃいます。
本来なら知らない技術を無闇に否定するのではなく、確認して知識として蓄えておくべきなのです。
その有名な漫画家というかコメンテーターも、あちこちの番組では断定的な物言いをしていました(笑)。正直、私個人としては苦手なタイプ。
事実関係や内容を確認していないのに「そうに違いない」と言い張る人は話し合いに応じなかったり自分の意見を一方的に押し付ける人が多いので・・・。思い込みが強い人とは会話が成立しません。
忠告とか警告は、相手が「聞く耳」を持っていないと意味がなくなるのです。
心理学、催眠を学ぶなら偏見を持ってはならない
私はその方に気づいていなかったわけではなくて。正体とか素性、魂胆にある程度は気づいた上で目の前で実演をしてみせたのです。
見せなきゃわかりませんから(笑)。
この女性の漫画家さんはマシなんですよ。目の前で現実を見せられたら素直に受け入れて驚いていたのですから・・・。
最後はお辞儀をして
いい体験をさせてもらいました。
と、丁寧にお礼を言って帰られました。
これも収録中に何度も経験して驚いたのですが。目の前で一般の被験者、何の仕込みもない相手が催眠に次々にかかるのを見ても信用しない人達がいます。
一緒にコーナーを担当していたタレントにもいましたし。収録に参加している筈のスタッフにもいる。
節穴というかなんというか・・・。あんた達は目の前で何が起こっているかもわからないのか? と少々呆れたのを覚えています。
きっと「私はかかってないからインチキなんだ!」と言い張るのでしょうね。
後にその芸人さんが別の番組に出演して催眠術なんて嘘でインチキだと大声で言い張ってるのをみて驚愕しましたよ。洗脳問題と催眠はかなり親しい間柄であり知識や技術は重複するのですが・・・。
警告しても意味はない。そんなこともよくあります。
私の番組の収録や取材への参加、講演(公演を含む)には二つの側面があります。
1.カウンセリング施設の宣伝、タレント化してのお金儲け
2.被験者、参加者を集めてのデータ収集
お金儲けとか知名度、商売として何かを得る目的も確かにあるのですが、私としてはもう一つの側面のほうが大切でした。
そういったものに参加すれば、多くの人達と触れて多くの情報を得る、つまり被験者を一気に得る事が出来てデーター収集が容易です。
大勢に触れ合える分だけ、反応を読むこともできるのです。
番組収録ならランダムに人集めができます。コギャル(?)風の若い人からヤンキー風の若いお兄ちゃん、年配の男性や果てはテレビ番組の世界で成功している人まで、様々な人達に触れ合う機会が得られるんですよ。
これはなかなかの好条件で。催眠術師? としては抗いがたい魅力がありますよ?
臨床をやっている方なら私の気持ちは理解できると思います。大学の研究室でもない限りランダムに被験者集めをやって触れることのできる機会なんてありませんから。
放送で使われるのは一瞬で数人でしょう。ただし現場で被験者集めやアンケート収集(アンケートも私が自分でやってました)に参加する人は大勢います。
一回の収録で数十人から数百人までのデータを一気に集めることが出来ます。
そこには老若男女、様々な職業と年齢層があり、しかもタレントとか普段の生活では触れることのない人たちまで含まれています。
散々に苦労し、嫌な思いも重ねながらそういったものに参加したのは、自らのスキルを高め、情報を大量に得る意味合いが強かったと思います。
人は様々だし「ぱっと見だけ」ではわからない
馬鹿な人が催眠にかかる、単純だからかかるんだ、は単なる偏見です。
馬鹿なフリを上手に演じる人が本当に馬鹿な訳ないでしょう(笑)。面白さを求め、仕事としてそう演じている人はいます。
相手を見た目の印象やキャラクターだけでそう捉え、思い込んでしまうのは愚かな人のやることです。少なくとも、催眠をこれから学ぼうとか心理学を自分の商売に活かしたい人は固定観念を捨ててください。
そういった知識(心理学やマーケティング)を取り入れてこれから頑張ろうと思っている人に頑な(かたくな)な感覚は必要ありません。
芸能関係者のみならず、テレビ関係者や弁護士、医師や検察官も催眠にはかかりますよ? というか、私には実際にかけた経験があります。官僚とか、自衛官もあります。
驚くほど高学歴で知識レベルや地位の高い人でも誘導は可能です。
もっともかける側、すなわち施術者側が「ビビらなければ」という前提付きですが(笑)。
雰囲気に飲まれれば必ず失敗します。
いわゆる「危ない職業の人」にでも誘導はできますよ? このホームページにも何度かその手の話が出てきていますが、私はヤクザ系で地位の高い方にも催眠誘導を成功させたことがあります。
私が実際、「素直でも馬鹿でも単純でもない人の誘導に成功してきた事実」は、一部の漫画や書籍で書かれるイメージ、催眠には馬鹿で単純な者がかかるなどの知識が間違っていることを指し示します。
催眠に関しての正しい知識が浸透するようになれば、そういった間違いや錯覚、勘違いに気が付くようになるでしょうし、漫画や書籍で描かれる姿も変わることでしょう。
この仕事を始めてからは本当に人を見る目が変わりました。
人の本質なんて外見からはわかりませんよ? 様々な方が相談に訪れましたが驚くような地位がある方とか知名度がある人だっています。
以前から接客業や飲食店の運営などにも携わってきたので人の裏表にも多少は詳しいつもりでしたが。ネット経由で依頼を受けたり催眠を深化させるようになると、それでも表層部分しか私は知らなかったのだと思い知らされましたね。
凄く真面目そうな方が自分の性癖で悩んでいたりね。結構な著名人や有名人が、まさかそんなことにと思うような大きなトラブルに巻き込まれていることもある。
普段の生活において緊張を伴い、高度な駆け引きを必要とするような仕事に従事する人や、地位が高かったり多くの責任を背負ってストレスの多い仕事、常に集中力を高める必要のある人は、息抜きのためにちょっと変わった趣味や息抜きを持つ人も結構いらっしゃいますし。
SM趣味がある、幼児プレイをやってますから始まってクルーザーや飛行機、自動車を高速で走らせる、博打にのめり込む、女装癖がある、裸で散歩するなど様々です。
その程度ではいまさら驚きもしなくなりました。
はっきり言いますが人間なんてそんなモンですよ(笑)。真面目なだけで精神のバランスがとれる筈もない。優秀な人ほど多少は歪みも持っています。
そうじゃないとバランスがとれないから。息抜きも必要なのでしょう。常にマッチョで頼りがいがあって、仕事のできるタフな男なんて不可能でしょう。ストレスで死んでしまいますよ。
多少の歪みやおかしな部分を持ってるのが「普通」です。私はそう考えています。
決められた方向にだけ正確に動いて、一切の過ちや歪みのない人間なんてロボットと同じですよ。気持ち悪いだけです。人間としての魅力も少ないように思います。
歪みも過ちもおかしな部分も全て含めてその人の個性、パーソナリティであり人格なんでしょう。
どんな趣味や性癖、息抜きの方法があるにしても、周囲に多大な迷惑をかけるものでなければ、ある程度までは社会で許容されるべきなのかも知れないですね。